また、今年も17日がやってきました。私は、東灘で生まれ育ちました。したがって、阪神淡路大震災の被災者です。当時の私の住まいは、震度7の激震地であった東灘区御影ですが、マンションそのものは一部損壊で、さほど大きな被害はありませんでした。しかし、見慣れた風景が一瞬にして破壊されるほど、悲しいことはありません。地震だとわかったのは、長い横ゆれと縦ゆれがとまってすぐでした。住宅内部は、高層階に住んでいたため、テレビも箪笥も本棚もパソコンもすべてぶっ飛んでいました。戸外へ出ると、燃える炎の朱色、タンカーで運び込まれる人々、ところどころにひび割れた道路、倒れかけた電柱。妙に静かな幹線道路、冷たい空気、ゆっくりとした歩調で避難所に向かう人の群れ…。ラジオのアナウンサーの興奮した声。地震の2~3日前にみた「阪神間にも地震の可能性がある」といった新聞記事がふと頭に浮かぶました。まちづくりの専門家として何ができるかということや記録に残すことは二の次で、愛するまちの景色を失ったことのショックと悲しみで打ちひしがれていました。震災以降1週間ほど近くの実家で家族が寄り添ってライフラインが復旧するのを待ちました。2日から3日は配給等の情報も入らず、弟がミニバイクに乗って、あちらこちらの情報を収集してくれました。車は何の役にもたちませんでした。そんな経験をした私は、ふとしたことがきっかけで、吹田の山田東に引っ越すことになりました。
I市の生涯学習センターで、シニアパソコンの講座の講師をしているのですが、昨年から、団塊の世代への対応ということで、私の受け持つ講座が1つから3つに増えました。生徒さんも前向きで、私としても手を抜けません。最近、生徒さんの中で、「自治会活動で会計をしているが、パソコンが使えるということで、会計報告をまかされました。わからないところがあるので、ぜひ教えて欲しい」という声をよく聞きます。そうか!私の講義が少しでも地域活動に役立っているのか!ととてもホットな気持ちになります。昨日も、丸一日センターで講座を持ちましたが、ブログの面白さについても講座の冒頭でお話してきました。地域活動は、このような前向きのシニアの方々によって、少しつづ変わってきつつありますね。
私のおもなまちづくりに関する著書、研究論文を紹介します。
詳細を知りたい方は、ご一報を!
<著書>
■『地方分権時代のまちづくり条例』共著 学芸出版社、1999年
<論文>
■「まちづくり関連条例の展開とその意義」筆頭 日本都市計画学会学術研究論文集29号、pp.713-716、1994年
■「景観条例・まちづくり条例にもとづく市民団体の活動と支援方策の特性に関する研究-兵庫・大阪・滋賀における景観およびまちづくり条例を事例として-」筆 頭日本建築学会計画系論文集第516号、pp.193-199、1999年
■「まちづくり条例運用による住民主体のまちづくり支援実態の分析」筆頭 日本計画行政学会第22巻第2号、pp.58-65、1999年
■「住民主体のまちづくりプロセスの体系化とまちづくりの段階別にみた支援方策のあり方」筆頭 日本都市計画学会学術研究論文集34号、pp.319-324、1999年
■「住民主体の「まちづくり構想」策定から事業展開としての交通社会実験へのプロセスに関する研究―豊中駅前地区まちづくりを事例として―」筆頭 日本都市計画学会学術研究論文集35号、pp.853-858、2000年
■「昭和初期における健康維持・増進策と都市環境整備の関連性に関する研究― 『大大阪』に記載された論文の分析を通じて」筆頭 日本都市計画学会学術研究 論文集38-1号(一般研究研究論文)、pp.46-51、2003年
■「ニュータウンにおける持続可能なまちづくりの指標づくりの意義と方向性に関する研究」筆頭 日本都市計画学会学術研究論文集39-3号、2004年
ほか多数
詳細を知りたい方は、ご一報を!
<著書>
■『地方分権時代のまちづくり条例』共著 学芸出版社、1999年
<論文>
■「まちづくり関連条例の展開とその意義」筆頭 日本都市計画学会学術研究論文集29号、pp.713-716、1994年
■「景観条例・まちづくり条例にもとづく市民団体の活動と支援方策の特性に関する研究-兵庫・大阪・滋賀における景観およびまちづくり条例を事例として-」筆 頭日本建築学会計画系論文集第516号、pp.193-199、1999年
■「まちづくり条例運用による住民主体のまちづくり支援実態の分析」筆頭 日本計画行政学会第22巻第2号、pp.58-65、1999年
■「住民主体のまちづくりプロセスの体系化とまちづくりの段階別にみた支援方策のあり方」筆頭 日本都市計画学会学術研究論文集34号、pp.319-324、1999年
■「住民主体の「まちづくり構想」策定から事業展開としての交通社会実験へのプロセスに関する研究―豊中駅前地区まちづくりを事例として―」筆頭 日本都市計画学会学術研究論文集35号、pp.853-858、2000年
■「昭和初期における健康維持・増進策と都市環境整備の関連性に関する研究― 『大大阪』に記載された論文の分析を通じて」筆頭 日本都市計画学会学術研究 論文集38-1号(一般研究研究論文)、pp.46-51、2003年
■「ニュータウンにおける持続可能なまちづくりの指標づくりの意義と方向性に関する研究」筆頭 日本都市計画学会学術研究論文集39-3号、2004年
ほか多数

今日から本格的に仕事モードとなりました。初出勤にふさわしい岸和田市役所に近接する「五風荘」という日本画家の別荘(市が買い上げる)で会議がありました。部屋からの日本庭園は格別なものでした。五風荘へ行く途中に、障がい者のための作業所が、自由軒と提携してカレー屋さんになったという「カレー屋」で、甘口ビーフカレーをオーダーし昼食としました。

五風荘に向かう路地は、岸和田らしい景観を見せてくれます。また、市役所周辺は、五風荘に隣接するモダンな校舎の岸和田高校と、昭和20年代に再現された岸和田城とのモダンとクラッシックの混在する様子が岸和田のまちを象徴しているかのようで、大変面白いエリアです。しゃれたレストランやこだわりのお店も点在しており、文化度の高さが感じられます。
私の旦那は、数十年にわたって江坂の設計事務所で図面をひいています。昨今の不況で、ボーナスがない場合もあり、家計は大変。その分、私がフル回転して家計を賄っています。最初は、「なんで、妻の私が子育てに、仕事に、苦労しなければならないの」と愚痴をこぼしていました。旦那は、収入が減っても設計という職を変えようとはせず、黙々と図面に向かって仕事をしている。多分、彼にとっては、私が稼ぐことは一向にかまわない。私の収入が自分より増えることに対して特にプライドを傷付けられたとかそんなことは考えていない。図面をかくこと、モノをつくるということその職業に「誇り」を持っているからだと。それをわかってあげられなかった自分が悪かったのではないかと思うようになりました。最近、ある市でまちづくり構想の市民会議の運営のお手伝いをしましたが、この「誇り」がいたるところに市民意見として出てきました。そのとき、私は自分に問いかけました。「誇り」を持って住んでいますか?あるものを犠牲にしてまで守っていかなければならない「こだわり」をもって、その地域に住んでいますか?
自治基本条例で協働の指針づくりをお手伝いすることがあるのですが、市民と行政の協働を進めていくなかで、基本原則の「対等の原則」が、実感として一番わかりにくいなあと感じています。「お互いが上下関係ではなく、横の関係を保つこと…」「お互いが持つ力を充分に活かし、相乗効果を発揮すること…」など様々な議論があるかと思います。辞書を調べてみると、対等は、「二つの物事の間に上下・優劣のない・こと(さま)。同等。」とあります。理念的にはよくわかるのですが、実際のまちづくりの現場で、行政と市民の対等な関係づくりというと何を示しているのかよくわからない。例えば、対等の関係を築くためには、まず、相手のことを良く知り、理解するように努め、お互いの存在を認め合うことが大切だとあります。でも、相手のことを知っているようで知らなかったり、認め合っているようで認めていなかったり…。限られた時間の中で、相手をより深く知ることの難しさもあります。
最近、小難しい専門書を読んでいたのですが、久々に楽しく読めて、しかも実践まちづくりに役立ちそうな本をお正月に読んだので紹介しますね。日本経済新聞出版社から出版された「「元気村」はこう創る」です。著者は國領次郎ほかです。「情報化こそ地域再生の起爆剤だ」というキャッチコピーなのですが、実際にまちづくりの現場で、ブログネットワークやMLによる協働のまちづくりを展開しようとしている今の私には、目からうろこです。彼らは、「住民を主役にした地域づくりを目指そう」のなかで「地域に住む人々を地域づくりの主役であると考え、地域の人々が地域の資源を活用して個性と活力ある社会をつくることを目指したい」といっています。さらに地域の「資源活用のポイントは「つながり」の創出だ。熱意ある人々と、歴史に支えられた豊かな地域資源がありながら、それらの力が分断されていて有機的な結合が起こらないことで、不完全燃焼になっているからだ」とも。さらに、行政側に求める態度として、「住民側に行政が何をもっているかを開示し、住民に現場目線でばらばらになっている行政機能を統合する主導権を発揮してもらう、などといった大胆な発想が必要である。」といっています。各地域の実践事例も記載されているので、とても読みやすい。この本読んだ人、感想聞かせてくださいね~。また、地域情報化で実践している人もコメントをお待ちしています

研究者が何で評価されるかというと、「論文の数」です。しかし、私の専門は、まちづくりのプロセスや支援なので、長~いスパンで、地域に入り込み、評価をしていかなければなりません。したがって、論文の数は、そう多くありません。ある期間集中的にアンケートやヒヤリング調査をし、それを取りまとめることもありますが、大半が地域にべったり入り込んで、「誰がどう動いているのか」、「何で困っているのか」、「どういう支援が必要か」を観察し、私自身もその現場で、汗をかきながらまちづくりを行っています。研究者という視点は常に持ち続けてはいますが、その多くは、地域の人や行政、事業者とのやり取りの中で、まったく何もないところから、何かを作り上げていくそんな活動です。その割合は、3:7。多くのやり取りの中で、新たな知見が得られるのはほんの少しです。現在までのまちづくり支援の現場の状況を整理して1つの本として出版することも大切でしょうが、今は、現在かかわっている各地域のまちづくりがうまくいくことだけを考えて日々奮闘しています。
