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エコミラ江東への見学(画期的な取り組み)

2016-01-17 11:28:14 | 日記
 障がい者を雇用する画期的な企業を確かめたいと考え、NPO法人地球船クラブ・エコミラ江東へ見学に行きました。所長のTさんから、地球船クラブと江東区の協働による環境福祉事業について話をお聞きしました。とてもやさしく、誠実な方でした。

 エコミラ江東は、「障害福祉サービス事業」による事業運営ではなく、知的障がい者を雇用する民間の会社。従業員20名。うち、知的障がい者は14名。ボランティアで高齢者の方も参加され、社会参加としていきいき活動。Tさんは「福祉関係の仕事などしたことがなく、福祉の素人でした」と言います。
 知的障がい者はすべて正規職員で、給与は14万円。生活保護受給者はいないとのことです。

 江東区はNPO法人地球船クラブ・エコミラ江東が協働して「発砲スチロールリサイクル事業」を先駆的に行っており、家庭やスーパー等、区内9,500ヶ所から使用済みの食品トレーを回収し、発砲スチロールを再資源化(ペレット化)している環境福祉事業です。

 所長のTさんは、リサイクル事業に障がい当事者を雇うことの課題として、①様々な事情により、知的障がい者の方々は6時間程度の労働しかできない、②労働生産性が上がらない、③発砲スチロールの絶対的な量が集まらず、仕事を与えることが厳しい、等、を挙げられていましたが、障がい当事者とのかかわりが多くなればなるほど、一人ひとりの傾向だったり、関わり方等がわかったりして、課題も克服できるようになったと言います。

 Tさんからお話をお聴きする中で感じた「エコミラ江東の可能性」は、以下に挙げられると思います。1つめは、江東区が全面的に協力し、1億円の機械を導入とているということです。2つめは、障がい者の雇用を生み出し、環境にやさしい取り組みをされており、働くことそのものが社会貢献につながっているということです。3つめは、障がい者の収入を革命的にアップさせていることです。4つめは、作業が複雑ではないことです。5つめは、障がい者の特性に応じた業務の切り出しが可能であること。6つめは、全国的に発砲スチロールリサイクル事業は新しい事業であり、可能性に満ちていることです。

 エコミラ江東のホームページにも書かれていましたが、所長のTさんは「障がい者の方々が仕事をして給与を得ることは、税金を使う側から納める側になること。自治体にとって、トレーの改修費用は決して少なくありませんが、このような事業が増えれば障がい者の方々の雇用も増え、生活保護にかける予算も減ってくるのではないか」と言っています。

 働いて税金を払うことは、社会参加であり、社会貢献です。障がい者の生活保障を実現し、経済的な不安を解消していくとともに、自分が働いていることそれ自体が社会に貢献していくことに誇りを持てるかが大切なのではないかと思っています。
 エコミラ江東は、生活保障の実現、経済的自立、働くことを通して社会貢献をしていくことの誇りを獲得できる、非常に意義深い取り組みをされていると感じました。

 2016年1月16日付の『東京新聞』には、「東京都は独自の事業として、障害者の正社員化や待遇改善に取り組む事業主への奨励金制度を創設する。関連事業費九億円を当初予算案に計上し、七百五十人分の正社員化を目指す」と書かれています。
東京都は障がい者の雇用支援を強化する考えを示したわけですが、エコミラ江東はその先駆的な取り組みとして挙げられるのではないかと思います。

 エコミラ江東の所長のTさんには大変お世話になりました。この場をお借りしてあらためて感謝申し上げます。

 当法人のホームページは以下をクリックするとご覧いただけます。





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