・アントシアニン系色素Anthocyanin pigments あんとしあにんけいしきそ
植物界に広く存在する色素で、アントシアン(Anthocyan )のうち、アントシアニジン(英: anthocyanidin )がアグリコンとして糖や糖鎖と一緒に存在している。ブルーベリーや赤ワインなどに多く含む。
植物系色素は、カロテノイド系色素、クロロフィル系色素、フラボノイドFlavonoid系色素に分類しアントシアニン(Anthocyanin)系色素は、ポリフェノールの1種でフラボノイド系(アントシアニン類、フラボン類など)に属す。アントシアニジン Anthocyanidin(アグリコン)の配糖体アントシアニンAnthocyanin を加水分解して糖(グルコース、ガラクトース、ラムノースなど)とに分解する配糖体として存在する。
橙色から 紫色を経て青色に至るまでの多くの果皮、花色、紅葉の発現に関与する。 糖鎖の他に、コハク酸やマロン酸Malonic acidなどの有機酸が結合していることもある(アシル化アントシアニン Acylated anthocyanin)。糖や有機酸が付くことで、水に溶けやすく、安定する。水酸基の数が多いほど青味を増す傾向であり、水酸基が一つのペラルゴニジンPelargonidinは橙赤色、2つのシアニジンCyanidinは赤紫色、3つのデルフィニジンDelphinidinは青紫色を呈す。6種類のアントシアニジン(デルフィニジンDelphinidin・シアニジンCyanidin・マルビジンMalvinidin・ペツニジンPetunidin・ペオニジンPeonidin、ペラルコニジンPelargonidin)に大別し、それぞれ異なる色調を発現している。アントシアンが作られるためには、果実の中のでんぷんが糖にかわることと、低い気温の中で太陽の紫外線をいっぱいにうけることが必要で新たに合成する。
アントシアニンは、アミノ酸であるフェニルアラニンから生合成し、この生合成の過程に関与する遺伝子が解析されており、アントシアニン生合成過程の転写因子であるMyb(ミブ:Myeloblastosis)遺伝子が重要な働きをしている。このMyb遺伝子は、紫外線や低温が必要で、紫外線か低温にさらされないと赤い色素のアントシアニンは合成できない。アントシアニジンと糖、有機酸の結合の仕方によって多くの種類がある。クリサンテミンChrysanthemin(黒豆・あずき)、エニンEnin(赤ブドウの皮・いちご)、ナスニン(なすの紫)、シソニンShisonin・シアニンCyanin(しその葉の赤紫)、シアニン(あかかぶの赤)などで植物の葉、花、果実のきれいな色素をいう。
水に溶けやすく、熱、光、添加物等によっても変色しやすく酸性で赤、アルカリ性で紫、青色に、さらに暗緑色となる不安定な色素で水溶液のphによって変化する。鉄などの金属と結合すると安定する。タンニン、フラボンと共に含まれていることもあり、ポリフェノールの一種として抗酸化力を持つ。活性酸素除去、毛細血管保護、視力回復、皮膚、コラーゲンの生成促進、脂肪肝、高血圧予防にも効果の期待がある。 眼精疲労の予防や改善に有効で、目に光が入ると網膜にあるロドプシ ンというたんぱく質が分解され、電気信号を発します。この信号が脳に伝わる ことで視覚を感じることができる。アントシアニンはこの分解されたロドプ シンが元に戻るのを助ける。
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