略  歴

 昭和28年生まれ。大学卒業後東京のプラスチック商社入社。主に新規開拓従事4年間で約20社のユーザー獲得。入社2年目で2年間に3件の貸し倒れ発生、債権回収で奔放。その後名古屋支店転勤、商習慣の違いで悩むが新規開拓15社開拓。昭和61年父が経営する典型的な家業に入社。専務取締役を経て平成7年社長就任。在任中に売上げ3倍以上自己資本比率3.5倍、借入金を実質0円に減少させ家業から事業への脱皮を図る。自創経営を導入し、人材教育を重点的に行い中途採用から新卒者採用へ、また既存社員との融合に注力する 後継者不在のために平成25年M&Aにて会社を売却。ヒト、カネで悩める社長を助ける社長のブレーンとなる。

「後継者社長へ、倒産を避けるには!」

2018-08-05 21:19:37 | 日記

社長と同行二人                H29,8,5

「後継者社長へ、倒産を避けるには!」

                                                                           

皆様こんにちは、お元気ですか?

今日は「後継者社長へ、倒産を避けるには!」

について私の経験や、セミナー、本、コンサルでの会話、大学での授業を振り返りなどから、考えを述べさせていただきます。

 

今週は、真夏のこの時期に、不吉な話題で失礼します。

この時期になると、思い出す出来事があります。

 

それは今から約20年位前になるかと思います。

当時、売上が1億数千万円の時代に約1,000万円の不渡り手形を食らいました。

 

それはプラスチックの特殊な防音シートを、ある業界に販売しておりました。

その当時は、売上を上げるためのみで与信も関係なく、闇雲に拡販しておりました。

そんな時に、引っかかったのです。

 

もう時効だと思いますが、その当時の会社は、「銀行から融資を断られたら手形が落とせなくなる、、」

の一心で決算書を粉飾しておりました。

 

平成7年に先代の急死に伴い社長に就任して3年目くらいだったと思います。

 

その当時は、数億円の銀行借入れがあり、これ以上借入が出来る状況ではなかったので、仕入先に手形ジャンプを要請して、

何とか承諾頂き、窮地を脱しました。

仕入先からの帰り道、膝が震えて満足に歩けなかったことを今でも鮮明に覚えております。

 

その時に考えたことは「これからは売り先を精査する」「手形はもらわない」「決して粉飾決算はしない」と言う事です。

現在、銀行もリレーショナル・バンキングといって、赤字企業にもかなり面倒は見てくれます。

 

それでも気をつけることは、安易に銀行間で利息競争をさせないことだと思います。いまの銀行金利、どの銀行でも大差はありません。

先ずはメインバンク一行を決め、サブに2行と取引されてはいかがでしょうか?

少々の利息の差は保険代だと考えれば、安いものです!

 

しかし一行のみだと、相手に足元を見透かされます。そのためにサブの銀行を用意していくのです。

毎年2回以上は支店長に自社の状況を示すためにも試算表を持参し会社の現在状況を説明して下さい。

それと経営計画書があれば、これも持参ください。

 

銀行の一番関心ごとは、貸したお金が滞りなく返済されるか?

二番目には、将来の資金需要が発生するか? また得意先と関係を深めて、投資信託、生命保険、さらに内容がよければ私募債の発行まで視野に入れております。

 

現在、「粉飾決算」をしている会社は、銀行に早急に相談されてはいかがでしょうか?

まさかの時に頼りになるのが「銀行」です。

「銀行」と上手に付き合うことが「倒産」を避ける秘訣です。

 

「来月、あの仕事が入るから、何とかなる」「今まで何度も窮地を脱してきたので、今は苦しいが、好景気が来る」と過去の経験を思い返し

頑張っている会社もありますが、昔と違い環境変化が急速にやってきます。

過去の経験が当てにならないのです。

 

中小企業は大企業と違い「過去の蓄積」が多くありません。

数年の赤字で「過去の蓄積」はぶっ飛んでしまいます。

だからこそ後継者社長は、毎日毎日が真剣勝負なのです。

 

後継者社長の皆様、月次決算していますか?

私の知り合い「倒産した会社」は税理士の都合で3ヶ月に一度の決算しかしていませんでした。

 

必ず月次決算をして売上、利益の状況を調べて下さい。

また過去にもお話したと思いますが、移動累計表を作成して下さい。

 

これは今月が決算月と考えて昨年の7月から今年の8月までの12か月分の売上、粗利益、営業利益を折れ線グラフ化したものです。

来月も同じ事を繰り返してデータを取っていきます。

 

1年たつと、これを見ると右肩下がり、右肩上がり等の状況が一目で見えます。折れ線グラフに定規をあててみると、今後の状況が一目で分かります。

 

実際やってみると分かりますが1ヶ月売上が減少しもグラフに大きな変動はありません。

2ヶ月続いて減少すると急に右肩下がりになっておきます。

この「移動累計」を使うと将来の売上、利益が見える魔法のツールです。

是非とも作成をお願いいたします。

 

私の倒産危機の場合は、時代と得意先、仕入先に恵まれて、何とか倒産危機を乗越えましたが、手形ジャンプした1年間は死に物狂いで働きました。

 

今みたいに価格交渉が厳しくなかったので乗越えましたが、もし今、私が20年前の自社のコンサルタントであったならば、「倒産」を勧めていた事でしょう。

 

それでも再起できる状態をアドバイスしていると思います。

 

もう一つ、皆様にお伝えしなくてはならないのは所謂「街金」です。

不思議なことに、資金繰りに躓くと、街金、ノンバンクから融資の話が来るのです。

私自身、よく「日歩何銭と言う甘い言葉」のFAX、メールが送られてきて、その会社へ電話をかけたこともありました。

でも決して「街金」「ノンバンク」からお金を借りて窮地を逃れようとしないで下さい。

これは「麻薬」みたいなもので、ついつい金額100万円が、500万、1,000万になり自己破産まっしぐらです。

 

早いうちに銀行、弁護士と相談して「倒産」したほうが再起出来ると思います。

私の倒産危機の際には、私、妻、そして叔父までが連帯保証人になっておりました。

 

いまは、社長本人しか金融機関も連帯保証人を取っておりませんので、傷が浅いうちに「倒産」をお勧めいたします。

再度申し上げますが、甘い夢をみて「街金」に走ることだけはお止めください。

 

また倒産の原因は「売り上げ不振」が第一位ですが、私自身の経験から、「売上第一主義」が倒産に至る可能性が高いと言う事です。

 

「売上が全てをカバーする」みたいな過去の経営は現在では通用致しません。

売上を作ることで手一杯で管理が行き届いていなくて、資金繰りのために赤字の仕事を受注することになります。当然利益が少なくなり、在庫も膨らみ、

売上債権は増えるが貸し倒れの危険も増える、、、これが積もり積もって雪だるま式に膨れ上がり倒産するのです。

 

借入金が年商の半分以上になったら、思い切って「リストラ」も考えるべきでしょう!

 

基本的にリストラは反対ですが、やむ終えない場合は「心を鬼」にして臨んでください。

 

倒産を乗り切るには、固定費の削減「リストラ」もその一部となります。

 

倒産しても「再起」は出来ます。

しかし、「自己破産」は何とかして避けたいものです。

 

今日もお読み頂きありがとうございました。

皆様の御意見をお待ちしております。

また来週もよろしくお願い致します

追伸

来る9月11日 13:30~16:30まで ウンクあいち1209号室で後継者社長向けセミナー

「人財育成と財務の一体改革セミナー」を開催いたします。

「このブログを見た」とメール下されば参加費5,000円を3,000円にいたします。

詳しくはHPで http://www.duo-k.co.jp/semi.html まで