ECOさんが帰る場所

(有)ビオプラス西條デザインのエコハウス♪
住宅誌『住まいネット北海道』内の連載のつづきです。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

WEBでもECOさん!⑭ 気まぐれな食堂「幸来」

2013-10-07 | 日記
●WEB版 ECOさんが帰る場所⑭ 
◆食材も建材も、道産オーガニックです。

*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*

●今回ご紹介するのは、ご自宅ではなくお店。

無農薬有機栽培の自家製野菜をふんだんに使ったファームレストラン
『気まぐれな食堂・幸来(さっくる)』 さんです。

お、見えてきましたよ~
なんとも のどかで、い~い風情ですね~


はい、到着。

ここは、有珠山や昭和新山の活火山と
洞爺湖の澄んだ水に育まれた大地のエネルギーを
五感でたっぷり味わえるパワースポット。


●お店に向かって左側にオーガニックの畑が広がっていて、
右側には、雪を使って夏の間も作物を保冷できる雪室が。

それぞれ吸気と排気の役割を持つ換気口が、まるでカニの目みたい。
古タイヤを積み上げた上に土を盛った
環境負荷もお金もかからぬ構造なれど、機能性はバッチリ。

農家さんには特に大助かりの この雪室は、
ワークショップでみんなで手づくりした作品。
ルックスも内容も、これぞモダンアート!ですね。

後ろ側からだと、一見小山にしか見えないところもニクイ!
景観的にも性能的にも、土の性質を活かしたスグレモノなのです。


●お店に近づいていくと…なんともラブリーなカラーリング!


お、床下には薪がストックされていますね。
ここにこんなふうに置いてあるということは、
空気が流通していて乾燥している証なのでしょう。
薪もこんなふうに収納できると、ジャマにならなくていいですね~


うわ~外水道もカワイイ! モザイクもカワイイ!
いや~中に入る前に、すでに見所がいっぱいだなぁ…!


●お、このモザイク、陶器ビン木片なんですね?!


こんなふうに活用すると、ふつうならゴミになってしまう
不要な陶器や空きビンなどが、まるで宝石みたい!
土壁とのコントラストも絶妙にステキです。


●さてさて、ようやく入口に到着。
おじゃましま~す♪


★こちらが今回のECOさん、
「幸来」 のオーナー兼シェフ兼おかみさんの木村真理子さんと、
このお店を設計&施工した 「(有)ビオプラス西條デザイン」 の
西條晴彦さんです。

「幸来」 さんは、自家製の畑で採れるお料理の食材だけでなく、
お店の骨組みから壁・床・天井……と、建物まで道産のオーガニック素材

化学物質を極力使わない自然な建築をモットーとする西條デザインと
真理子さんを結びつけたキューピッドは、
オーガニックな土づくりが得意な “ミミズ”さんだったそう(笑)。

「社長の西條正幸さんが北海道新聞の中で連載していた
 “西條さんの菜園便り”にミミズコンポストのことが書かれていてね、
 それに興味を持って西條さんのHPを調べてみて初めて、
 自然派建築の会社だって知ったんです。

 それがちょうど お店部分の増築を考えていた時だったので、
 西條さんの事務所に置いてあるというミミズコンポストを見学がてら
 増築の相談に行き、結局増築もお願いすることになったんですよ」



自然な野菜づくりを活かしてファームレストランを営む真理子さんと、
自然な建物づくりを通して“菜園生活”も実践中の、
(有)ビオプラス西條デザインの社長、西條正幸さん。

オーガニックな畑とその土壌づくりの立役者とも言えるミミズのご縁とは、
暮らし全体のオーガニックデザインを探求し続けてきた会社
だからこそ、ですね。


「自然素材で気持ちのいい空間をつくりたい、
 という気持ちとだいたいの要望を伝えただけで、
 道産の無垢の木材を使うことはもちろん、
 ストローベイル
(藁のブロックに土壁を塗った高断熱力工法)とか、
 ホタテの貝殻が入った土壁とか、
 ビンや陶器のモザイクデザインとか、
 夏も電気なしで作物を冷蔵できる雪室とか……
 どんどん いろんなアイデアを提案してくれました。

 普通の建築屋さんじゃ絶対やってくれないようなことも
 楽しんでやってくれて、
たとえ今までやったことのないことでも、
 「まずはやってみて、うまく行かなかったら一緒に直していきましょう」
 という姿勢が新鮮でうれしく、ワクワクしましたね。

 どんな質問にも答えてくれたし、
 わからないことはすぐ調べてきてくれる
ので、
 とても信頼でき、安心でした」



この物件の責任者である専務いはく、
「旬な無農薬野菜の手作り料理店は空気もおいしく」 を合言葉に、
大地の恵みが五感で感じられる空間づくりを考えたとのこと。

その結果が

★土・草・木など北海道の自然素材をふんだんに活用する
★廃食器や空きビン、煉瓦などをリユースする
★雪や暖房廃熱を活かす


…などのアイデアと技術に結実し、
赤ちゃんやお年寄りをはじめ、化学物質に敏感なお客様にも、
食材だけでなく、空間もまるごと安心なお店が完成したそうです。


●あちこちにあしらわれた空きビンや不要な陶器のモザイクも、
そんな エコアイデア の一つ。

木村さんが集めた空きビンや陶器を、
西條兄弟が切ったり割ったり加工し、施工までを行ったとのこと。


「うわ~ステキ!」 「おもしろ~い!」 
と感嘆の声を上げつつパチパチ写真を撮り始めるお客さんたちの様子に、
創り手が楽しんで施工した波動は 受け手にも自然と伝わっていくんだな~
と実感。

なんだか私まで誇らしい気持ちになりました(笑)。


●こちらは、壁の中がワラであることをさり気なく伝えるためにあしらった、
透明ビンのモザイク。

ストローベイルの土壁塗りなどは体験ワークショップを開き、
大勢の人々で行ったとのこと。

その顛末を、真理子さんにお聞きしました。

「ストローベイルの壁塗りや雪室づくりは
 人手が必要だからワークショップにしよう、と西條さんが言って、
 ほんとに集まってくれるのかしら…と思っていたら、
 パーッと15人くらい集まってくれたんです。

 短期間の募集告知だったにも関わらずこんなに人が集められるなんて
 西條さんてスゴイな~!と思いましたね。

 当日はお天気にも恵まれて、知らない人同士が集まったのに
 みんなすぐ打ち解けて、ワイワイにぎやかで楽しかった。

 みんな一生懸命作業してくれて、指導してくれた左官屋さんも
 「こんなに仕事が丁寧なワークショップは見たことない」
 ってビックリしてましたよ。

 作業的にも助かったし、店作りをそんな交流の場として
 活用してもらえたことも、とっても嬉しくてありがたかったです」

 

なるほど、この空間づくりには、
天然素材や西條デザインの技術だけでなく、
人々の “楽しいエネルギー” も込められているのですね。


●天井に使われているのは木クズなどの木質原料をセメントで固めた
“木毛板” に自然塗料を塗ったものだそう。比較的安価だそうですが、
道産無垢材とマッチするステキな仕上がりですね。


●こちらは、一番奥まったところにあるテーブル席。
道産の松を利用した、壁の木目が印象的です。


●私たち撮影チームが、この席でいただいたランチはこちら。

どうです?この色合い!このバランス!

自家製オーガニック野菜のたっぷりサラダに、自家製ピクルス、
手打ちパスタ、ふきのグラタン、天然酵母の自家製かぼちゃパン
などなど…とボリュームたっぷりで、
食後のデザートと飲物まで付いて、一人前 1500円。


いや~どれもこれも丁寧に作られていて美味しかった!
デザートプレートだけでも、自家製のルバーブやブルーベリーで作った
スイーツが盛り合わせてあって、大満足でございました~!

完全予約制3日前までに予約が必要なので、ご注意を。

春のアスパラガスや 夏のブルーベリーなど、
食後やお料理を待つ間に、旬の作物の摘み採り体験も可能。
安全で新鮮な季節の味が、お得にゲットできちゃいます。


★ちなみにこちらは、エクストラでいただいた自家製ストロベリーアイス。
フレッシュ&クリーミーで、大変おいしゅうございました。


★いろいろお持ち帰りもできて、お値段もこれまたリーズナブル。


★季節ごとに、旬の野菜やお豆なども買って帰れます。
(ちなみにこの黒板は、西條デザインさんからの開店祝いだとか)


●左手は、羊蹄山の雄姿をとっくりと味わえるカウンターテーブル。


●ここは、レストランスペースとキッチンの間にある部屋。
以前はこの空間だけがお店スペースでした。


この黒板と引き出しの向こう側がキッチンスペース。

お店で使ういろんな食器が収納されているこの引き出しも、
西條デザインによるオーダーメイドだそうです。


●真理子さんいはく、

「特にキッチンがね、すごく使いやすいの!
 
 シンクや調理台の配置といい、棚などの高さや長さといい、
 私の身長や動きにピッタリで、
 “なんでこんなに私の望みがワカルの?!” と不思議なくらい。

 専務は男の人だし、毎日いろんな仕事で大忙しで
 家事なんかしたことないんじゃないかと思うのに、
 キッチンのことをとってもわかってくれていて驚きました。

 特に屋内のモザイク作業などは、
 彼が夜中に通ってきてくれたりしてやってくれたんですよ。

 何か頼むとイヤな顔ひとつせず対応してくれるし、
 すごく働き者で感じもよくて、ほんとに感謝しています」




●こちらが専務の西條晴彦さん。
札幌本社にいる社長、西條正幸の弟さんで、
伊達支店をお一人でキリモリしています。

大忙しの身の上なれど、どうやら子育てなども
できる限り奥さんと分担していらっしゃるご様子。
実はキッチンに立つことも、さほど珍しくないのかもしれません。



●これは専務が夜中に来て作業したという陶器モザイクの一角。
ステキな出来栄えですね!


●こちらは、お店の主のような存在感の迫力ある薪ストーブ
廃熱で床暖房もまかなえてしまうスグレモノです。

お店の壁自体が分厚いストローベイル(ワラのブロック)で
断熱バッチリなので、真冬もこの暖房ひとつで、
広いお店空間全体が暖かく保てるそうです。


●こちらは玄関を入ってすぐの空間にある、自家製野菜などの販売コーナー。



★朝採り野菜や豆類のほか、自家製ジャムや雑貨の販売も。


★これは娘さんが作ったものだそう。
 素朴な言葉と雰囲気に、こころほっこり♪


★こちらは、お友達からのプレゼントだとか。


★ほんと、初めて行っても、
田舎の別荘に来たみたいにリラックスできちゃうんです。

 お客さんで来ていたお子さんが、
 「ママ、ここに住みたいでしょ。帰りたくないね」
 と言っていて、他人の私まで、深く頷いてしまいました。


★どうやら玄関先の手すりのお見立ても、専務さんのよう。


★販売スペースとダイニングスペースを仕切る
引き戸に使われているガラスは、古いガラス窓のリユース。
よく見ると模様が違っていて、なんともオシャレです。


●最後に
「真理子さんにとって、ECOとは何ですか?」
 と尋ねてみたら、こんな答えが帰ってきました。

「そうねぇ… キモチいいこと、かなぁ~

 お客さんもみんな、
 この店は空気がキモチいい って言ってくれるの。
 店の奥に置いてあるピアノの調律師さんはね、響きが全然違う、って。

 もうトシなのに増築なんて、と言う人もいたけれど、
 1年でも気持ちよく暮らしたいもの。

 キモチいい空気と空間の中で毎日過ごせて、ほんとに幸せ。
 よかったなぁ~!と思ってます」


真理子さんは日焼けした顔でそう言って、
夏休みの少女のように 晴れやかに ほほ笑みました。


“ほんとうにキモチいい食事” は、キモチいい空気があってこそ。

そんな幸せの基本があまりにも失われている都会のマンションで
原稿を書きながら、「幸来」 の空気と料理の味を
心底恋しく思い出しています。

*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*

◆photographer:蘒野孝行(GINO PHOTO WORKS)
(★の写真は、はらみづほ撮影)
◆designer:森川瞬(寺島デザイン制作室
◆writer:はらみづほ(旅するはらっぱ
ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
« WEBでもECOさん!⑬ Sさんフ... | トップ | WEBでもECOさん!⑮ 石田さん... »
最近の画像もっと見る

日記」カテゴリの最新記事