・嗜好飲料のカフェインCaffeineとタンニンTannin
嗜好飲料Preference drinks [beverages]というとアルコール飲料・炭酸飲料・お茶(緑茶:煎茶、抹茶、ほうじ茶発酵茶:ウーロン茶、紅茶)・甘酒・ココア・コーヒー・昆布茶・麦茶などあります。
カフェインCaffeineは苦みがあり、アルカロイド(興奮作用:抹茶>玉露>コーヒー>紅茶>煎茶・ウーロン茶・ほうじ茶>番茶)の一種です。
タンニンTanninはポリフェノールの一種で緑茶・紅茶(カテキン)、コーヒー(クロロゲン酸)、渋柿(シブオール:水溶性、不溶性がある)、栗渋(エラグ酸)などの渋みのことです。抗酸化物質が多く毛細血管の強化、保護、活性酸素を抑制し血流を改善、動脈硬化、認知症を予防するといわれています。
嗜好飲料として、カフェイン、タンニンを含む日常的に飲まれているのは、主に緑茶・発酵茶・ココア・コーヒーです。
◇緑茶:玉露 茶葉100g(カフェン3.5%、タンニン10.0%)
浸出液 浸出条件 茶葉10g 60℃のお湯60mlで25分(カフェン0.16%、タンニン0.23%)
◇抹茶(カフェン3.2%、タンニン10.0%)
ティースプーンに軽く1杯(約2g: カフェン0.062%、タンニン0.20%)
◇煎茶 茶葉100g(カフェン2.3%、タンニン13.0%)
浸出液 浸出条件 茶葉10g 90℃のお湯430mlで1分(カフェン0.02%、タンニン0.07%)
◇番茶 茶葉100g(カフェン2.0%、タンニン11.0%)
浸出液 浸出条件 茶葉15g 90℃のお湯650mlで0.5分(カフェン0.01%、タンニン0.03%)
◇ほうじ茶 茶葉100g(カフェン1.9%、タンニン9.5%)
浸出液 浸出条件 茶葉15g 90℃のお湯650mlで0.5分(カフェン0.02%、タンニン0.04%)
◇玄米茶 茶葉100g(カフェン1.8%、タンニン5.0%)
浸出液 浸出条件 茶葉15g 90℃のお湯650mlで0.5分(カフェン0.01%、タンニン0.01%)
◇ウーロン茶 茶葉100g(カフェン2.4%、タンニン12.5%)
浸出液 浸出条件 茶葉15g 90℃のお湯650mlで0.5分(カフェン0.02%、タンニン0.03%)
◇紅茶 茶葉100g(カフェン2.7%、タンニン20.0%)
浸出液 浸出条件 茶葉2.5g 90℃のお湯100mlで2分(カフェン0.05%、タンニン0.10%)
◇ココア テオブロミンTheobromineを1.7%含みカフェンより穏やかに作用。カフェン0.2%、タンニン4.1%
◇コーヒー 煎り豆(カフェン1.3%、タンニン8.0%)
浸出液 浸出条件 ドリップ式で10gの中挽きレギラーコーヒーを熱湯150mlで浸出(カフェン0.04%、タンニン0.06%)
インスタントコーヒー(カフェン0.8%、タンニン5.0%)
◇コーラ500ml程度でカフェイン40mg
カフェインはタンニンと結びつくと、その作用は弱まり、コーヒーではカフェインが多く、緑茶類に比べ脳の中枢神経を刺激し、筋肉を刺激します。カフェインをレギラーコーヒーを熱湯150mlで抽出した飲料・コーラ500ml程度で40mg、栄養ドリンクでは50〜200mg含みます。タンニンの主成分のクロロゲン酸(タンニン酸)は珈琲豆を焙煎(ばいせん)することにより分解し半減します。
ゲンノショウコウのお茶に含むケルセチン(フラボノイド)が便通をよくし、さらに相反する作用で下痢止め(タンニン:ゲラニン)によいとしています。過剰摂取で便秘になりやすく民間薬とし用いられていました。1g/1日を超える過剰摂取により悪心・嘔吐を誘発し消化管を刺激、宿便に陥りやすくなります。
コーヒーの多飲(5杯/1日以上)によってコレステロール、ホモシステイン(認知症、動脈硬化症の原因物質となります。アルカロイドでは毒性を示すものが数多く顕著な生理作用があり利用しているものもあります。作用が穏やかな、お茶、コーヒーに含むカフェイン(Caffeine)は、臭いが無く苦味があり、熱湯にとけ出しやすく、光沢のある白色針状の結晶でタンニンと結合して沈殿します。
紅茶にはテォフェリンを含み脳の中枢神経を刺激し、筋肉を刺激し眠気の除去、興奮作用を呈し記憶力、集中力、判断力をよくします。
カフェインは、市販の風邪薬、栄養ドリンクに含まれ、しばしばドーピング(運動能力を高めるための薬物)に用いられることもあり尿中に12μg/mg排泄が認められてはならないこととなっています。疲労回復、血流促進、利尿、強心、食後の消化促進作用もあり体内で尿酸となって尿中に排出します。一杯程度の茶、コーヒー、紅茶に20~100mg、カカオ豆、コーラに10~45mg含まれます。ウーロン茶のカフェインの量はコーヒーの1/3程度、栄養ドリンクでは50~200mgです。 カフェインを1回につき500mg、1日に1g(1000mg)以上とると、 胃部不快感、動悸(どうき)などの副作用が起きやすくなると言われ、致死量は、推定10g以上です。
緑茶の1日の飲む量は、15杯以下が望ましいとしています。適量のお茶の飲用でカテキン(タンニン)は、その活性酸素の働きを抑えたり(酸化を防ぐ)、神経細胞が傷つくのを抑制して、認知症予防にもよいといわれています。
嗜好飲料として主な飲用に、緑茶(15杯以下/日)、コーヒー(5杯以下/日)の類が多いですが、ここで改めて適切な摂取量として認識いただけましたでしょうか。