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妖しい亜熱泰

タイと東京、アジアと和の話題など。
出かけたついでに一枚をつづります。

タイ ラン島

2009-05-10 | Weblog
「あっ、船が出ちゃった。あっちの船なら乗れそうだから、行ってみて!」
ソンテウで埠頭まで行ってほしいと頼むと、運転手のおばちゃんは岸壁から直接桟橋まで乗り入れて乗船場まで運んでくれたのだが、間に合わなかった。次の船もすぐに満席となったが、すぐ隣の船が出るというのでデッキに乗り込んだ。

タイへは毎年数回訪れているが、この数年はバンコクやチェンマイばかりで海辺はご無沙汰だった。そこで今回はバンコクから近いパタヤビーチに宿を取って、沖合いにあるラン島に行く計画を立てた。
パタヤビーチは日本で言うと湘南海岸のようなところで、店はたくさんあるが俗化されていて海の透明度も高くない。
ラン島まで行くと、ようやく南国の島という気分が味わえるのだ。

ゴトゴトとエンジンをうならせながら、港を後にした船内にはタイ人や外国からの観光客でいっぱいだった。時折後方からモーターボートが追い抜いていくが、かなり揺れているのがわかる。ゆっくりでもこの船のほうが快適だし、船旅の気分が満喫できそうだ。
出航してから30分ほどで前方に緑の島影が見えてきた。珊瑚礁に浮かぶ砂浜の上に椰子の木が数本立っているという南の島のイメージとは違うが、やっと南国の島に近づいたという実感がわいてきた。ところがここから船は大きく左に舵を切って今まで視界に入ってこなかった左手のより大きな島に向かっていった。やがて、デッキチェアがずらりと並んだ砂浜が確認できるまでになった。目指すラン島だ。約50分の船旅。

着いたのはタウェンビーチという所で桟橋をはさんで両側に砂浜が広がっていた。乗客の後について左手の大きな砂浜に行くことにした。早速、デッキチェアとビールを確保。ゆったりと横になって、ぐびっと、これがいいのですね。

パラセイリングやバナナボートで遊んだり、泳いだりしている人もいたが多くのタイ人たちは海には近づかずに、日陰のデッキチェアに陣取って、飲んだり食べたり、トランプをしたりして過ごす。
私も桟橋で買ったつまみでぐびぐびやっているとうとうとしてきた。パタヤビーチの高級ホテルのプールサイドもよいが、宿は安くても、こうして島に来て浜風に吹かれながら波音を聞きながらぐっすりというのが、リゾート気分ですね。

おニューなパソコン

2009-05-07 | Weblog
2003年から使い続けていたノートパソコンは、当初からトラブル続きで昨年には液晶が真っ暗になってしまい、修理をしてなんとか持ちこたえていた。
しかし、年が改まって後ウイルスソフトの更新やウインドウズの更新ができなくなり、だんだん遅くなってきた起動時間が30分となってきたところで、壊れる前に買い替えを決断した。

知り合いの話を総合すると、同じ電気製品でも家電の冷蔵庫やテレビと違い、10年も長持ちするようなものでないらしい。ならば、前回のように12万円以上も出して新品の新製品にこだわる必要はなく、最低限の機能をもった価格の安いもので十分だろうと考え、量販店を物色して6万円台のデスクトップに乗り換えた。

光ってこんなに速かったんだ、と改めて実感している毎日だ。1分で起動、1分でメールもウェブサイトもつながるので、時間とストレスの軽減が急速に進んだ。

前のパソコンに入っていた画像やファイルは前もって保存して、必要なものだけ新しいものに移し変えて少しでも長持ちさせようと思う。
ひととおり作業が終わったところで、重大なポカに気づいた。住所録代わりにしていた前のパソコンに最初から入っていた筆王のデータが移管できないことに。

来年の年賀状は苦労しそうだ。

麗子像がいっぱい 岸田劉生展

2009-05-01 | Weblog
ポストの中に損保ジャパン美術館の封筒が入っていた。たぶん次回の展覧会案内だろうと思って開封すると「アンケート回答者の中から抽選で招待券が当たりました」と案内チラシともに招待券が。これはラッキー。
しかも岸田劉生展だ。急遽予定を変更して、新宿へ向かった。

今回の展示はサブタイトルに~肖像画をこえて~とあるように展示作品すべてが人物画だった。劉生自身人物画にこだわっていたようで、今回の出品作品だけでも約80点ある。

入っていきなりが、自画像。自画像ばかり15点ぐらい続いている。これはちょっと重い。自分なら自画像を描くなんてもっとも避けたいと思っているので、絵は見るのは好きだが描くほうには向いていないな。
そのあと友人・知人のコーナーがあってバーナードリーチや武者小路実篤らの著名人も混じっていた。白樺派との交流があったのだそうだ。
そして、次の家族・親族のコーナーにおなじみというかおまちかねの麗子像が、ひとつではなく数点あった。
強烈な印象だったのが「麗子坐像」で、次いで最初の麗子像といわれる「五歳之像」。グロテスクな笑みをたたえた「野童女」や美人画のような「麗子十六歳之像」なんていうのもあった。

解説を読みながら時代順に追っていくと、少しずつ画風が変わっていくのがわかって面白い。
久々の、本物に出会えた一日。

根津神社のつつじ

2009-04-30 | Weblog
やっぱり遅かったか。先週末天候が悪かったので予定していたつつじが延びてしまった。多くの人が訪れていた根津神社のつつじ苑の開花状況は、遅咲きだった。

根津神社を選んだのは、早咲きから遅咲きまでの種をそろえていて多少日がずれても大丈夫だろうと思ったからだ。誰しも考えることは同じようで、地下鉄の改札口から境内に至るまで、つつじ目当ての人たちが行列のように連なっていた。

つつじ苑は入場料200円を払って入る。小高い丘を利用して作られているので、順路に沿って歩き回るだけでも、高低差で景色が変わるのが面白い。だいたいの人は一回りして、それでも飽き足らずもう半周ぐらい回って、その間に各々お気に入りのポイントで写真を撮っていく。だが、一回りしたら次は反対に回ったほうがより面白い。行きと帰りではまた違う景観を楽しめるからだ。手前の下には神池、奥の下には朱の鳥居が延々と連なる乙女稲荷への参道が見渡せて変化に富んでいる。

前回は早咲きのときに訪れたが、どうやら一番よさそうな時期は早咲きの終わりごろ、遅咲きの咲き始めのようだ。

月岡芳年名品展

2009-04-29 | Weblog
駅から5分と案内にはあるが、初めて下車する埋立地の風景はどれも同じようなビルが建っているだけで方向さえわからなくなりそうだ。ららぽーとというから大きく→看板ぐらいでていると思っていたのだが、それらしきものもないので、交番で尋ねようとしたら入り口に「ららぽーと豊洲案内地図」が貼ってあった。よほど迷う人がいるのだろう。
ららぽーとに着いても、中が複雑で目的地がよくわからない。やっと上空に浮世絵美術館という案内を見つけてたどり着くことができた。

あれっ、たったこれだけ? 入館料500円を払って中に一歩足を踏み入れたときの印象だ。明治期に活躍した月岡芳年の錦絵30数点の展覧会なのだが、三角形に近い館内は予想以上に小さくてしかもまわりの壁に作品とその場面紹介のパネルが貼ってあるだけの単純な展示だったからだ。
作品自体は明治期の人が描いた江戸時代以前を題材としたもので、いわゆる浮世絵とも、明治期の東京や横浜の風俗を描いた錦絵とも少し違った、平坦なちょっとさめた視線で描かれたような絵だ。

この美術館は以前から気になっていて、今回思い出して出掛けた。有楽町にあったリッカー美術館の系統で、リッカーでは、ずっと昔に作品保護のため照明を落としたなかで見た印象が強かっただけに、明るくて単純な構成に戸惑った。
いずれにせよ、貴重なコレクションが散逸せずにこうした形で継承されていることにほっとした。

でも、簡単な無料のリーフレットぐらいは用意してほしかったな。