~サッカーは子供を大人にし、大人を紳士にする~

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後輩

2016年03月13日 21時31分35秒 | その他

大学2年になって、Aサブ~Bチーム位の位置につけていた自分は(当時の部員数は130~150位)、今年こそはAサブの位置につけて3年ではスタメンの位置に、と迎えた春、新入生に一人のDFが入ってきました。彼の名は前田和哉。和歌山の強豪初芝橋本高校出身の彼に対してのイメージは「普通の奴」という印象でした。

そんな「普通の奴」と思っていた後輩は、対人に強く、キックの精度も高く、プレーは堅いが安定している、それになんといってもそこまで口数が多い訳でもなかったですが、内に秘めた闘争心が物凄くプレーに出ていました。2年の6月ようやく公式戦デビューを果たした自分は、同じくスタメンの彼と同じピッチに立ちました。彼はセンターバック、自分は左SBでの出場でした。しかし、接戦の後半残り10分位に恥ずかしながら足をつってしまい、満足にプレーできない状態になりました。その時、若干1年生の彼に「頑張ったら戦えるって、がんばろよ」と奮い立たされました。そんな風に普段は静かでも年上にも熱い言葉をかけれる奴でした。

その後、彼はレギュラーとして関西選抜にも名を連ね、卒業後は練習生でセレッソ入団を勝ちとりました。そしてトントン拍子に出世し、2005年、Jリーグ優秀新人3人の内の一人に選ばれました。(他2人はカレンロバート・西川周作)

そして現在は山形への移籍を経て、キラバンツ北九州でキャプテンとして頑張っています。

そんな彼の人間性を物語るエピソードを一つ。

彼がセレッソでプレーしていた当時、自分もまだ奈良クラブでサッカーをしていて、練習試合をする機会がありました。おそらくその時、彼は相手に僕が所属していた事を知らなかったと思います。

そして両チーム分かれてアップしていた時、僕に気付いた彼はアップを止め、わざわざ「お久しぶりです」と握手を求め、挨拶にきてくれました。優秀新人にも選ばれ、J1セレッソの不動のレギュラーにもなっても彼は全く奢ることなく、気を遣ってきてくれました。

よくウチの生徒にも、恩師が試合に来てくれたら必ず挨拶に行くように指導しています。それはそういう事でもあるんです。

下に貼った動画は、ある年の天皇杯で、山形対セレッソ(当時は移籍して山形に所属)戦で、セレッソでの功労者であった彼に、相手ながらエールを送っているセレッソサポーターの動画です。(ニックネームはゴリ前田)

https://www.youtube.com/watch?v=nMPrpKuYytw

つまり、性格が大人しいとか、口数が少ないとか、人見知りとか、人それぞれです。何にも問題ありません。

でも、サッカーを(スポーツ)するなら、肝心な時に強く、熱く、戦え、そして周囲に気が配れる、人の為にも戦える、期待してくれてる人(サポーター)の期待に応えるべく、死ぬ気でやれる。

そんな要素が必要だと思います。

彼のような熱い男に出会える事を楽しみにしています。