「カチューシャには当たらないわよ。by Катюша編」
《大学選抜チームとの試合会場》
(場所は苫小牧から近い、内陸部のどこかは不明。茨城県から、「さんふらわ」のフェリーで大洗から会場入りしました。
ダージリンの無線の内容が北の地と言っていた。
まさか、試合会場は中国の遼東半島の旅順か、それは、ナイナイ。)
試合会場のカマボコ型兵舎に到着した大洗メンバーに、試合はフラッグ戦ではなく、殲滅戦だと言われます。プロリーグも殲滅戦を予定であると。明らかに、大洗に不利なルールです。
そう、全戦車を破壊しないと勝てません。戦車の数は30両対8両。勝ち目はありません。
試合前夜、試合会場を視察する西住みほ隊長に、棄権と言う選択肢もあると、杏生徒会長。でも、私にはみんながいるから。
『映画1941』を鑑賞中の一年生チーム。
電動モーターと試合規則を研究している自動車部チーム。
体を鍛えているネットゲームチーム。
アイロンをあてている、几帳面な「規則は守るためにあるのよ」生徒会チーム。
試合当日の朝。
西住みほ隊長は、「山間部に追い込んで各個撃破、でも、経験も技量もある彼女らには…。今度という今度は勝てないかもしれない。」
隊長同士が、一礼して試合開始と思いきや、「ちょっと、待ったぁ~!」(なんか、おばさん臭い声です。)
現れたのは、黒森峰女学園(以降、黒森峰と呼称)の西住まほ隊長(3年)。大洗の制服です。
「短期、転校の手続きを済ませてきた。」
「戦車まで、持ち込みは…。」文科省のお役人。
「戦車は、私物なんですよ。きっと。」と、とぼける連盟会長。
西住まほ車長のティーガー1型、逸見エリカ副隊長(2年)が車長のティーガー2型、赤星小梅さん(あかぼし・こうめ。※西住みほ隊長に水没した戦車から救助された子)と、直下さん(なおしたさん。TVシリーズで生徒会・ヘッツアーに二度も履帯を破損させられた子・CV:葉山いくみ)が車長のパンターG型2両の合計4両が加わります。
聖グロからは、ダージリン車長、アッサム砲手、オレンジペコ装填手のチャーチルマーク4、ルクルル車長のマチルダ2、ローズヒップ車長のクルセイダー。
「鬼に金棒。」と武部沙織さん。
「虎に翼。」と、冷泉麻子さん。
また、ケイ隊長率いる、サンダースからは、ケイのM4シャーマン75mm砲搭載型、アリサのM4A1シャーマン76mm砲搭載型、ナオミが砲手のシャーマンファイアフライの3両。
そして、カチューシャの寝坊により、一番乗りを逃したプラウダからは、ノンナ砲手のIS-2スターリン、カチューシャ隊長が車長を務めるT34/85、もう一両はクラーラが車長のT34/85、ミーナ&アリーナのKV-2の合計4両。
カチューシャの制服の袖を詰める時間がなかったのか、長過ぎてかわいい。
さらに、「大洗の諸君!ノリと、勢いと、パスタの国からドゥーチェ参戦だ~ぁ!」
アンチョビ隊長(あだ名はドゥーチェ、本名は安斎千代美)率いる同高校のCV33型快速戦車(タンケッティ)が1両。操縦手はペパロニ、機銃手はカルパッチョ(歴女チームのカエサルの幼なじみ。本来は定員2名に3名乗車で参戦。)
「今度は、間に合ってよかったすね~。」とペパロニ。(※OVA「これが本当のアンツィオ戦です。」では、決勝戦会場には、前夜に到着していたにもかかわらず、ドンちゃん騒ぎで疲れたアンツィオ高校の全員が寝過ごして試合が終了してました。)
そこへ、「カバさんチームのたかちゃんーん。」とカルパッチョ。「ひなちゃ~ん。いや、カエサルだ!!(汗)」と冷や汗もののカエサル。彼女たちは小学校の同級生なのです。しかし、大洗では、ソウルネームのカエサルでとおしてます。(※OVA「これが本当のアンツィオ・・」で、バレてしまいます。)
知波単からも「昨日の敵は今日の友。 勇敢なる鉄獅子22両ただいま推参!!』と新旧97式戦車など22両を引っさげてきます。
「全員で22両。私が頼んだのは6両よ。」とダージリン。
「失礼いたしました。では、残りの16両は待機。」と西絹代隊長。
そして「皆さん~、継続高校から転校してきましたぁ~。よろしくお願いします。」とアキ。
今回の映画が初出演の継続高校(名称は、第二次大戦中にソ連とフィンランドとの「継続戦争」から命名。)からBT-42突撃砲の1両。
(※この戦車、ソ連の戦車BT-7をフィンランドが改造した自走砲。徹甲弾は撃てないので、対戦車戦は考慮されてないはず。
クリスティー型のサスペンション。履帯を履いてますが、履帯を外して、前輪をハンドル操作で車輪だけでも走行可能。
戦場までの移動は車輪で自走、戦場では履帯を付けて悪路走破と言う当日のコンセプトです。)
「結局、助けてあけるんだね。」とアキ。
「ちがう。 たまたま、風に流されてきただけさ。」とミカ。
これで、30両揃いました。
少し早めの昼食を済ませて?
早速、野戦天幕での作戦会議。
入り口には、ダージリンの愛車シムズモータースカウトが 停まってます。
どんな作戦でいくか?となったところ。
主人公たちは、好き勝手な意見を言い出します。
聖グロのダージリンは「行進間射撃で機動しながら打ちまくるのよ!」
→英軍の教範では、大戦初期のころ、対戦車戦を考えてなかったこともあり、行進間射撃を推奨してました。実際は、当然命中率は下がります。
黒森峰のエリカは「楔を打ち込んで浸透突破よ。」→パンツァーカイルです。
サンダースのケイは「優勢火力ドクトリンよ。1両の敵戦車に、10両の戦車をぶつけるの。」
→火力や装甲では勝てない米国陸軍のドクトリンです。これで、ビットマンもやられました。しかし、今回は質も数も敵が上ですが・・・ケイ様。
プラウダのカチューシャは「二重包囲に決まってるでしょ。殲滅戦は時間制限がないから冬将軍が到来するまで待つのよ!」
→独ソ戦の際にドイツから学んだソ連の戦法です。しかし、今はまだ夏休みなんで冬将軍までは早すぎますが。
知波単は西は「色々な状況を鑑みました結果、やはり突撃しかないかと。」
→日本軍のイメージです。
アンツイオのアンチョビは「といあえず、パスタを食べてから考えてもいいか?」→これは、イタリア軍に対する皮肉。
そして、西住みほ隊長から作戦が、
「左翼が、あさがお中隊(サンダース&知波単チームに一年生チームを加えた編成・10両)。中隊長は、ケイさん。副隊長は、西さん。(機動性重視チーム)
中央は、ひまわり中隊(黒森峰&プラウダ&生徒会&歴女チーム・10両)。中隊長は西住まほ姉。副隊長はカチューシャさん。(火力重視チーム)
右翼はタンポポ中隊、中隊長は西住みほ(大隊長兼務)、副隊長はダージリンさん。(聖グロ&大洗の大部分 &アンツィオ&継続で編成・10両)
と、決まりましました。
「一番肝心なことはここからよ。作戦名はどうするの?」とダージリン。(作戦名が一番大事なの?)
アンツィオのアンチョビは「3種のチーズピザ作戦」
プラウダのカチューシャは「ビーフストロガノフ作戦」
聖グロのダージリンは「フィッシュ&チップス&ビネガー作戦」
サンダースのケイは「フライドチキンステーキwithグレービーソース作戦」
エリカ「グリューワインとアイスバイン作戦」
知波単の西は「あいだをとって、すき焼き作戦でどうでしょう。」
生徒会長も「あんこう・干し芋・はまぐり作戦・・・モグモグ」会長まで・・・。
最後に、黒森峰のまほさん「ニュルンベルクのマイスタージンガー作戦。これは3幕の歌劇で・・・」長い!黒板で書記をしていたももちゃん。
(※ヒトラーが傾注していたワグナーの歌劇です。)
結局、「みほが決めろ。」とまほ隊長。
「作戦名は、相手をツンツンつついて、コツンと叩くので、コッツン作戦です。」(みぽりんらしい、意味不明な言葉をおっしゃいます。脚本の吉田さんのおもいつきだそうです。雑誌対談より。)
逸見エリカ副隊長がそんな馬鹿な!という顔をしますが、
「よし、それで行こう!」とまほ隊長。(画面の隅で、シュンとしているエリカさん。)
《野戦~通称203高地~》
試合開始です。
203高地のような丘を挟んで北から大学選抜、南から大洗が攻めます。
大学選抜チームも、北から3方向に部隊を分けます。主力はM26、偵察にはM24・3両)そして島田隊長はセンチュリオンマーク1。
右翼チームのアズミ中隊は、敵をアルデンヌの森(ここでは、勝手にアルデンヌの森と呼称します。)を突破して大洗を包囲殲滅。
左翼チームのルミ中隊は、ハルハ河畔の湿地帯(ここでは、勝手にハルハ河畔と呼称します。)で大洗を突破せずに、敵を釘付けにする。
メグミは、わたし(愛里寿隊長)とともに正面を前進。(島田隊長の手にはタブレット。さすが大学生・)
「こちらルミ、了解。」「アズミ了解しました。前進開始。」「メグミ、中隊を並進させます。」
ひまわり中隊は、敵より先に高地の奪取を企図します。
先に前進させた生徒会チームから「丘には誰もいないよ~(^_^)」と杏会長。
丘を抑えると有利、しかし、分断される恐れもある。
「経験豊富な敵に時間を与えては不利、ここは一気に奪おう。」とノンナ。
「よし、行こう。」とまほ隊長。「はい!」とエリカ。(エリカ嬉しそう。この人、まほ隊長に頼られると嬉しい人なのです。)
「203高地よ!」と、のりのりのカチューシャ。
「この人、203高地の意味、わかってるのかな。負ける気?」と無線を聞いてた歴女チーム。
M24チャーフィーの斥候より、大洗が丘へ向かったとの無線。しかし、島田隊長は、ほおっておけ。と。
それは大学選抜チームの罠でした。
あさがお中隊は、大学選抜アズミ中隊とアルデンヌの森で遭遇。知波単チームは、突然、3時方向から攻撃を受けます。
「アリサ、ナオミ、ラビット。敵は、我々を突破する気だよ。『チハタンズ』を援護するよ。」(彼女は、ウサギさんチームをラビットと呼んでます。)
ナオミのファイアフライが火を吹きます。知波単は、また、2両(池田車ともう1両)が突撃して新旧97式戦車を失います。
しかし、ナオミ車も、大学選抜の集中砲火を浴びて「援護不能!援護不能!!」
アリサも動ける車両と纏めて追撃しようと試みますが、履帯破損、砲塔旋回不能に。
敵にアルデンヌの森を突破されてしまいます。
タンポポ中隊は、ハルハ川河畔で大学選抜チームと交戦。
「みほさん、命令を!」とダージリン。ダージリン様が、珍しく、ハッチから、からだを乗り出してます。
「敵は、あさがおとタンポポを潰してきた。」西住みほ大隊長は、味方が203高地を奪取するまで、ここで持ちこたえようとします。「各車、敵の射線に入らないように気を付けてください。」
203高地を占領したひまわり中隊は、左右のあさがお中隊とタンポポ中隊を丘から支援射撃を行うため、位置につきます。
カチューシャが「まほ中隊長、砲撃を命じていいかしら。」
「任せる。」
「せえの~。打てっぇ!」
その時、どこからか、砲撃を受けます。
「ドドーン!!」(「弾着ぅ~!」の声は、大学選抜の弾着観測員の無線の声。)
爆音上映会では、椅子が響きます。
「あ~こちら、『あさがお』。何か上から撃ってきたぞー」と生徒会長の無線の声。(生徒会長は、『ひまわり』中隊のハズ。さすがの会長も動揺している模様。)
二発目の着弾でパンター2両を失います。車長の赤星小梅さん「パンター1号車撃破されました!」、車長の直下(なおした)さん「パンター2号車、行動不能!!」 この2人は劇場版でも恵まれません。
「やられーたー」「やられてませんー」生徒会長とゆずちゃんの声。(TVシリーズでもマウスの砲撃の際に「やられたー」のシーンがありました。)
西住まほ中隊長は、三発目がくる前に、丘からの撤退を決意。黒森峰や3突やヘッツァーに続いて、しんがりは、プラウダの順で後退。
カチューシャの近くに、三発目が着弾。
「私には、当たらないわよ~。かかってきなさ~い!」と空を見上げるカチューシャ。
すると、丘の麓から現れたM26に狙い撃ちされます。
森を突破した大学選抜アズミ中隊が、後方より回り込んできました。カチューシャ、ピンチです。
あんこうチームの4号では、秋山さんが、シュトルムティーガーか、いや、ロケット推進音が聞こえなかった。1トン以上の炸薬だ。
(シュトルムティーガーの写真には、パンチパーマの秋山さんが。)
ここで、急に雨が降り出します。
アルデンヌの森では「これは、うちが欲しかったが、認可されなかったあれか?」とサンダースのアリサ。
「アリサさん、どうしてわかるの。」
「あ、また盗聴?彼氏のタカシの携帯も盗聴して、ふられちゃったの?」一年生チームから、ちゃかされます。
「ふられてないわよ~怒。っていうか、あんた達、なんで知ってるの!」と。話が脱線してます。
「カール自走臼砲か?しかし、オープントップの車両を戦車道で認可したのか!」と戦車連盟会長が、文科省に役人に詰め寄ります。
ここで、大砲の迫力ある絵が…。
(この砲は、射撃の人員がいっぱいいるはずなのに、外には誰もいません。
声優さんは、ちゃんと声を入れているのに。絵が、間に合わなかったのな。システム自動化か。
できれば、前線に弾着観測チームのM24からの、弾着修正無線のやりとりを入れて欲しかった。)
あの上から砲撃をなんとかするのが先決だと考えたみほ隊長。
西住みほ大隊長は、生徒会チーム、バレー部チーム、アンティオチーム、継続高校の4両にこの自走砲の破壊を命じます。
「どんぐり小隊、前進!」と勝手に小隊名を決めて、山の向こうに向かいます。(あんた、いつから小隊長になったの?ま、ドゥーチェだからね。)
アンチョビ達は、森の中に大砲を発見。(この橋は、北海道のタウシュベツ川橋梁がモデル?)
「あれ、なんだ~」とアンチョビ。
「カールっすよ。」とペパロニ。
「カール・ヴォルフ?(ドイツ軍人)」とアンチョビ。
「違っすよ。カール自走臼砲っすよ!」とペパロニ。
「わがCV33が8mm機銃。カールは600mm。何倍だ~!」アンチョビ。
「割り算もできなんっすか?7.5倍です!」とペパロニ。
「75倍です。」と、いつも冷静なカルパッチョ。
しかし、周りにはM26パーシング3両が護衛についてました。
「4両で突っ込むか!」と生徒会長。
ここで、バレー部チームからの作戦提案。
「この作戦に意味があるとは思えない。でも、彼女達を信じよう。」とミカ。
まずは、継続チームの快速戦車が、護衛のM26を1両撃破、残りの2両を谷へおびき出します。
♪ここで、カンテレの曲♪
ミカは、フィンランドの楽器のカンテレの演奏をしながら、砲手兼装填手のアキに指示を出しています。西住みほ隊長が、常にハッチから乗り出して外を見るドイツ方式、彼女は、潜望鏡から時々、外を見る程度。天性の勘でわかるのでしょうか。
継続車が、M26を引きつけている間に、アンチョビ車は、バレー部チーム車の背中に乗り、近づいてから、カール臼砲へ『必殺!殺人レシーブ!!』でジャンプ。「マズルを撃て~っ!」
しかし、敵に届かずに手前で逆さまにひっくり返しになってしまいます。
次に、生徒会チームから、アンチョビに「チョビー!履帯を回せ!」
「おれに命令するな!!」
「干し芋パスタをご馳走するよ。」
「おー!」と2人。(単純。)
生徒会チームのヘッツァーは、アンチョビ車の履帯の上で加速してカールへジャンプ。
見事、カール臼砲の至近距離から撃破します。
一方、継続チームは、一旦、撃破されますが、履帯を切り離して、車輪だけで、走行。ハンドルを取り替えていますが、履帯走行はレバーで、車輪走行時は、ハンドルに取り替えるのでしょうか。
最後は、自分達も走行不能になりながら、M26を撃破。決めゼリフは『トゥールタ!』(フィンランド語で「発射」の意味。劇場版でのフィンランド語は、この言葉だけだそうです。)
「あとは、皆様の検討を祈ります。」
♪チャラチャラン♪
と言い残して、戦場を去るミカたち。
一方、203高地からの撤退するカチューシャ達。
多数のM26の攻撃の前に、全員の撤退無理。
はじめに、クラーラが、敵を引きつけてつつ、カール臼砲の直撃で犠牲に。
さらに、「カチューシャ様、あなたは、バイカル湖のように透き通った心と、ウラル山脈のように高い志。あなたは、生き残らないといけない。」ノンナもM26の犠牲に。
KV-2チームも「いくべー。」とミーナ&アリーナ、履帯を壊されながら、「まだ、まんだ~。街道上の悪魔をなめんな~!」撃破されますが、カチューシャ脱出の時間を稼ぎます。
ここでの撤退戦は、涙もの。今回の名シーンの一つです。雨が憎い演出に効いてます。
(戦車道は、みんな死なない安全ルールなんです。野球で言えば、送りバントや犠牲フライでカチューシャがホームに帰ってきた。みたいな感じです。
しかし、雨の中、涙、涙のシーンです。
カール自走臼砲の破壊で、一旦、戦場に静寂がおとずれます。
「みほらしくない戦いね。定石すぎる作戦だった。」と、西住まほ。
大洗チームは、部隊を再編して、近くの遊園地の跡地に撤退します。
知波単でいうところの転進です。「後退的、前進?」
…………………………………………
[2016年2月4日文章改定]