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〔宇宙食の歴史〕 食生活について語ろう

2019年12月25日 | 保存食品
・宇宙食の歴史 History of space food うちゅうしょくのれきし
宇宙に人間が飛び出していく時代、長期滞在が当たり前の時代です。食事が常に付いて回ることになるのですが、飛行士はいったいどんな食事をしているのでしょか。
宇宙食の移り変わりについてご紹介することと致しましょう。

1958年に設立された政府機関アメリカ航空宇宙局NASA(National Aeronautics and Space Administration)のApollo計画Apollo Projectにより1961年から1972年に有人宇宙船により地球以外の天体に到達した事業より始まります。月周回飛行までに3日間の飛行を必要とします。1969年7月にアポロ11号アームストロング船長による有人で月面着陸に成功しています。

◇NASAのマーキュリーMercury計画(1959~1963年)・ジェミニ Gemini 計画(1961-66)
初期の宇宙食は喉に食べ物がつまるのではないかとの不安から、一口サイズの固形食とチューブに入ったペースト状の食品が中心で味気なく、食事というより栄養補給だけの側面が強いものでした。飛行士からの評判も悪かったようです。

宇宙滞在で、連続で宇宙食を摂らざるを得ない状況で不満をもった飛行士ジョン・ヤングは、船内に勝手にターキー・サンドイッチを持ち込んでいます。機器の汚損、食中毒などにより宇宙船を危機に陥れる可能性があるこの行為は問題となりました。食事の重要性は認められ、以後の宇宙食の改善につながって行ったとの経緯があります。
1960年代に宇宙食で飛行士が栄養や食事を安全に摂れるようにNASAはさらにHACCP(ハサップ:Hazard Analysis Critical Control Point危害分析重要管理点監視方式)を考案しています。

◇アポロApollo計画(1961~72)
この時期には、無重力状態での人間の食事に対する知識も蓄積し無重力下でも、人間は普通に嚥下(飲み込み)できることが分かってきました。
種類も少しずつ増えてきました。その後、食品の乾燥など食品加工技術が少しずつ発展しています。長期保存・軽量化(スペースシャトルで1kgあたり約8,800ドル程度の経費)・飛散しないことが求められ、フリーズドライ製法・レトルト食品の開発が進みました。
宇宙の無重力空間では、水の取り扱いはやっかいとなります。
 スペースシャトルでは燃料電池を用いられていることから発電の際に副生成物として水が発生します。この水を加温して調理に用いることができます。そのため加水調理に適しており保存性・栄養・食感の面でも優れたフリーズドライ食品は、多くの宇宙食に採用しています。

さらにNASAは、注入口付きの容器の開発と、給湯器を開発しお湯が使用できるようになり、食品を水で戻して暖かい食事が可能となっています。食事のメニューも一気に増えました。

当時の宇宙飛行士に必要なカロリーは、1日1人あたり2800kcalで、チューブ入りの宇宙食では重さ一日分で加水食品で2kgもあったものが、600gと約3分の1の重量です。

◇スカイラブ計画Skylab Project1973年~1979年 
 医療・太陽観測・地球資源探査その他の分野で生医学実験なども行い食事内容も綿密なコントロールのもとに進化しています。半数は加水食品で、他に温度安定化食品、自然形態食品、フリーズドライ食品、放射線照射食品の提供がありました。

ナイフ、フォーク、スプーンを使えるようにしています。テーブルに各食品のパックやトレイ・食器などはマジックテープで貼り付けておくことができるようになっています。
 現在の宇宙食の基本が出てきていますが、大半は加水食品でした。

温度安定化食品、自然形態食品なども登場し、食器を使った食事も行われるようになったため、食器が浮遊を防ぐ為の、さまざまな工夫がなされています。

◇スペースシャトル計画Space Shuttle program(1981年~2011年)
NASA(米国航空宇宙局)の有人宇宙往復機として人工衛星の軌道投入や惑星探査機の放出、国際宇宙ステーションISSへの人員・資材輸送などに利用していました。宇宙輸送システムSpace Transportation System:STS)とも呼ばれます。
市販食品や自然形態食が登場し、地上の生活に少し近づいてきました。

◇国際宇宙ステーションInternational Space Station(ISS)の宇宙食
  地上から約400km上空に建設した米国・ロシア・欧州諸国・日本・カナダの15か国が共同運用する巨大な有人実験 施設です。1周約90分というスピードで地球の周りを回りながら、実験・研究、地球や天体の観測などを行っています。

国際協力により運営していることから、各国の宇宙機関で開発した宇宙食が持ち込まれるようになりました。
宇宙食を実際にISSへ持って行くには、NASAジョンソン宇宙センター内の「フード・ラボ」で審査を受け、検査に合格するとで宇宙食をISSまで持って行くことができます。

 地球で使用しているものと同様の食品と調味料で現在ではより地上の食事に近いものとなり、メニューの種類も増えました。一般に売られている食品をそのまま利用するものや、レトルト食品、加水食品、半乾燥食品、自然形態食、新鮮食品(果物や野菜)などがあります。

飲み物は粉末の状態で宇宙に持って行き、水を加えて飲みます。
調味料も塩、ケチャップ、マスタード、マヨネーズなどがそろっていますが、塩とこしょうは飛び散らないように液状になっています。
中国の宇宙食では、一口づつオブラートに包まれ細切り豚肉の辛味炒め、鶏肉とナッツの唐辛子炒め、八宝飯等の中華料理と、漢方薬、食後の栄養ドリンクが用意されていました。
無重力状態で体調をととのえ栄養の確保をすることから、骨内カルシュウム消耗、筋肉萎縮、赤血球減少などに対応できる宇宙食が考えられ調整が加えられています。
2007年以降には、日本の食品は特別食として開発し多数宇宙で摂食しています。たこ焼きや赤飯、餅、みそ汁などがあります。宇宙飛行士は、宇宙空間でも、ほぼ普段と変わらない食事を楽しんでいるようです。
宇宙日本食として多くの宇宙飛行士を支えています。また、美味しいだけでなく、メニューが豊富で珍しいため、他国の宇宙飛行士とのコミュニケーションのツールにもなっています。

 NASAが開発した宇宙食の食品加工技術の凍結乾燥技術(フリーズドライ)、レトルトパウチ技術(レトルト殺菌技術)により、宇宙食は豊富なメニューを揃えることが可能となりました。

それに留(とど)まらず、宇宙食を製造するための新しい衛生管理手法としての総合衛生管理(HACCP)の手法も開発され、宇宙食は大きく進歩することになりました。
 宇宙食の開発は私たち日常の食生活をも便利にして向上に役立っています。手軽に食べられ、栄養バランスのよい調理済み食品です。日常で忙しいときに長期常温保存できるものばかりですので非常食・保存食として利用価値があります。

 

宇宙日本食の動画がありましたので貼り付けました。




ご愛読戴きましてありがとうございます。よりよい情報をお届けしてまいります。

 
 
〔2019・12・25〕

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