看護とストレス・コーピング理論2
ストレス・コーピング理論の理解は、患者が遭遇するストレッサーの違いにより、どのようなコーピング(対処)を使えば健康を維持増進できるのかを知ることへとつながる。
また、「その人」のストレッサーやコーピング(対処)を知ることで、有効な看護援助を考えて行うことができる。
何らかの疾患にかかっている患者に対して。
→治療的介入が考えられる。
すでに発生しているストレッサー(自分に強い影響を与えているもの)に応じたコーピング(対処方法)を選択するよう援助することで、心身の状態が維持され改善される。
→予防的介入も可能。
今後発生すると予測されるストレッサーに対しても、可能で有効なコーピングを選択できるよと示すことで、有害なストレス反応を減らしたり避けたりすることができるのである。つまり、「コーピングが簡単にできるよ」という認識を与えることで、一次評価でストレッサーがストレスフルなもの(=「このストレッサー、むっちゃしんどいわ」)と評定する、その程度軽減(=「このストレッサー、まあまあだな」)に役立つ可能性を持つためである。
この理論を看護に応用する際に重要なことは3つ。
A.ストレッサー(問題)の明確化、B.ストレス反応とコーピング方略の把握、C.適切な看護援助の選択。
ストレッサーの明確化……対象者にどのようなストレスが存在するのか。日常苛立ちごと尺度、血液透析ストレッサー尺度、対人ストレスイベント尺度などで測定する。
[例]入院患者が、「不慣れな環境」や「自立の喪失」「情報不足」「他の人からの隔離」といった因子のストレスを持つ。
ストレス反応とコーピング方略の把握……患者がストレッサーをどのように認識し反応するのかを看護者が把握し、対象者の問題への対処方法を理解することが重要である。
[例]ストレッサーの質と量。ストレッサーが量的なものであると認識した場合、対象者は積極的な認知や行動をとる。一方、ストレッサーが質的(役割が不明確である等)なものであると認識した場合は回避的な認知や行動をとる。
⇒ここを把握・理解しておく。
適切な看護援助の選択……関連要因(ソーシャルサポートの状態など)について情報収集、アセスメントを行い、どのようなコーピングがストレス反応を低減・消失・予防するのか判断して適切な看護援助を選ぶ。
・参考文献
1)松本光子、小笠原知枝、久米弥寿子編、廣川恒夫(2006)、看護理論 理論と実践のリンケージ―看護研究の成果に基づく理論を実践しよう―、pp.116-123ヌーヴェルヒロカワ
2)出口禎子、長谷川素美(2004)、ナーシンググラフィカ㉜精神看護学―情緒発達と看護の基本、pp.28-33、メディカ出版
ストレス・コーピング理論の理解は、患者が遭遇するストレッサーの違いにより、どのようなコーピング(対処)を使えば健康を維持増進できるのかを知ることへとつながる。
また、「その人」のストレッサーやコーピング(対処)を知ることで、有効な看護援助を考えて行うことができる。
何らかの疾患にかかっている患者に対して。
→治療的介入が考えられる。
すでに発生しているストレッサー(自分に強い影響を与えているもの)に応じたコーピング(対処方法)を選択するよう援助することで、心身の状態が維持され改善される。
→予防的介入も可能。
今後発生すると予測されるストレッサーに対しても、可能で有効なコーピングを選択できるよと示すことで、有害なストレス反応を減らしたり避けたりすることができるのである。つまり、「コーピングが簡単にできるよ」という認識を与えることで、一次評価でストレッサーがストレスフルなもの(=「このストレッサー、むっちゃしんどいわ」)と評定する、その程度軽減(=「このストレッサー、まあまあだな」)に役立つ可能性を持つためである。
この理論を看護に応用する際に重要なことは3つ。
A.ストレッサー(問題)の明確化、B.ストレス反応とコーピング方略の把握、C.適切な看護援助の選択。
ストレッサーの明確化……対象者にどのようなストレスが存在するのか。日常苛立ちごと尺度、血液透析ストレッサー尺度、対人ストレスイベント尺度などで測定する。
[例]入院患者が、「不慣れな環境」や「自立の喪失」「情報不足」「他の人からの隔離」といった因子のストレスを持つ。
ストレス反応とコーピング方略の把握……患者がストレッサーをどのように認識し反応するのかを看護者が把握し、対象者の問題への対処方法を理解することが重要である。
[例]ストレッサーの質と量。ストレッサーが量的なものであると認識した場合、対象者は積極的な認知や行動をとる。一方、ストレッサーが質的(役割が不明確である等)なものであると認識した場合は回避的な認知や行動をとる。
⇒ここを把握・理解しておく。
適切な看護援助の選択……関連要因(ソーシャルサポートの状態など)について情報収集、アセスメントを行い、どのようなコーピングがストレス反応を低減・消失・予防するのか判断して適切な看護援助を選ぶ。
・参考文献
1)松本光子、小笠原知枝、久米弥寿子編、廣川恒夫(2006)、看護理論 理論と実践のリンケージ―看護研究の成果に基づく理論を実践しよう―、pp.116-123ヌーヴェルヒロカワ
2)出口禎子、長谷川素美(2004)、ナーシンググラフィカ㉜精神看護学―情緒発達と看護の基本、pp.28-33、メディカ出版