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画像をどう保存・保管するか…


 “ビネガーシンドローム”とはネガがこんな状態になります。ここまでは進行しなくても、この状態に近くなったネガは私にもありますが、この程度ならスキャナーに入ります。これからまだ進行して完全に丸まってしまうと、元に戻そうとすねと銀塩がはがれてしまいます。すなわち再生は不能となります。 (編集長敬白から勝手にお借りしてきましたm(__)m )

 先日、何故か青森で30人規模の鉄ちゃんの呑み会がありました。いろいろ鉄ちゃん談議に花を咲かせている中で、一番の先輩よりシロクニ”ゆうづる”撮影の思い出話から”丁寧に保存しておいた40年前のネガは気がつくと丸まって、スキャナーにも引伸機にも入らず、再生不能になってしまった。”と言うお話を伺う事が出来ました。以前から「ビネガーシンドローム」と言うネガのトラブルについての言葉を聞いて興味を持っていましたが、身近なの方から初めて聞くことが出来で大きなショックを受けたしだいです。
 当初、ネガが丸まってしまう「ビネガーシンドローム」と言う現象ははフイルム現像の過程で水洗不足によるもので、モノクロフイルムを自家現像をしていた時代は水洗いを人より気を使い、温度・時間及び念のために水洗い促進剤を通す様にして丁寧に行ったので自分にはまったく関係ないと思っていたのですが、最近になって原因はそうでもないと言うことがわかってきました。その辺の理論はいつもお世話になっているネコパブリッシングの名取レールマガジン編集長のブログ”編集長敬白”でも説かれ、併せて警告が発せられいますのでご一読いただけると理解も速いと思います。
 そしてこのその警告文章を読んだ時、私の大きな勘違いに気づくと共にその深刻な状況に驚かされた次第です。

“ビネガーシンドローム”感染拡大中。
http://rail.hobidas.com/blog/natori/archives/2010/01/post_1190.html

“ビネガーシンドローム”警報発令中!
http://rail.hobidas.com/blog/natori/archives/2008/05/post_786.html


 自宅に保存しているネガはこのように整理しています。窓際ですが常にレースのカーテンで直射日光を遮断しています。また、大敵の暑さにはこの整理棚の上にエアコンがあり、暑さにはまったく太刀打ちできない私が冷房を入れていますので必然的にエアコンの吹出口が真上にあり保存環境はそんなに悪くないと思います。

 さて、青森の呑み会で伺ったお話では40年以上前のネガに発生しコダック製には現象が出ず、日本製の富士フイルムとさくらモノクロフイルムに限って発生しているとの事でした。そこで40年前の日本製のリバーサルフイルムはどうなんですか?と突っ込みをいれたくなるところですが、40年以上前ではリバーサルフイルムはコダックの独占状態でした(もちろん富士フイルムもさくらフイルムもリバーサルフイルムは発売していましたが、よっぽどの変人でもない限り使う人は居ませんでした。ちなみに日本製のリバーサルフイルムを私たちが安心して使える発色。粒状製を兼ね備えたフイルムとして認識したのは90年代に入ってからのことで、つい最近まで私も含めて鉄ちゃんのほとんどがコダック信者でした。)
 なぜ米製が○で、日本製は×なのかと言うと、これは当時日本の技術力が(フイルムの技術に限ったことではなく化学工業製品全般に言えることですが…)米に比べて大きく劣っていた事によるもので、日本の技術力が米を追い抜いた70年代以降の製品では米製が○で、日本製は×と言うのは当てはまらないと思います。したがってこの“ビネガーシンドローム”は60年代のフイルムのみに発生する現象で、今、使用している日本製の全てのフイルムが40年後に同様の現象が出ることは皆無だと言われています。
 とは言うものの自分が死んだらともかく(たぶん自分が死ぬとネガ・ポジ類は粗大ゴミに出されて、自分の残した記録は抹殺されるだろうと思っています。)、生きている間に自分の撮った画像が再生できなくなるのはあまりにも悲しい事実です。
 一方、デジタル画像の保存性といえばそれはまさに今が創明期で仲間内でも”10年後に今の画像が再生出来るか不安”と言う言葉を良く聞きます。



 手元に「日経PC21」10年2月号が手元にあります。この記事を信じればデジタル画像の保存性にも大きな危機感を持っていなくてはならないことがわかります。特にデジタル画像の保存に多用されているDVDによる保存も場合よっては10年後には再生不能に陥ると警告しています。湘南チサ區様はMOによる保存を推奨していますが、この記事によると外付けHDDに保存するのが現行では一番適していると書かれていますが、外付けHDDも何年も通電しないとデーターが壊れるとも言われておりますのでその信憑性には疑いも持ちます。しかし結果は10年後ですので今は自分が納得いく保存方法をとるしかないと思います。ちなみに私は外付けHDDでポータブルタイプのHDDと据置型HDDの2種にダブル保存しています。なお、大変レアなケースだとは思いますが、フラッシュメモリに画像をバックアップなしに保存する場合には、なるべく早く外付けハードディスクに保存するなりの対処が必要とも同記事で書かれています。これはフラッシュメモリが通電回数などで突然劣化を起こし、データの喪失を起こす可能性が大であるからだそうです。
 先日、ヨドバシカメラ横浜店へ行った際にまたもやフイルムカメラ用品の売場が縮小されていたのに愕然としてしまいました。現代のデジタル社会の中でデジタルカメラは必携アイテムになっていることは事実です。私もこのブログのためではありますが撮影の際にはCanon EOS50Dを必ずカメラバックに入れています。しかし、流行だけを見てしまうと大きなツケを支払わなければならない事もあるかもしれません。言い換えると現行のリバーサルフイルムであればず50年の保存は可能と思われますが、デジタル保存ではてった10年で再生不能となるリスクを抱えている事は常に意識していきたいと思います。

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コメント一覧(10/1 コメント投稿終了予定)

DT200A@CF-Y7
チサ區様
ご投稿ありがとうございます。

やはりMOの保存は無理があるのでしょうか?いずれにせよ、2重系、3重系の保存が必要なのがつらいところです。
DT200A@CF-Y7
O-銛様
ご投稿ありがとうございます。

理論的裏づけをしていただきましてありがとうございます。デジタル画像の保存方法にはいろいろ苦労しているみたいですネ!
チサ區
一応、お知らせです。
MOは、経年劣化の予想?みたいのが出来ているだけでして、現在ではその取り回しの悪さもありまして、MOでってのは無理かなと思っています。
 自分はHDDと、DVD-R、BD-REに保存しています。
 なんとなく、書き換えが出来ないものの方がいいように思えたりしますが、記録層の処理が違うので、わざとREも混ぜています。
 
O-苴
前の投稿はO-銛です。どうも勝手に投稿者名が「O-茸」に変換されていまうようです。
O-苴
ビネーガーシンドロームについて
この問題があるのを小生が知ったのは約10年前でした。
原因はフィルムのベース素材であるTAC(トリアセテート)の加水分解によると結論づけられていました。
当時、この研究を行った富士フィルムやコダック等の共同研究報告があったのですが紛失してしまいました。
また、マイクロフィルムで保存していた図書館などでも盛んに議論されていました。
40年前のフィルムのベース素材はTACです。これは国内海外のメーカーを問わずです。マイクロフィルム用向けに、より耐久性のあるとされるPET(ポリエチレンテレフタレートといい、PETボトルやポリエステル繊維と同じものです)が採用されたのは日本では1993年頃からです。それ以外の写真用などは現在でもTACが主流で使われているようです。
よって、現在のフィルムも将来、ビネガーシンドロームが生じる可能性があるのではと思います。
一方、TAC使用のフィルムを同じ環境に40年保存してもメーカーによって劣化に差が生じています。
この差は、TAC内の不純物やTAC合成時に残る残渣等の違いが影響しているのではと小生は推測しています。
現在のフィルムは40年前に比べ同じTACでも純度などの品質が上がってるでしょうから、以前よりは長持ちするとは思いますが、有限の寿命があることには変らないのではと思います。
どの程度寿命が伸びるのか見守って行くしかないです。

デジタルデータの保存方法の例
小生も2台の外付けHDDに保存しています。年1回程度起動しています。一台のHDDに異常を感じた場合、新しいHDDを購入しデータを移しています。この方法では2台が同時に壊れたらアウトですが。
すでに一回移したことがあります(3年間使用後のHDDです)。
現時点では比較的コストパーフォンマンスが良い保存方法かなと思っています。
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