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hitonohuukei

人の風景 emiko life 6話 商い

「商品を売る」楽しさを知ってから、もう30年くらいになりました。

初めて商いを楽しいと感じたのは、花屋さんでパートをした時です。

店舗は、2人の交替制だったので、常に一人の勤務シフトでした。

花束やフラワーアレンジメントを作るのは、担当者に任されていたので、自分のセンスをフルに活かして作りました。

そして、お客様が自分が作った花束やアレンジメントを買っていかれるとき、本当に嬉しかったのです。

お金を払ってもいいと思ってくださったものは、花々であると同時に、私自身の能力への代価でもあると内心思っていたからです。

30年後の私は、手作りの楽しさに心をとらわれています。

勿論、その楽しさは商いとしての「売れた」楽しさに裏打ちされたものです。

2年前に手作り品と講習の店『セレンディピティ』を閉店しましたが、物づくりと販売は続けてきました。

毎月第一土・日の布施弁天での朝市、東京ビッグサイトでのハンドメイドインジャパンフェスなどの参加は、楽しいひとときです。

今は、一日一個の作品作りを目標にしていますが、なかなか仕上がりません。

でも、物づくりに集中して取り組んでいるときの自分が好きです。

そして、今でも商品を買っていただくとき、私の能力への代価だと思っています。

そこに私の生きている喜びがあるようにも思います。



今、ラメルヘンテープでバッグづくりに取り組んでいます。

    


    


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