紀州のドン・ファンと呼ばれた資産家の男性が・・・。
アナウンサーがまじめに「ドン・ファン」と読むのがなんかおかしい。
それはさておき、覚せい剤の大量投与による急性循環不全という「変死」
真っ先に疑われるのが結婚して間もない55歳も年下の奥さんと家政婦。
第一発見者が怪しいというのは殺人事件の定石。
要塞のような邸宅で第三者が忍び込んでの犯行は考えにくい状況で、何しろ二人は一つ屋根の下にいたのだから。
しかしながら、これでどちらかがあるいは二人が犯人だったとしたら三文小説以下。
土曜ワイド劇場でもあり得ない。
と考えると、俄然、推理小説っぽくなる。
自殺でもない限り、二人以外に覚せい剤を投与できた人間がいたということなのだから。
横溝正史ならば第二の殺人事件が起きて、そこには血縁をめぐるドロドロとした怨念が渦巻くのだろう。
松本清張なら55歳下の新妻の父とドン・ファンの関係が怪しい。
成りあがった過去にさかのぼった社会派ミステリーか。
アガサ・クリスティなら、二人はもちろん検視の医者も警察も葬儀屋も全員が犯人。
さてドン・ファン殺人事件の顛末やいかに。
日大騒動よりよほど興味深い。