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日常と日記
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このまえのビッグバンセオリーで

2018-11-25 | 日常
このまえのビッグバンセオリーで、シェルドンとエイミーが互いの皮膚細胞から脳細胞を培養するという実験をやっていた。
二人の天才から作り出したその細胞がかなり優秀で、
「どこの幼稚園も僕たちの子供を欲しがるぞ!!」
ってなる回だったんだけどちょっと調べたらマジでそういう研究が進んでるってことを知りました

採取して掛け合わせる皮膚細胞はもちろん♂同士でも♀同士でもいいらしい。
最終的には両名の遺伝子を持った子供まで理論的には作れる可能性があるとのことです
わりと遠くない将来に。

うーむ。


いろんな意見がありましょう。

少子化対策になるのかな。うーむ。肯定も否定もしない。ほんっとーーーーに子供が欲しくて嘆き苦しんでる人もいるし。

それで思い出した二年ほど前に読んだ村田沙耶香さんの「殺人出産」。

すごい少子化になった世界で、子供を増やすために、
「妊娠して子供をがんばって十人産んだら、どんな、どんな相手でも合法的にひとり殺せる権利を与える」
っていう法律がある世界なんですね。
合法的に絶対に一人殺せる。
そしてその相手はどんなことがあっても逃げられません。どんなに逃げようと国家権力で捕えられ
「さ、君の権利だよ。10人も産んでくれてありがとう、好きなように殺していいよ」
ってその人の前に繋がれてしまいます。殺し方は自由。
かつていじめられた恨み、復讐、美人や金持ちへの妬み、理由は問われません。とにかく10人産んだものがえらいのです。
これは賭けです。だって九人で力尽きることもあるからです。
そこまで到達するのは年月もかかるし、身体への負担、自由のない施設生活、期限切れ。
言うまでもなく妊娠出産は命がけなんです。戦うものだらけ。

もうひとつ。
少子化対策として、殺人を犯してしまった場合、罪を償うのに服役するとか死刑になるとかそんな罰を受けるのではなく、むりくり妊娠させられるのです。
命がけの出産をしてこの世に子供を増やすことで罪は償ってもらう。
一人殺したら最低でも一人産まないとダメ。二人の場合は二人以上。産まないと許されません。




その話をえみくりとおぢろうのご飯会で話したら
里中さんが
「え、それで男は? 男の殺人犯とかは?」
「安心してください。男も妊娠させられます」

その世界ではもちろん男もお腹の中に人工子宮を作れば妊娠できるので、合法一人殺しのライセンスが欲しい人は妊娠していいし、殺人の罪を犯した物はどんなに若くても年寄りでも腹に子宮を作られて、そこで胎児をそだてなければなりません。
ただ痛みや苦しみに耐え切れず死ぬ男は多いのです
ま、おかげで結構重犯罪は減ってる社会という。


もう、すっごくえぐくて怖くて、だけどなんか笑ってしまったです。
殺人犯をただいたずらに刑に服させるのはもったいない。腹使おうぜって。もちろん男もな!って。むちゃくちゃですね。もちろん「お話」です。
「コンビニ人間」の村田さん。すごいSF書かれます。くらくらする。好き。
くらくらするけど好き。



「結婚相手は抽選で」
原作は面白かった。

なんつうの、ありえない変な架空社会のお話、結構好きです。
架空じゃなくなりつつあるこれからの世界がちょっと怖いだけです。