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マキシム・ル・フォレスティエ の 《カイエ》を聴く

2003年12月10日 | 歌っているのは?
 遅まきながら比較的最近知ったことだが,1990年代の後半にマキシム・ル・フォレスティエ Maxime Le Forestierがジョルジュ・ブラッサンスの歌ばかりをライブ・ステージで都合40曲も歌い続けたという試みがあって,それは《カイエLe Cahier》(1998年)という2枚組のCDとして発売されている。50才近くにもなってそんなイベントを意図するマキシムさんの心境やこれいかに,などと忖度 . . . 本文を読む

ポール・ルカ 《上着があろうが無かろうが》

2003年11月02日 | 歌っているのは?
 ポール・ルカPaul LoukaのLPに《上着があろうが無かろうが Avec ou sans veston》(RCA PL37.369)というタイトルの1980年に発売されたレコードがあるが,これがどうやら本邦の巷間では大変な「お宝レコード」に相当するらしいことを比較的最近になって知った。無論,ごくごく一部の限られたチマタにおける話ではあろうけれど。あるいは,チマタというよりもむしろタニマチとい . . . 本文を読む

マルセル・ムルージの古いステージについて

2003年10月18日 | 歌っているのは?
 ひょんなことから,マルセル・ムルージMarcel Mouloudjiの古いライブ・レコードを入手した。年代不明のかなりボロボロの円盤ではあるが,何しろ大変安い値段だった(約1,000円)ものだから,ちょっと嬉しい気分になった(Mouloudji en Public/Vogue MDINT9209)。  LPジャケットには発行年が記されておらず,またライナーノーツなども付いていないので,これがど . . . 本文を読む

いろんな 《スカーフ》 があるけれども。。。

2003年10月12日 | 歌っているのは?
 ごく最近FMラジオでモーリス・ファノンMaurice Fanonの有名な《スカーフL'écharpe》という歌を,私の知らない女性がニホンゴで歌っているのを耳にした。やけにネットリとした感じの語り口調で,しかし不思議と心に引っ掛かる風な歌いぶりだった。聞けば,クミコという名の中年シャンソン歌手で,最近巷ではかなり人気があるとのことだ。さらに驚いたことには,その歌詞を訳しているのが,あがた森魚Mo . . . 本文を読む

飛びます,飛びます 飛・び・ま・す (山崎ハコ)

2003年09月11日 | 歌っているのは?
 現在私が住まうこの町には,昭和30年代から40年代にかけて造成された比較的規模の大きな工業団地がいくつか存在する。それらの工場群は,周囲を低山や丘陵に囲まれたこじんまりとした盆地のなかにあって,少なからず広大な面積を占有している。時おり我が茅屋のはるか上空を,恐らく県央の厚木航空基地と富士山麓の東富士演習場を往来していると思われる自衛隊の輸送ヘリが通過してゆくことがあるが,彼らの視点からは,我が . . . 本文を読む

レモンちゃん と 《都会のマリー》

2003年07月18日 | 歌っているのは?
 身の回りにあって恐らくは不用であろうと思われながらも捨てるに捨てられないモノ。私の場合,それは例えば古いLPレコードだ。何年か前,二階の北側に面したごく小さな仕事場兼書斎,すなわち私の個人的安息所がレコードを聴くことが出来ない環境となって以来,書棚の少なからぬ部分をなおも引き続き不法占拠し続けるレコードの山を「場所塞ぎだなぁ」と徐々に感じはじめてきたことから,数100枚あったLPレコードを,あち . . . 本文を読む

紫陽花小径 と 夕焼け歩道 (マルセル・ムルージ)

2003年07月03日 | 歌っているのは?
 梅雨期ゆえの鬱陶しい天気の日々がしばらく続いているが,時おり雲間に青空がのぞく昼下がりなどは,この期を逃してなるものかとばかりイソイソとMTBに跨って町中に走り出る。ただし,一応念のためにインターネットのサイト(国土環境(株)http://weather.metocean.co.jp/amedas/amedas03.htm)でレーダー・アメダスを見て降雨予想をチェックすることは怠りない。  こ . . . 本文を読む

《荒ぶる時》 あるいは 《動乱の時代》

2003年06月10日 | 歌っているのは?
 常日頃,つとめて年相応に小賢しそうに物事を分かったフリをしてはいるものの,それはあくまで見栄であり虚飾であり体裁繕いであって,結局わたしは何も知っちゃいないのだ。子供らのことも,妻のことも,世間のことも。平日の午前から公園のベンチで惚けている老人と,一体どこが違うというのか。  そういうわけで,ポール・ルカ Paul Loukaの話になる。ポール・ルカ! それは私にとって実に懐かしい響きを持つ . . . 本文を読む

フレデリック・フランソワの歌を聴いているのは,サルですから

2003年05月04日 | 歌っているのは?
 現在,理不尽なまでにショーモナイ仕事,というか,ヤヤコシイ仕事を抱えている。フィールドワークが主体であるが,フィールドから得られた膨大なデータは当然ながらデスクワークによって整理・解析されなければならない。そのような室内でのユーウツ作業が続く日々にあって,最近では フレデリック・フランソワ Frederic Francoisの1994年のオランピア公演CDなどをBGMとして時々流している。これが . . . 本文を読む

本と歌とをめぐる三題噺 (その参)

2003年03月22日 | 歌っているのは?
 毎月第二,第四木曜日は資源ゴミ回収の日である。先日の朝,古雑誌や古新聞をゴミ置き場に出しにゆくと,そこに見知らぬ先客がいた。一見して品の良さそうな白髪混じりの小柄な老人だが,少なくともこの近所の人ではない。その老人は紐でしばられた古本や古雑誌の山をひとつひとつ丁寧に点検しているようだった。そのうち,いくつかの束から何冊か本を抜き出して,傍らに止めてあった古びた自転車のカゴに入れた。それから少々緩 . . . 本文を読む

本と歌とをめぐる三題噺 (その弐)

2003年03月19日 | 歌っているのは?
 昼休み自転車ツーリングの翌日,水曜日の夕方の話である。  恐らくどこの地方自治体でも似たり寄ったりの状況なのだろうが,私の住まうこの町の図書館においては,毎年,年度末の二月,三月頃になると,いかなる理由によるものかは不明なれども少なからぬ量の廃棄処分本が発生し,そのうちの多くの部分は一般市民に無償で提供される。一部については関係者が事前にイイトコ取りをしているのじゃなかろうかと邪推するが,無論 . . . 本文を読む

本と歌をめぐる三題噺 (その壱)

2003年03月18日 | 歌っているのは?
 最近,昼食を抜くことがしばしばある。日々の体調(というよりも体重といった方が適切か)と相談しながら,不定期に断食を行っているのだ。ランチを食べない日は,天気が良ければ自転車で町のあちこちを一回りすることが多い。ただし昼休みの間ずっと汗だくになって走り続けているわけでは勿論なく,その時々の気分によって,例えば100円均一ショップだとか大型家電店だとか古本屋だとかに寄り道をしたりもする。  先日も . . . 本文を読む

職人としての聖なる連帯 (ジーサン達のライブ)

2002年10月25日 | 歌っているのは?
 ここ最近は顕微鏡を覗く仕事が比較的多い。これは一種「体力勝負」のルーチン・ワークであり,この年になると,午前中に2時間・午後に2時間,せいぜいその程度しか作業を行うことができない。根気が保たない,というよりも,眼の方がまず先に悲鳴をあげてしまう。眼球は脳髄に最も近い身体器官であるがゆえ,ある臨界点を超えると,コレコレそれ以上無理しちゃいかんよ,といった脳からの有難い直接指令が即座に送られてくるの . . . 本文を読む

ミシェル・ジョナス 《私に言ってくれ》

2002年08月31日 | 歌っているのは?
 先日,ある買い物のついでにミシェル・ジョナス Michel JonaszのCDを入手した。ついで,などという言い方は御本人に対して失礼になるかも知れないが,私にとっては随分と懐かしい名前の歌い手である。  恐らく,国内ではこれまでにCDのみならずLPレコードすら発売されたことがなかったような気がする。本国での地位・評価とは別に,我が国においては知名度が極めて低い歌手に属するだろう。大野修平氏の . . . 本文を読む

《ジャンヌ叔母さんのアヒル》 を温泉ステージで聞く

2002年07月10日 | 歌っているのは?
 過去の話を一寸蒸し返させていただく。と申しても,毎度の如く20年以上も昔の話などではない。先月の中頃,家族揃って箱根に泊まりがけの温泉旅行に出掛けた折りのことである。  土曜日の午前やや遅くに自宅を車で出て,国道246号を西へと下り,松田町で255号に移って小田原市内まで行くと,今度は国道1号沿いに進み,箱根湯本を経て,塔ノ沢,大平台とクネクネ坂道を上ってゆき,宮の下の少し先の小涌谷までちょう . . . 本文を読む