現在私ども家族が住まうこの盆地の町に他地域から来訪されるに際しての主要な交通ルートとしては,道路では国道246号,鉄道では小田急線があり,それらはいずれも盆地内をほぼ東西に横切っている。
東側からのルートは,国道246号の場合は伊勢原方面から善波峠に至る長いダラダラ坂を上り,新善波トンネルを抜けると,その先の眼前には秦野盆地がパノラマ状に広がり,さらに遠方には手前に箱根連山を従えた富士山が秀 . . . 本文を読む
つい最近の話である。東京方面に用事で出掛けたおり,一寸休憩するためにとある街角の喫茶店に入った。いわゆる今風のスタバとかドトールとかではない。昔ながらの落ち着いた外観の,少々草臥れた感じのする小さな喫茶店である。正直あまり居心地がよいとはいえないフワフワシートに座り,やや暗めの照明のなかでコーヒーを飲みながら,しばしのあいだ疲れを癒していた。最近はどうも長い距離を歩くと首筋と足首に疲労がきて,N . . . 本文を読む
去年に引き続いて,今年もまた麻疹(はしか)が流行りそうだという。特に我が神奈川県における発症例が多いようで,すでに各地で中学校の学級閉鎖などが見られるとのことだ。一昨日,息子の通う高校から届けられた『保健だより』にも,「はしか県内で猛威」,「重症化しやすい乳児や成人は要注意!」,「予防するにはワクチン接種がお勧め」,「疑わしい症状が出たら早めに病院へ!」などと書かれていた。実はかくいう私自身も麻 . . . 本文を読む
「自転車で15km」の話の続きであります。
現在の私の境遇は,主観的には「ほぼ老人」とは申しながら悠々自適の隠居ができるほどの甲斐性はなく,客観的には「ほぼお気楽な零細自営業者」と見られながらその実極めて不規則かつ不安定な仕事を抱えつつその日暮らしをくらしている身であるがゆえ,自転車で15km/dayという目標値ないし希望値は必ずしも常に満たされるとは限らない。毎日規則的なジテツウをしている . . . 本文を読む
ひた走る わが道くらし シンシンと うたは世につれ よは歌につれ
そういった次第で,年が改まっても相不変忙中閑有。アリス・ドナAlice Donaの2004年オランピア公演のライブ・アルバム(CD2枚組/WAGRAM 3098232)が目下のお気に入りということになっている。このアルバムを,例えば野暮用で外出する際に駅のホームや混雑した電車の中などで聞いていたり,ときには天気のよい休日,MT . . . 本文を読む
昼間,近所のスーパーへ買い物に出掛けたときのこと。
入口付近の特価品コーナー(御菓子関係)で,何か良いモノはないかなー,などとあれこれ物色していると,売り場の奥の隅っこの方から少々不自然に騒がしい音声が聞こえた。すわ何事かと買い物の手をいったん休めてそちらの方に近寄ってみれば,そこでは店員と客とが何やら言い争いをしていた。店員の方はガッチリした体格の中年男,それに対して客の方は小柄で痩せ気味 . . . 本文を読む
(承前駄言) 私が所有する携帯用MP3プレイヤーはアイリバーiRiver製の安物である。今日び流行のアイポッドiPodなどどいう洒落たモノとはほど遠いが,それでも音楽を手軽に聴くことに関しては必要にして十分なる機能を有しており,パソコンを介して楽曲の登録,削除,並べ替え等々のデータ編集操作がいとも簡単におこなえる。思えば今から数十年前,ポータブルラジカセとカセットテープで好みのシャンソン・オムニ . . . 本文を読む
何度も繰り返すようだが最近は性懲りもなく仕事の夢ばかり見る。夢の中の自分はいつも何かに追われるようにして毎日をアクセクと過ごしている。それらの夢は多かれ少なかれ今の生活状態を反映したものだろうと思う。生活状態というよりは生活の輪郭ないし生活の雰囲気といったほうが近いかも知れない。目覚めるといつも後ろ髪を引かれる思いで夢の中の出来事を今一度反芻しようと試みる。けれど無情にも記憶の方は急速にフェイド . . . 本文を読む
少し前の日曜日の深夜,NHK・TVのアーカイブスで,今から約30年前の1974年に制作された歌番組『ステージ101』の最終回の模様が放映されていた。いかにも70年代で御座いといった出で立ちの若い男女数十名がステージ上を所狭しとばかり賑やかに飛んだり跳ねたり歌ったり踊ったりの青春群像,それはまさにバラエティーの王道であった。田中星児がいるのは当然のこととして,塩見大治郎がいた,諏訪マリーがいた,太 . . . 本文を読む
春である。ものみな新しく生まれ変わろうとする春。あれはいつの時代だったか,ずっとずっと以前に諏訪野チビ猫が「何とすごい,何とすごい季節でしょう!」と感嘆していたことがありましたっけ。その春である。陽が照って鳥が啼き,あちこちの楢の林も田や畑もオボロに煙っていると思われる昼下がりに,ちょいと翻って我が身近なる淡水域あたりを見回せば,去年にもなお増してブラックバスの仔らがあちらこちらにワラワラワラと . . . 本文を読む
例えば出張先の地方の小都市で,特に意味もなく夜の繁華街をぶらつくことがある。コンビニに立ち寄る。小さな書店にフラリと入る。土産物屋や雑貨店があればヒヤカシ気分で入る(拙者,飲み屋やパチンコ屋には無縁な者ですから。残念!)
それらの店は夜だというのに概してそこそこ繁盛しており,特にコンビニなどはかなり混雑していることが多い(皆さん,他に行くところがないんだろうかネ)。狭い店内ではいろんな種類の . . . 本文を読む
ゆうべ,切ない夢を見た。その梗概は以下のようである(私小説風に)
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何故そのような状況になったのか,前後の事情はよくわからない。ともかく,私は妻子を箱根の高原ロッジに残し,ひとり横浜の自宅まで自転車で帰ることになってしまった(ちなみに,箱根に別荘なぞ持ってはおり . . . 本文を読む
ジャン=ジャック・ドゥブーJean-Jacques Deboutという歌手のCDを,最近,インターネット・オークションで入手した。現在では既に廃盤となっているらしいそのCDは,2枚組で全48曲が収められており,にもかかわらず落札価格は800円と格安だった(1曲当り単価は約17円)。毎度毎度の言い訳になるが,いわゆるヴァリエテ・フランセーズなるものに関しては,情報の僻地,同好の辺境,鑑賞の混濁,解 . . . 本文を読む
毎年恒例の事ではあるが,この三月は特に忙しかった。3月1日から27日までの正味27日間,とにかく連日連夜働き詰めだった。左様,父が永遠に悲劇的なのは人の世の常であって,とりわけ今の時代,零細自営業者にとって導かれるべき約束の地など断じてない,ブツブツ。とかなんとか呟きながら,ただただひたすら仕事に励んでいた次第であります。そして結局のところ何が残ったというのだろうか? 一息ついた今になって思い返 . . . 本文を読む
伝え聞くところによれば,ダニエル・ギシャールDaniel Guichardが今から13年ほど前に《Pour elle》,《Retour》,《Gamberge》という3枚のCDを立て続けに出したということである。《彼女のもとに》,《帰ろうかどうしようか》,《思案中》てな三題噺、もとい三部作というわけでもなかろう。フランス本国においては既に廃盤となっているらしいが,その3枚のCDを最近,東欧はハンガ . . . 本文を読む