非常時備品キット

2018-10-19 16:07:24 | 日記
 「いざと言う時便利なもの程、いざと言う時手元に無い。本当にヤバい時は、シンプルな道具が役に立つ。」

 平成になってから大規模地震が5つありました。阪神淡路大震災、中越地震、東日本大震災、熊本地震、北海道胆振東部地震の5つです。各地震の間隔は10年、6年、5年、2年半と大規模地震発生の間隔が短くなってきています。私は、東日本大震災の時は都内の介護施設に勤務しており当日は夜勤でした。夕食はガスコンロを用い調理して、電話は不通で外部との連絡が取れず、予震に怯える夜を過ごしました。地震発生以降の数日は日常消耗品が入手困難な中、計画停電で電源喪失の憂き目に遭いました。この時の経験を踏まえて、いざと言う時役に立つ「非常時備品キット」を作りました。

 私は若い頃に登山を趣味にしていました。登山で学んだ一番の教訓は「荷物は軽い方が登山は楽しい」です。あれも必要、これも必要と沢山の荷物を背負っての登山は、実は大変辛いものとなります。登山は自分の荷物は自分で背負うのが基本です。道具を選ぶ際は一つの道具に複数の役割を担えるシンプルなものを選び、全ての荷物は1グラムでも軽いものを選び、余分なものは持たないことを徹底します。背負う荷物が軽い登山は楽しいです。これは、私の人生訓でもあります。



 非常時備品キットも、この原則に基づきます。キット内容は最低限必要なものを選び、それぞれは1グラムでも軽いものを選びます。いざと言う時役に立つキットは、いざと言う時手元にある(携帯できる)ことが必須です。故に、軽く小型であることが絶対条件となります。スマートフォンや携帯電話はバッテリーの消耗を控えるために使用は必要最低限を心掛けます。情報収集にはラジオが便利です。キットの電池駆動系道具(ライト、ラジオ)の電池は統一することが大切です。コンビニ、駅の売店、田舎の雑貨屋、山小屋 等何処でも入手できるものを選びます。東日本大震災の経験から非常時には単1アルカリ電池が店頭から無くなります。最有力は単3アルカリ電池ですが、単3アルカリ電池を使用するラジオは大きくかさ張るた
め、単4アルカリ電池を選びます。単4アルカリ電池2本を使用するライトとラジオを揃えれば、電池が2本しかない場合、昼間はラジオに使用し、夜間はライトに使用できます。非常時備品キットの総重量は500グラム以下に抑えることが大切です。500グラムとは、500ml のペットボトル一本分です。

 参考までにキットのリストを記します。写真右上から、ティッシュ、ウェットティッシュ、綿棒 安定ピン 輪ゴム 楊子、イヤホン、ラジオ、※ナイフ、ライター、単4アルカリ電池8本、胃薬 鎮痛剤、油性ペン、ライト、マスク、外傷用パット、介護医療用ゴム手袋、バンダナ、湿布、ポーチ(195✖142✖55㎜)。総重量450グラム。
 ティッシュやバンダナは日頃使用するもので賄い、電池を4本に減らし、ポーチを軽量化して、ナイフを携帯しなければ、総重量350グラム程度に抑えることも可能です。また、たこ糸等があれば便利です。
 ※ナイフの携帯は銃刀法に抵触するので日常では携帯しません。写真は参考まで。



 非常時備品キットに正解はありません。日頃より非常時をシュミレーションして自分に必要なものを思考することが大切です。

 社会福祉士 佐藤 信行

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救済

2018-10-03 16:03:34 | 日記

 
 今から30年以上前、米国が誰からも憧れられた時代がありました。高卒自動車工場勤務者(ブルーカラー諸氏)が、郊外に庭つき一軒家を購入して、子ども二人の高等学校教育費用を賄えるだけの収入が保障されていた時代です。以降米国鉄工業は貿易摩擦の過程で凋落してゆきます。当時のインタビューに、日産フェアレディZを見たアフリカ系米国人が「ドイツ製のスポーツカーと同性能の車が半値なら買うよ」と答えている姿が象徴的でした。

 第45代米国大統領の支援者特に鉄工業ブルーカラー諸氏は、30年以上前の米国を再現して欲しいと望む人々です。私は、70年代の米国鉄工業製品が大好きです。と同時にこれらの工芸品的な製品が今後量産品として製作されることは無いことも知っています。当然、米国ブルーカラー諸氏も知っています。技術の進歩と製品に対するニーズが変化してきたことも理由の一つですが、国境を越えて流入出する、人、もの、金が、高い人件費をかけて熟練工が製作する量産品の存在を許さないからです。つまり「壁を築いても」約束した公約は、果たされないのです。

 真に危惧すべき事は、現在の米国ブルーカラー諸氏もまた30年以上前の米国が再現されることは無い『公約は果たされない』と知りつつも、自らのルサンチマンをぶつけるやり処を投票する形で、世界を危機に導く作用に貢献してしまうことです。

 魔王と恐れられた織田信長は、天下統一の過程で中世の権威を破壊しました。時代の変革期には、信長のような既成の権威を破壊する者が顕れます。それは、「天が遣わした」と表現できるかもしれません。その者が使命を果たした時、新たな時代の扉が開かれる様を歴史は繰り返してきました。『神は人のためにおられる』のであるならば、より良い世界の創造、救済のために「彼」を遣わしたのだと、私は信じたいです。

社会福祉士 佐藤 信行

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