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ECOさんが帰る場所

(有)ビオプラス西條デザインのエコハウス♪
住宅誌『住まいネット北海道』内の連載のつづきです。

WEBでもECOさん!⑩ 澤井さん&大倉さんご夫妻 (後編)

2012-10-16 | 日記
●WEB版 ECOさんが帰る場所⑩ 
◆ゆるパーカルの魅力 <後編>

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●長らくお待たせいたしました!
 伊達ビレッジのエコさんレポート、後編をお届けします。

●一見エコとはかけ離れた空間に見える、
 吉和さんのゴージャスなオーディオルーム。

でも 実は この部屋は、
音響スペシャリスト 石井伸一郎氏 直々の指南と、
エコ建築スペシャリスト集団 ビオプラス西條デザイン の
こだわりエコ建材が、絶妙にハーモナイズした “最響スペース”

床・壁・天井から断熱材に至るまで
輸入材のような化学物質がしみこんでいない道産木材をふんだんに使用し、
接着剤などの化学物質も極力排除した、
締め切って長時間過ごすオーディオルームにも最適な
心身ともに安らげる空間なのです。


世界一品質の国産レコード針をはじめ、
各種一流音響機器から、床下・壁・電気系統の特殊設備に至るまで、
昔のレコード音源をライブのような臨場感で立ち上がらせるための
知恵と技術が満載のこの部屋で、
カリスマ ジャズミュージシャン ジョン・コルトレーン

の、1960年に録音した名盤 「My Favorite Things」 を
聴かせていただきました。

目を閉じて音の世界に沈み込むと……
そこはもう、ライブの世界。

このオーディオルームは、
目を閉じてレコードが録音された場にトリップする
タイムマシンだったのね~!と実感。

吉和さんは 「ここでジャズ喫茶を開くのが夢」 とのこと。

ジャズ好きの皆さんが 吉和さんとともに
このタイムマシンを体感できる日も、遠くないかもしれません。


●さてさて、一方、奥さまの大倉幸子さんは、
ダンナ様とは打って変わって
「レコードよりライブ派!」 とのこと。

幸子さんの趣味空間には
ハモンドオルガンなどの鍵盤楽器が所狭しと並び、
風と太陽の力で自家発電した 
“庭から届く できたて直流電気” が使える設計で、

「電力会社から届く電気より、混じり気のない澄んだ音に感じる」 
とのこと。

う~ん、こちらもそそられますね~!

考えてみれば確かに、
何十キロも離れた発電所から送電線の中を延々と運ばれ、
放電のロスや複雑なシステムを経た結果やっと届いた電気より、
庭で採れた自然素材のフレッシュな電気の方がいい音
というのは、当然なのかもしれません。

電気も食品同様、きっと “地産地消” がいちばんなのですね。

●正式なパーマカルチャーには及ばぬものの、
“いい加減”にカスタマイズした自称 「ゆるパーカル」 
を楽しむお二人は、ご結婚41年目の夫婦別姓カップル。

由緒正しい歴史に培われた
人間文化の総本山である京都とは かけ離れた、
自然を基調とした ゆる~く大らかな文化を持つ北海道に
軽やかに移住し、

「蜂も来るし、いろんな作物が勝手に育ってくれる。
 ここは自然がいっぱいで空気も食べものもおいしいし、
 物価も安くて生活がラク」


と ほほ笑む、吉和さんと幸子さん。

似て非なる互いの趣味を尊重しつつ連れ添ってきたお二人の姿をはじめ、


家中に ふんだんに使われた 自然に還る建材

(こちらは屋根裏部屋。
 壁の絵は、息子さんが小さい時に描いたものだそうです)


(屋根裏につづく廊下も、道産無垢材+珪藻土の壁)

互いの趣味部屋以外を必要最小限に抑えた間取り、

(こちらはだんな様の寝室。シンプルだけど居心地よさそう♪)


(お手洗いも、シンプルシック)


雨水や風呂の残り湯を水遣りに使うしくみが取り入れられた、
色とりどりの野菜や花々に自家発電機が溶け込む広々とした庭、




そして、
訪問客にまっ先に出会える玄関先に置かれた
淋しがりやのパーシーの犬小屋……と、

命の多様性を大らかに包み込む
「ゆるパーカル」 の心意気を随所に感じ、
“自然体” の本質に触れた気がするひとときでした。


●陸・海・街の幸が楽しめる 伊達市 を見晴らす
パラダイスな環境を4世帯で満喫する このエコビレッジには、
なんと あと1世帯分 空きがあるとのこと。

ご興味がある方はぜひ、
(有)ビオプラス西條デザイン までお問合せを♪

緑や光や風と一緒に、ステキな仲間に出逢えるはずです。 

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◆photographer:蘒野孝行(GINO PHOTO WORKS)
◆designer:森川瞬(寺島デザイン制作室
◆writer:はらみづほ(旅するはらっぱ


WEBでもECOさん!⑩ 澤井さん&大倉さんご夫妻 (前編)

2012-10-06 | 日記
●WEB版 ECOさんが帰る場所⑩ 
◆ゆるパーカルの魅力 <前編>

*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*

●今回のecoさんは、
見晴らしのいい丘の上に4軒のお宅が集まってくらす
「伊達エコビレッジ」のうちの一軒、
澤井吉和さんと大倉幸子さん ご夫妻。

お、さすが 「エコビレッジ」!
太陽光パネル風車が見えますね~

●エコライフの一手法とも言える「パーマカルチャー」
を学んでいた幸子さんと吉和さんが住み慣れた京都を離れ、
西條デザインプロデュースの『伊達エコビレッジ』
で暮らし始めたのは、今年の3月。

「パーマカルチャーを学んではきたけど、私らは “ゆるパーカル” やから」

と、吉和さんに ほほ笑みかける幸子さん。


はて、「ゆるパーカル」 とは、なんぞや?


扉を開いて、おふたりのくらし、
ちょっとのぞかせていただくとしましょう♪

おしゃれなドアだな~! 
と思って近づくと……あら? ドアの手前に小さな小屋が。

のぞくと大きなワンちゃんが中に。
名前はパーシー。

息子さんが 「機関車トーマス」 に夢中だった頃から飼っている、
ちょっと淋しがりやの老犬だそうです。

パーシーちゃん、こんにちは♪ おじゃましますね~

 
……と、最初に足を踏み入れたのはダイニングキッチン。
窓がたくさん。明るいですね~!
外の景色がパーッと見晴らせて、心が晴れ晴れします。

「ここはスペース的には狭いのよ」

と幸子さん。

でも、ちっとも狭さを感じさせない設計ですね。
ウッドデッキも、さらに広々した印象をプラスしています。

ダイニングテーブルからは丘の下を走る電車も見えて、
心が遥かに広がりますね。 ここ、いいなぁ…!


お? 廊下をはさんでダイニングキッチンの反対側には、
Oh! オーディアルームが!


ジャジャーン!


ジャジャーン!!


ジャジャーン!!!


いや~ すごいオーディオセット!!!
ここは、ジャズ好きの吉和さんの趣味のお部屋。

なんと、日本屈指の音響スペシャリストの指南を基に設計された、
超こだわり空間なのです!


例えば、このプレイヤーのレコード針は、
日本が誇る最高の技術で作られた 世界最高品質の超高級品!
なんと、針だけで ン万円! という代物なのだとか!


でも、ここはエコビレッジですよねぇ……
なんだか とってもゴージャスすぎて、
正直あんまりエコな感じがしないのですが……???

はて、いったいどこらへんが エコなんでしょう……?

教えて! 吉和さん!

(後半に、つづく……) 

 

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◆photographer:蘒野孝行(GINO PHOTO WORKS)
◆designer:森川瞬(寺島デザイン制作室
◆writer:はらみづほ(旅するはらっぱ


WEBでもECOさん!⑨ Mさんファミリー

2012-06-26 | 日記
●WEB版 ECOさんが帰る場所⑨ 
◆熟年オーガニックシフト。

*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*

●今回のecoさんは、ご結婚後から長年お住まいになっていた
だんな様のご実家を、還暦前後を迎えられた今、
思い切って 「まるごと新築のエコハウス」 に建て替えられた、
札幌市内のMさんご夫妻。

●おうちの中を拝見しながら、
「熟年オーガニックシフト」 の理由を、
トクとうかがってみるとしましょう。


●扉を開けて……おじゃましま~す♪

●あら、玄関のすぐ脇に、ステキなサロンスペースが。

ちょっと土間風の床に、薪ストーブ。
味のある木のベンチが、「まぁ、座って」 と優しく手招きしています。
このベンチはなんと、ご主人のお手製だそう!

●お言葉に甘えてベンチに腰掛けると、
 目の前には、オーガニックのイ草の香りと、
 柿渋のふすまのコントラストがステキな和室が。

 柱や梁は、道産の無垢材
 土+ホタテ貝の粉+植物繊維 の呼吸する珪藻土の壁に、
 和紙の天井。
 ……と、まさに、木と土と紙でできた、自然に返る素材 ばかり。

 「どれも自然素材なので呼吸してるのがわかるし、
 新築でもシックハウス的はことは全く感じません

 と奥様。

 「危険な粗大ゴミになってしまう心配のない自然に戻る家は
  気持ちいいですね」

 と旦那様。

 スッキリと粋なこの雰囲気は、デザインだけでなく、
 自然素材の力が生きているからでもあるのですね。



●廊下を隔てた和室の隣は、
カウンターの向こう側にキッチンを控えた、
陽の光いっぱいのダイニングルーム。

ご夫妻に、“還暦でまるごと建て替え” の理由を尋ねてみました。

「結婚後からずっと両親の持ち家に暮らしてきましたが、
 父母が亡くなり、大き過ぎるし古くて寒かったので、
 リフォームと迷ったのですが、いろいろ考えた結果、
 思い切って、自然素材の家に新築することにしました。

 もういい歳になったので先のことを考えて、
 物を整理して減らし、コンパクトに暮らしたくてね。
 お掃除もラクだし、ランニングコストも低くてすむので、
 エコの面でも小さい方がいいな、と。 

 物を整理するのは大変でしたけれど、必要な方々に差し上げたり、
 リサイクルショップに引き取ってもらったりして、
 不要な物は手放しました。

 自分に掌握できる物だけで暮らしたいと思ったんです」
 

 と、奥様。


家族として何を一番に考えようか、と思い話し合ったときに、
 やっぱりだね、ということになって、
 本や講演会などで食材について勉強したり、
 娘たちが小さい頃から、家族そろって食事をすることなども
 大切にしてやってきたんです」


 と、ご主人。


「食環境について知っていくと、
 人口甘味料のことや、合成洗剤のことや、原発のことなど、
 食につながるあらゆることについてわかってきて、
 できるだけ正しい情報を知り、生活の中で活かすようになりました。

 そうしていくうちに自ずと “自然と循環するくらし” を
 心がけるようになっていきましたね」


●近所にできたモデルハウスや西條さんの新聞連載などを通じて
 西條デザインを知り、百合が原の事務所へ行かれたというご夫妻。

 考え方や仕事ぶりに共鳴してじっくり打ち合せを重ね、
 約1年後、大きさもデザインも以前とは一新した、
 自然素材のこの家が完成しました。

 「最初にこういうのを作ったんです」

 と手渡されたA4用紙2枚の『新築計画メモ』に
 箇条書きでまとめられていたのは、

 ◆家族のプロフィール、◆来客の種類と頻度、◆家族の将来像、
 ◆具体的な要望、◆予算、の5項目。


 ご家族みなさんの意見がわかりやすくまとまっていて、
 読むだけで暮らしの様子がイキイキと伝わってきます。

 みんなの想いをまとめたこんな計画書があれば、
 事実の共有もでき、効率もいいですね。

「前の家と大きく違うので、今は新しい暮しに
 心身を慣らしている途中ですが、あったかいし、気持ちいいし、
 期待以上の出来上がりで、驚きと納得でいっぱいです。

 建てたら終わり、ではないパートナーシップも安心で嬉しいですね。
出来上がったあと西條さんに、
 『これからの方が長いおつきあいになりますね』 と言われて、
 ビックリしつつも、ありがたいなぁ…と思っています。

 材料費や、デザイン料などの表記も明快で、
 隅々まで明瞭会計だったのも気持ちよかったですね」



●同居中の上の娘さんはお勤めに出られていましたが、
 出産のため帰省中の下の娘さんにも一言伺うと……

 「私がお嫁に出てから建ったので、うらやましいです。
  やっぱり自然素材にこだわってたのが出てるな~
  と、心地よさを五感で感じますね。

  寒い時期に帰省したときも、
  嫁いだ名古屋よりも暖かくて過ごしやすかったです」


 赤ちゃんもお母さんを通してこの家の空気を呼吸していると思うと、
 やっぱり自然素材でできた家は、安心で気持ちいいですね。



●最高の日当たりでポカポカのダイニングルームの
奥にあるキッチンの一角には、
温度が低くなるように設計上の工夫が施された食品庫が。

「共同購入でまとめ買いしたものなどを入れておけて便利ですよ」 

と奥様。漬物やお酒などの保管にも重宝なスペースです。

室内がストーブで暖められる冬も、外気の流通で
自然にワンランク涼しく保てる構造になっているとのこと。

地下などに室があるお宅は見たことがありましたが、
電気不要の低温庫に扉を開けるだけでアクセスできるなんて、
とっても便利で、うれしいですね~!



●食品庫以外にも、このお宅には気の利いた工夫がいっぱい。
 この階段も……

ほーら、この通り。隠れスペースを有効活用しています。



●ジャジャーン!こちらの湯船は、またまたご主人のお手製だそう。
 桧葉(ヒバ)の湯船に、桧葉の壁。

 「森林浴しながらお風呂につかれて最高です!」 と、
 西條デザインとご主人のコラボ作品に、奥様も大満足です。


●この洗面台も、

●こちらの洗面台も、

●この便器も、
以前から使っていたものを、そのまま取り付けてもらったとのこと。
こんなフレキシブルアレンジが可能な点も、
西條デザインの魅力ポイントですね。



●ダンナ様お手製のこのトイレットペーパーホルダーも、
 やはり以前からお使いのものだそうです。

 ご趣味だそうですが、いやはや、プロ級の腕前ですね~!

 

●そしてこちらは、そんなご主人のたってのご希望で作ったという、
 こだわりのオーディオルーム

もちろん壁を厚くした防音ルームですが、
音が反響して聴きにくくならないように、
お手製の布かけラックを設えたそう。職人気質を感じますね~!



●こちらは、これまた日当たり最高の寝室。
 
 1Fの熱が上がってきて冬も暖か過ぎるくらいなので、
 空気の流通で温度調節できるように少し入れることにしたそう。
 2Fとはいえ、暖房なしで冬もそこまで暖かいとは……!

このベッドの背後には背の高い棚が置かれていて、
その棚の向うには、奥様の小さなアトリエスペースが。

大きな棚で1つの部屋を2つの空間に分けて有効活用
している様子に、なるほど~と膝を打ちました。



●こちらは、娘さんのお部屋。

 ベッドは、幼い頃からの愛用品をシックな色に塗り替えたもので、
 ステキなベッドカバーや、ベッドの下のインテリア布は、
 おばあちゃんの和服のリメイクだそう。

 いや~ブラボー! ご両親のエコマインドが、
 娘さんにもしっかり引き継がれているのですね~!


●そしてココにも、父上の愛情手作り作品の可動式タオルかけが!
 うーん、スバラ式かな!


「この家を建てて初めて、
  食品を選んだり、暮らし方を工夫するのと同じように、
  生き方を建築ともつなげることができると知りました。

  入居前のお掃除も、自然素材でされている方々がいらっしゃるんですね。
  自分たちでやるつもりが忙しくて手が回らずにいたら、
  西條さんが、石鹸や自然素材でお掃除してくださる方々に
  頼んでくださって、手際よくプロの手でキレイにしていただけて、
  とても気持ちよく、ありがたかったです。

  自然素材のこの家で、より自然と循環できる暮らし方を、
  これからもムリなくやっていきたいな、と思っています」


  Mさんご一家のお宅と暮らしに触れてつくづく、
  家はそこに暮らす人の分身なのだな~と実感。

  還暦の新生活には、今を生きるヒントが満載でした。

  

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◆photographer:蘒野孝行(GINO PHOTO WORKS)
◆designer:森川瞬(寺島デザイン制作室
◆writer:はらみづほ(旅するはらっぱ







WEBでもECOさん!⑧ 伊藤さんファミリー

2012-03-26 | 日記
●WEB版 ECOさんが帰る場所⑧ 
◆“安心安全”ができるまで。

*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*

●あなたはこれまでに、“電磁波”を意識したこと、ありますか?


パソコン、ケータイ、電磁調理器……

ほんの30年前にはほとんど普及していなかったのに、
それらの電化製品がまるで不可欠であるかのようなライフスタイルが
当たり前になっている昨今、

実はそれらの製品やアンテナが放つ“電磁波”
心身の不調を訴える人々もゾクゾクと出現している、
という事実があります。


「電磁波過敏症」と称されているその症状の出方は様々。

日常生活で微小ながらも日々蓄積され続けている人体との不調和が
その人にとって飽和状態になったとき、

体力の弱り=抵抗力の低下 をきっかけにして、
ある日突然 症状として現れるという この現代病は、

見えない電磁波に満ちた現代社会で生きる
全ての人に発症の可能性があるとのこと。

まだ、癌や糖尿病のように広く知られている病気ではありませんが、
「化学物質過敏症」と並び、
生体への影響検証が充分にされぬまま推し進められている
現代文明の副作用
として発生した、深刻な問題の一つなのです。


●今回のecoさんは、
そんな 「電磁波過敏症」 に悩んでいたという奥様、則子さん。

いったい、どんなおうちで、どんな暮らしをすることによって、
安全と安心を得られたのでしょう……?



●札幌市内に息づく原生林のすぐそばに建てられたお宅は、
 電気を通す金属の使用を極力押さえ、
 外側にも内側にも、ふんだんに道産材を使用。

 新築にもかかわらず背景の森にも溶け込んでいて、見た目も自然。
 アクセントの赤い屋根がステキですね!


●玄関を開けて……

 おじゃましま~す。


 WOW♪ 土壁に無垢材のシンプルデザインで、すっきり、あっさり。

 でもそれが、とってもオシャレ!


 アンティークな雰囲気のステンドグラスと、
 ギャベ(イランの遊牧民が手織りした草木染ウールマット)でお出迎えとは、
 ニクイ演出ですね~!(笑)


●ダイニングキッチンの扉を開けると、薪ストーブのいい香り。

「このステンドグラスは、
  いつか使いたいと思って買っておいたものなんです。

  西條デザインさんにご相談して、
  オリジナルの扉や窓に加工していただきました。

  ステンドグラス以外にも、
  古くて味のあるガラスや、ドアノブや、小さな家具や雑貨など、
  自分で買っておいたお気に入りを
  希望に合わせて内装用にアレンジしていただけて、
  とてもよかったです」

  と、則子さん。

  電磁波過敏症に強い家、というから、
  実質優先で、オシャレはガマンしなきゃならなかったのかな…
  なんて想像していましたが、大ハズレ。

  こんなにオシャレで、
  しかも電磁波や化学物質の不安もない家なんて、
  いや~最高ですね!


●「でもね、やっぱり必ずしも順調なことばかりではなく、
  手間やお世話は、申し訳ないくらいおかけしたんです(笑)。

  ステンドグラスをドアに加工するときなども、
  寸法をピッタリ合わせるには
  けっこうなお手数をおかけしましたし、

  “オールアース住宅”を目指して、
  表には見えない床下や壁の中を通っている電気配線を
  シールドする加工を取り入れていただいたり、
  
  床暖房もできるという薪ストーブを
  取り寄せていただいて試してみたものの、
  それに付いているモーターの電磁波がダメで
  お返しすることになってしまったりね。

  薪ストーブだけじゃ不便だろうからと
  エコなガス暖房も提案してくださったんですけれど、
  私の場合はそれも体調にも合わなくて……

  結局、暖房は薪ストーブだけになったんですが、
  この家は魔法瓶みたいに断熱がしっかりしてて
  冬も充分暖かく過ごせたので、
  今のところ、薪ストーブだけで満足しています」    


 なるほど、そうだったんですか~!

●このキッチンにも、


●このお手洗いにも、


●この洗面所にも、

オシャレな内装とともに、

電磁波を避ける設計上の対策や施工、
電気を通さない自然素材の使用など、
表立って見えない部分にも、
たくさんの配慮と工夫が施されているのですね。


●ここは、未完成のお風呂場。
 まだ湯船がありません。

「木の湯船にしようか とか、
 薪で焚く五右衛門風呂にしよう とか、
 いろいろ迷っていて保留にしてあるんです(笑)」 



 なーるほど。
 今後どんな湯船が付くのか、楽しみですね~。

 もし、薪で焚く五右衛門風呂になったら、
 個性的なこのお宅のユニークさが また一つ際立って、
 お風呂体験したい訪問者が増えるかも(笑)
 


●こちらは2Fの子ども部屋。

 明るくのびやかで ステキな お部屋ですが、
 実は、則子さんにとっては、鬼門空間とのこと。

 ここは、近隣に立つケータイのアンテナから放たれている
 電波の通り道に位置しているらしく、残念ながら、
 長時間いると具合が悪くなってしまうそうなのです。

 建物の位置や設計にも工夫を凝らし、
 無垢材の木材や自然の断熱材をたっぷり使って、
 土・植物珪藻土など自然の浄化力に満ちた自然素材を使用して
 ナチュラルな暮らしを目指していても、
 
 どこかにいつの間にか ケータイのアンテナが建てられてしまえば、
 電磁波に関しては防ぎ切ることが難しい、という現実……

 もし目で見ることができたとしたら、
 私たちの何気ない日常には、
 いったい どれほどの電磁波が張り巡らされていることか……


 「電磁波過敏症」 という言葉が一般語化してきているほど
 不調を訴える人が増えているにも関わらず、
 それらの人々の声よりも 圧倒的に便利やお金が優先され、
 地域の人々への相談もなくアンテナが建てられて行く世の中って、
 考えてみれば、なんとも恐ろしいことですね……!


●こんなに緑あふれる場所ですらそうなのですから、
 都心ではいかばかりかは、押して知るべし、です。

 こりゃ、原発問題同様、大事に至る前に、
 大いに現実を見直す必要がありそうですね。


●これは、ビオプラス西條デザインの若手ホープ
設計士の山端(やまはた)さんが、
則子さんのイメージや想いを聞いて描き起こした、家の内装デザイン図。


「美容院で希望の髪型を伝えるみたいに、
 憧れのイメージ写真を雑誌の切り抜きなどで伝えると、

 次回の打ち合せ時には山端さんが
 それを図面やイラストにしてきてくださって、

 それがね、『どこかで私の話を聞いてたの?!』 
 と思うほど的確で、本当にビックリでした。

 私の好みや望みの理解が早くて感激したし、安心できましたね。

 
 職人さんや業者さんも皆さんいい笑顔で、
 マナーもきちんとしていらして、
 ご近所の評判も良かったんですよ。


 私たち家族が見ていない時も、
 誠実にお仕事してくださっていると感じました。

 完成後、皆さんにお礼を言いに行きたかったくらい、
 ほんとうに感謝しています」





「私の場合は、主人の転勤による引越しと、
  3人の子ども達を生んで育てて……を繰り返しているうちに、
  だんだん具合が悪くなっていって、

  特に、暖房便座に座ると気分が悪くなる、と気づいたのがきっかけで、
  電磁波過敏症なんじゃないか、って気づいたんです。


  辛くて、悩んでいて、
  もう山の中で暮すしかないのかも、
  と主人と話したりしていたのですが、

  ある日、雑誌で西條さんの会社を知り、
  伏古のモデルハウスに行ってみたんですね。

  それでお話して、もうビックリ!

  自然素材のことやら、電磁波対策のことやら、
  ものすごくこだわって やってらっしゃるじゃないですか!

  こんな人がいたんだな~!と思って感動して、
  ここに頼むしかない!と、心が決まりました。



  西條さんご自身が、娘さんのアトピーをきっかけにご苦労されて
  研究を重ねられたからこその賜物だと思いますが、

  本当にすごい知識と情報をお持ちですよね!
 

  そんな反面、西條さんはいつも、
  オヤジギャグでみんなの雰囲気を和らげてくれて(笑)、

  一見クールで、すごく誠実にお仕事してくださる山端さんは、
  そのギャグには同調せず、テキパキ仕事を進める、という感じ(笑)。
  絶妙コンビでしたね(笑)。


  お二人のおかげで、打ち合わせはいつも、本当に楽しかった!


  『あぁ、このトイレの壁は山端さんが塗ってくれたよな~』 とか、

  『このドアを作ったときは、みなさんにご苦労をかけたな~』 とか、

  『居間のこの壁は、西條さんの息子さんが塗りに来てくれたっけ…』

  とかね、家のあちこちを見るたびに思い出すんですよ」



●少女のようなキラキラの笑顔でそう語る則子さんを見て、
 私は何だか、胸がいっぱいになってしまいました。


 電磁波や化学物質の弊害に悩んでいらっしゃる方のご苦労を、
 私はこれまで折に触れて、何度かお聞きしたことがあります。

 「過敏症」 と名づけられた不調をお持ちの方々の辛さは、
 「過鈍症」 の人々が大多数の今、
 
 なかなか理解されにくく、身体的不調のみならず、
 精神的にも追いやられていく方が少なくありません。

 けれど、則子さんは、西條さんや山端さんをはじめ、
 理解ある西條デザインの皆さんと出会えたことで、

 物理的にも、精神的にも、ご自身本来のチカラを、
 取り戻されたのだと思います。


3・11の震災後、ひときわ問われるようになった、
 安心と安全への対策。


 その第一歩として必要なのは、

 しっかりとした知識や知恵に基づく誠意ある説明であり、
 相手の不安に寄り添いつつの交流なんだ。


 今回の取材で、その基本に あらためて気づかされた気がします。



(↑ご家族みんなで土壁に刻んだ、おうちの完成記念手形)

●電化製品をはじめとする文明の利器を最小限に抑え、
 土壁や、和紙の天井や、北海道で生まれ育った木々の息吹が
 ゆっくりと呼吸する、薪ストーブの温もりに包まれた伊藤さんのお宅。

 古いちゃぶ台の上で折り紙を始めたお子さんたちの笑い声を聞き、
 出していただいた和菓子とお茶を味わいながら、

 お仕事で訪問しているにもかかわらず、
 「落ち着くな~」 と、しみじみしてしまいました(笑)。


「今は、手に入れようと思ったら、
 いろんなものが手に入る世の中だけれど、
 それが本当に必要かどうか、考えるようになりました」


 最後にお聴きした則子さんの言葉が、今も胸に響いています。

 
◆photographer:蘒野孝行(GINO PHOTO WORKS)
◆designer:森川瞬(寺島デザイン制作室
◆writer:はらみづほ(旅するはらっぱ