略  歴

 昭和28年生まれ。大学卒業後東京のプラスチック商社入社。主に新規開拓従事4年間で約20社のユーザー獲得。入社2年目で2年間に3件の貸し倒れ発生、債権回収で奔放。その後名古屋支店転勤、商習慣の違いで悩むが新規開拓15社開拓。昭和61年父が経営する典型的な家業に入社。専務取締役を経て平成7年社長就任。在任中に売上げ3倍以上自己資本比率3.5倍、借入金を実質0円に減少させ家業から事業への脱皮を図る。自創経営を導入し、人材教育を重点的に行い中途採用から新卒者採用へ、また既存社員との融合に注力する 後継者不在のために平成25年M&Aにて会社を売却。ヒト、カネで悩める社長を助ける社長のブレーンとなる。

「後継者社長へ、間違った経費削減をしていませんか?」

2017-06-25 20:39:53 | 日記

社長と同行二人                H29.6.25

「後継者社長へ、間違った経費削減をしていませんか?」

皆様こんにちは、お元気ですか?

いかがお過ごしでしょうか?

 

今日は「後継者社長へ、間違った経費削減をしていませんか?」

について私の経験や、読書、大学院での教授とのディスカッション、コンサルでの会話などから、考えを述べさせていただきます。

 

私はコンサルに入ると、決算書の経費明細に必ず目を通します。

なぜならば、経費削減は、赤字会社が真っ先に取り組むべき改善計画であるからなのです。

会社が勝ち得た利益をどのように使っているかを詳細に確認することが私の仕事の一部ですから。

 

多くの赤字会社は利益を経費と言う名前で雲散霧消させています。せっかく稼いだ利益をあんまり意識もしないで支出してしまうようなことになっていませんか?

 

しかし利益を上げるために、経費削減のみに注力すると会社の成長力を削いでしまう可能性がありますので十分注意してください。

 

私の経験からP/L中心の経営者は売上のみに注目して、経費削減と言うと全ての経費を一律10~20%カットと言い始めます。

これは非常に危険です。その経費の役割や意味を考えずに一律カットしてしまうのです。

 

私は経費を3つに分類しております。

一つ目は必要経費、所謂人件費を中心とした必ず必要となる経費です。

二つ目は冗費です。接待交際費、会議費など会社の潤滑油となる経費です。

三つ目は戦略経費です。研究開発費、広告費、研修費、などです。

 

ごらんになって分かるように、この戦略経費は将来の飯の種を見つけるため、またはそれを創り出す為の経費なんです。

 

P/L至上主義の社長はこの戦略経費まで一律にカットし始めるので注意が必要です。特にこんな社長は、一番経費がかかる人材を、利益の上がることが見込めない単純作業に従事させて、電気をこまめに切らせたり、封筒の裏側を使わせるために封筒切をさせたりする場合があるので要注意です。

 

二つ目の冗費も全額カットは会社のコミュニケーションをなくし、セクショナリズムに陥る可能性があるので十分注意して使うべきです。

良いコミュニケーションが会社の雰囲気を良くしていき、結果的に会社を成長させる元となるのです。

 

社長たるものは、経営における経費は、将来の肥やしとあることを十分に理解して使用すべきと考えます。

 

三つ目の戦略経費、これこそ社長の将来に渡るビジョンを具体的に示す費用ではないでしょうか?

 

3年後、5年後に自社はどのような業界に商品を開発して、どんな市場に打って出る、そのための研究、人材、宣伝広告等に知恵を絞り、それぞれに予算を与えていく。

これこそが社長の真の仕事になるのではないです?

私はそう考えます。

 

現在、債務超過やら、毎日の資金繰りに追われている社長には辛い事かも知れませんが、是非社長のビジョン、夢を実現するために戦略経費を一度考えられてはいかがでしょうか!

 

また皆様のご意見もお待ちしております。

今日もお読み頂きありがとうございました。

また来週もよろしくお願い致します。

 

 


「後継者社長へ、銀行取引約定書は御存知ですか?」

2017-06-18 18:52:12 | 日記

社長と同行二人                H29.6.18

「後継者社長へ、銀行取引約定書は御存知ですか?」

皆様こんにちは、お元気ですか?

いかがお過ごしでしょうか?

 

今日は「後継者社長、銀行取引約定書は御存知ですか」

について私の経験や銀行との交渉、コンサルでの会話などから、考えを述べさせていただきます。

 

先日もお話いたしました、2回目の倒産危機を銀行の緊急融資、当座貸越金額を2倍、リスケ等で乗り越えましたが、その際に融資担当役席から言われた言葉が今でも忘れません。

 

借入れの際には当然ながら、会社の連帯保証人として社長の署名、捺印を押すことは御承知だと思います。しかし「銀行取引約定書」は御存じない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

「銀行取引約定書」とは、融資の際に、銀行と会社で交わされる契約書で、社長が署名捺印するものですが非常に大切な事柄が、小さな文字で書かれております。

 

銀行から言われたことは「期限の利益」です。

これは「毎月の返済を怠ると期限の利益を失う」ということです。

簡単に言えば、「毎月の返済を一度でも怠ると、分割払いから、銀行は一括払いを要求できる」と言うことです。

 

例えば銀行に5000万円の借り入れがあり、残りの債務は4000万円で毎月100万円の返済を約束したが、資金繰りがキツクて、どうしても返済日に当座に100万円入金できない場合、銀行に返済の延期を申し込むと原則的には銀行は待ってくれません。

 

おそらく銀行からは当日の16時くらいまでに入金しないと「期限の利益を喪失したので、残債の4000万円を一括で返済して下さい」と言われます。

 

亀井金融担当大臣以来の中小企業金融円滑化法で、中小企業を金融機関は守っているので、ここまで強硬姿勢に出ることは稀だと思いますが、、、。

 

しかし、それまでの返済姿勢が金融機関の感情を逆なでするような態度を何度も取っていた場合、支店長は強硬手段を取る場合があると考えます。

 

何度も請求され、返済期限の延長を1回は承認されても、その後も返済期日ぎりぎりで、その態度も「貸している銀行が悪い」「前の支店長はこちらの言うことを聞いて、融通してくれた」などを公言しているようだと一括返済を申し立てられる場合もあります。

 

しかも銀行も株主がいる会社です。自社の利益を守るために契約書に書かれた権利を遂行することは何の法律違反でもないのです。

 

銀行は約束を破った会社に対しては、債権者と言う対場は明確にして「原則的には」一括返済を強要してくる可能性があります。

 

この時点で会社は銀行に対して「まな板の上の鯉」の状態です。

この期に及んでも、まだ社長は銀行にたいして、放漫な態度を取り続けると、一気に倒産になります。

 

基本的に融資を受ける際には、債務者の社長は債権者の銀行に対してこの「約定書」を必ず差し入れます。

 

後継者社長では先代の社長が署名、捺印した「約定書」をご覧になってないかも知れません。

 

一度銀行に話して、この「約定書」を確認されたらいかがでしょうか?

社長としての自覚と緊張感が再度湧いてくることに違いありません。

 

また皆様のご意見もお待ちしております。

今日もお読み頂きありがとうございました。

また来週もよろしくお願い致します。

 


「後継者社長へ、茹でガエルになっていませんか?」

2017-06-11 20:34:32 | 日記

社長と同行二人                H29.6.11

「後継者社長へ、茹でガエルになっていませんか?」

皆様こんにちは、お元気ですか?

いかがお過ごしでしょうか?

 

今日は「後継者社長、茹でガエルになっていませんか?」

について私の経験やコンサルでの会話などから、考えを述べさせていただきます。

 

先日尊敬する、岐阜のとある会社の社長のところに用事があって訪問いたしました。

 

その会社は、先代社長の頃は自動車部品メーカーの下請けで所謂カンバン納入を義務付けられて、多大の在庫、運送費、残業などで利益が出ていない状況でした。

 

その会社を変えられたのが今の社長です。社長曰く「カンバン納入は先方の利益を極限までに追求した結果だ。我々に一定の仕事はあるが最低限の食事を与えられた働き蜂で、美味しいところは全て女王鉢に持っていかれる。現状では何とか会社は運営できる。しかしこのままでは会社が疲弊して最後には倒産か良くて吸収合併だ。だから私は一点物の受注生産に切り替えて成功した」と

 

多くの中小企業の経営者は前述の社長みたいに意識改革や行動改革をしていますか?私は心配しております。来月、再来月までの仕事があれば、毎日の仕事が多少きつくても満足していませんか?

 

また自社の置かれている現状が危機的なことを理解していないのか?

業績不振の会社の経営者ほど外部の意見に耳を貸さないのです。

 

私も現在のコンサルタントの仕事をしていると、目先会社が運営出来ていれば、なかなか将来に目を向けない社長が存在することを良く感じます。

 

毎日の仕事に流されて、不景気だとおっしゃる社長は、現状をしっかり理解できずに、不振の原因を環境、政治、銀行、得意先に転嫁して自分の誤りを認めていないのです。

 

社長に寄り添う私、コンサルタンとから見ても明らかに奈落のそこが見えている状況に陥っても、神風が吹くと考えていたり、この商品が売れれば全て解決すなどの他人任せの会社や社長が多く見受けられます。

 

私はその原因としては、どこか甘えた心があるのではと考えます。

「売上。利益は落ちているがそんなに簡単に潰れはしないだろう」「長年の取引があるあの銀行が我社を見捨てることは無いだろう」「過去にも倒産危機はあったが、何とかやり過ごした」等々、何かそんな他人任せの気持ちがあるのではないでしょうか?

 

中小企業の倒産原因の2番目「既往のしわよせ」がこれにあたると私は考えます。

 

「既往のしわよせとは」長年の問題を先延しして、その結果「倒産」に至る事です。社長自身がうすうす気づいている、何となくヤバイなと感じているのに、手を打たずに、気づかない振りをしていたことに他なりません。

 

「茹でガエル」とはご存知の方も沢山いらっしゃいますが、カエルを熱湯に入れると、飛び出してくるのですが、水の状態から少しずつ温度を上げて温水か熱湯

になってもわからずに死んでしまう現象です。

 

周囲の環境変化に気づかず、死んでしまう、企業なら倒産です。

コンサルタントの私から言わせて頂ければ、何とか食べていける現状に満足して将来を考えない多くの中小企業の経営者の方は、こんな現象に陥ってはいませんか? 心配です。

 

前述の「茹でガエル」のように実際の現場においては我々が焦るばかりで、当の経営者は「のほほん」としている現象が多く見受けられます。

 

社長は健全な危機感を持っていただき、早い段階で他者の忠告に耳を傾ける意識を持って頂きたいと思います。

 

専門家の諫言に耳を塞ぐのではなく、虚心坦懐の気持ちで受け入れて、その後自分の頭で反芻、必要だと考えたものを吸収し、今後の判断材料とし実行に移す

そんな器量が必要だと考えます。

 

皆さんの会社では、まさかこんな「茹でガエル」状況に陥っていませんか?

 

また皆様のご意見もお待ちしております。

今日もお読み頂きありがとうございました。

また来週もよろしくお願い致します。

 


「後継者社長へ、謀はしていますか?」

2017-06-04 21:32:01 | 日記

社長と同行二人                H29.6.4

「後継者社長へ、謀はしていますか?」

皆様こんにちは、お元気ですか?

いかがお過ごしでしょうか?

 

今日は「後継者社長、謀はしていますか?」

について今週読んだ本から、考えを述べさせていただきます。

 

前にも書きましたが、ゴールデンウイークから後継者社長向けの本を10冊くらい読んでおりますが、多くの本の中で中小企業の社長の役割が書いてあました。

 

それは「謀を仕掛ける」です。

 

「謀」と一言で言えば戦略です。

上場企業、大企業は企画室や戦略事業部などがありますが、中小企業には存在しません。

 

社長自らが「謀」を考え、実行して行くのです。

常に「謀」、勝つための手立てを寝食を忘れるくらいに考え抜き、社員に実行させるのです。

 

私は、顧問先に決算月の2ヶ月前には必ず来期の「謀」を聞きます。

ある会社は、懇談の際には「必ず来期はこのようにやります、そのための実行計画は、しかじかです」と言われます。

こんな会社は毎期毎期成長し続けております。

社長が戦略家なのです。

 

別の会社は、今期の延長線上に来期の予定を組むので私はその社長に来期の「謀」を聞くようにしたところ、初めは「キョトン」とされておりましたが、最近は慣れてきて「来期は社員を成長させるためにこんな研修を行なう」「来期は生産性の向上を図るためにこんな設備を導入する。そのための費用は、このように捻出する」等々

 

大企業のサラリーマン社長と違い、会社の連帯責任者である中小企業の社長は一歩間違えると、全てを失うことになる事を再度自覚して下さい。

社長が会社の実印を押すと言うことは、自分の人生の全てを賭けていると言っても過言ではありません。

それほど実印を押すということは責任が重いことを記して置きます。。

 

社長自身が自社の状況を俯瞰して、計画を立案し社員の先頭に立って難関を切り開く、その背中を見て社員は心を揺さぶられ気持ちが一つになり行動に変化が現れ、それが大きな流れになって会社を変革させる。

 

それが大企業と違う中小企業の姿ではないでしょうか?

私はそう考えます。

 

そんな仕組みを創るのは社長の魂がこもった「謀」なのです。

「謀」なき会社、過去の延長でしか考えられない会社は環境変化に対応できずに

市場から退場しなくてはならない状況に追い込まれる可能性があります。

 

今日もお読み頂きありがとうございました。

また来週もよろしくお願い致します。