emitanの心にうつりゆくもの

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おんな城主直虎 第33話「嫌われ政次の一生」

2017-08-21 16:56:17 | 2017夏ドラマ
昨日の直虎、壮絶な終わり方でしたね・・・。
毎週観ていて、どんどん面白くなっているようには感じていたのですが、
小さい豪族の話が続き、小さいいざこざが絶えなく、いつまでたっても存亡の危機が続くので、そちらの意味(武家側の話)では物足りなさ&もどかしさが多く、
最近までは直虎周辺の恋模様にばかり気になっていました。
でも、今回は正真正銘の武士のお話で、私がこれまで観てきた大河ドラマの中でも5本の指に入るような衝撃的な神回だったと思います。

5年前の大河「平清盛」の第23話「叔父を斬る」(当ブログではこちら)以来の衝撃的な号泣回だと思っていたのですが、
その時と同じ演出家さんだったとのこと・・・。
他にも、大河「太平記」で足利尊氏が弟・直義を殺す場面や、古くは大河「独眼竜正宗」で政宗を母親が毒殺しようとするシーンが、私の中ではものすごく衝撃的なシーンとして印象に残っているのですが、
それらに並ぶくらいに、今回の直虎の回は今後しばらく引きずりそうだと思ったため、今回ブログに書き残すことにしました。

大河ドラマは長丁場で、いろいろな伏線があって深いから、感想を書くのはなかなか難しいのですが・・・。
大したことは書いていません、スミマセン。


(※あえて「井伊直虎←→おとわ」「小野政次←→鶴」と、名前を統一しないで書いています)

政次が、井伊のためを思って周りを欺きながら動いていたことが、逆に近藤に利用されて・・・。
家康も見抜いていたけど、まだまだ小大名だったから、いっぱいいっぱいだったのでしょうね。
直虎に問われても、自分が家康だということも言わずに、無言でただ土下座をするばかりで・・・。
直虎の言う通りにしたいのは山々だけど、自分の戦力のバランスや今後の展開を考えると、後回しにせざるをえなかったのですよね・・・。

さすがの和尚様も、今回は表情が常に険しく、ニャン渓はもちろん登場せず。
いつも柔和な表情を見せる小林さんだけど、表情だけで事態の深刻さがより分かる・・・流石です。
和尚様は、目先の井伊家の存続よりも「おとわ」の今後を考え、おとわ&鶴の救出&逃亡作戦を考えたのですね。
生きていれば「明日は何が起こるか分からない」ですしね。

でも政次は、冷静に現状を分析して、
井伊家を恨んでいる近藤の怒りを解かなければ、井伊家の危機はいつまで経っても続くこと、
そして現状の兵力で井伊家を存続するためには流す血を最小限にしないといけないこと、
それらを考えた結論として、自分が全て仕組んでいた事として、自分一人がバツを受ければいい。
どんなに忌み嫌われても井伊のために最善の行動をするのが小野家の本懐であり、
「私はこのために生まれてきたのだ」と。
お家・主君を大事にする思いに加えて、これまでの おとわに対する無言の愛情がこれ以上にない形で溢れ出ていて、この時点で胸がいっぱいになっていたのですが、
神回は、それだけじゃ終わりません・・・。

この時点でまだ政次の思いに気付かない直虎は、龍雲丸に言われて、やっと少し気付いたのかな。
「井伊ってのは、アンタなんだよ。
 あの人の言う井伊ってのは、アンタのことなんだよ!
 小野って家に生まれたことで振り回されたかもしれねぇ。
 辛い目にも遭ったかもしれねぇ。
 けど、そんなもん、その気になりゃあ放り出すことだって出来た。
 そうしなかったのは、あの人がそれを選んだからだ。
 アンタを守ることを選んだのは、あの人だ。
 だから本懐だって言うんでさぁ」

そして、和尚様にどうすればいいか尋ねると
「誰よりも あやつの事が分かるのは、そなたじゃろう。答えは そなたにしか分からぬのではないか」
と言われて、数日ずっと井戸の前で考えていたのかな・・・。

鶴とのこれまでの事を思い出して、井戸の前で鶴に「我を上手く使え。我もそなたを上手く使う」と話し合ったことを思い出した おとわ。
「政次が逝くというなら、私が送ってやらねば。我が送ってやらねば」
と言うので、政次が処刑されるのを文字通り「見届ける(だけ)」だと思っていたのですけどね・・・。
処刑所で、お互いに顔色を変えず、目だけで会話。
顔色変えずに見届けるだけでも充分だと思ったのですが、まさか・・・

政次の死を決して無駄にしないために、井伊は徳川(近藤)に従順なこと、井伊を裏切る者は容赦しないという姿勢を「これでもか」と見せつけるために、心臓を一突き
更に罵詈雑言を発して、
「地獄へ落ちろ、小野但馬。地獄へ!
 ようもここまで我を欺いてくれたな!
 遠江一、日ノ本一の卑怯者と未来永劫語り伝えてやるわ!」

はりつけの刑は、はりつけにして殺すのではなく、はりつけにした状態で何度も刺して、生きたまま晒して、痛みを長時間感じながら死なせるという極刑なので、
心臓を一突きにしたことは一見するとムゴイように見えるけど、おとわの鶴への思いやりからの行為なのですよね。
でも、それを悟られないために、尼が決して口にしないような、武家の当主として正しくあるべき言葉を、政次に浴びせて・・・。

そんな おとわの決意が分かった鶴は、笑顔で政次として答えていましたね
「笑止!未来など、元より女子頼りの井伊に未来などあると思うのか?
 生き抜けるなどと思うておるのか!?
 家老ごときに容易く謀られるような愚かな井伊が、やれるものならやってみよ!
 地獄の底から見届け・・・・・・」

お互いに本心は真逆なのに、井伊のため、おとわのため、鶴のために、死の瞬間まで阿吽の呼吸で思い合いながら行動する姿に、涙が止まりませんでした。
1日経った今日も、まだウルウルしてしまいます・・・。

政次を演じていた一生さんが、少ない言葉と僅かな表情で感情を細かい所まで表していて、本当に素晴らしかったですし、
直虎を演じる柴咲さんの目力が、この回は特に鬼気迫っていて、言葉がないくらいに圧倒されました。


政次の死を最大限利用した直虎・・・
壮絶な別れは、このあとどう影響が出てくるのでしょうか。


和尚様以外は頭脳派がいない(!?)井伊家は、これからどうなっていくのでしょうね。
之の字は、腕は立つけどキャンキャン系だし、
六左は、頭は良さそうけど、優しすぎるのと押しが弱いから、意見をなかなか口にすることができないし、
龍雲丸は、頼りになるけど、まだ井伊家の周りに居続けるかが不明ですからね。
心の支えになるのは和尚様と龍雲丸になるとは思いますが・・・。


「白黒をつけむと君をひとり待つ 天つたふ日ぞ楽しからずや」
政次の思いは、これからの直虎の中でも生き続けるはずです。
地獄の底ではなく天国から見届けて、守ってあげてください(-∧-)


・・・ということで、突然大河ドラマの感想でした!
カテゴリーは「夏ドラマ」にしていますが
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3 コメント

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Unknown (まりりん)
2017-08-21 22:38:53
こんばんは~emiさん、「叔父を斬る」の話がどんな話だったのか忘れていました。思い出しました、ありがとう!
清盛もグッとくる話が多かったですよね。藤本さん、森下さん共に好きな脚本家さんです。
直虎、最初は挫折しそうになりましたが私の好きなドラマ沢山書いている方なのできっと面白くなると思って見てました。

大河は女性絡みで怖いシーンが多いかも。春日の局とかも「ひょえ~」というシーンが多かった気がします。

なんの大河だったか跡取りの子供を張り付けにして男の子の急所を槍で一突きというシーンがあって、衝撃でした。

いろいろ見てますがあまり覚えてないのが残念です。深キョンの入水シーンは涙が出るほど綺麗でしたね。
返信する
Unknown (まりりん)
2017-08-21 22:45:45
神回でしたね、今年見たドラマでも一番の神回だと思います。

テレビドラマって映画や舞台に比べるとちょっと軽くみられる部分もありますが、家にいながらこんなに凄いものを見れるなんてまだまだドラマもやれるなと思います。NHKが作る大河ですけどね、民放と違ってただじゃないですが(笑)
返信する
>まりりんさんへ (emi)
2017-08-22 15:51:59
まりりんさん、コメントありがとうございます!

神回でしたね・・・想像を遥かに超えた壮絶な最期に、未だに引きずっています。
ツイッターで「#おんな城主直虎」で検索すると、2日経ってもツイートがたくさん上がっていて、引きずっている人が多いんだな~と。
安易に残虐なシーンを出すのには反対だけど、こうして昔の刑を再現して、「残虐」という言葉の前に深く考えさせるように描いてくれているものには、本当に称賛の拍手を送りたいです。
脚本家のお力もそうですし、プロデューサーや演出家、音楽の方、スタッフ&キャスト全員が、回避することなく本気で出していただいたことに、感謝です。

平清盛での「叔父を斬る」や、ブログに書いた太平記や独眼竜政宗のシーンは、一族を泣く泣く殺そうとするシーンだったのですが、脚本以上に役者の力が溢れ出ていて、壮絶さが未だに頭に焼き付いています。
今回の直虎のこのシーンも、柴咲さんと一生さんの超越した力が、脚本を更に凄まじいものにしたと思い、この凄いシーンを観ることが出来て、本当に感謝です。

初回からの丁寧な話の積み重ねもありますよね。
平清盛も、初回からとても丁寧に描かれていて・・・。
壇ノ浦の入水シーンもそうですし、窪田君演じる清盛の長男・重盛が、病気で苦しみながら父親に訴えかけるシーンなど、色んな名シーンが未だに浮かんできます。

見応えのあるドラマが、これからも出てきてほしいですね!
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