暴君考

2005年04月05日 22時05分30秒 | 巻六 世界史
中国史における未曾有の混乱期である魏晋南北朝。隆盛を誇った唐王朝。
これらの時代を中国史の中世と位置付けて論じた
「大唐帝国~中国の中世」(宮崎市定・中公文庫1988)を最近読み返した。
なかでも魏晋南北朝史は何回読んでも飽きない。
世に知れた三国志はこの時代の導入部にあたるのだが、
「中世史」という括りで三国志世界をみると、
異民族の流入や地方経済の開発など、色々な側面が見えてくる。

とりわけこの時代の魅力は、
各王朝の皇帝に狂気・酒乱・暗愚・殺人鬼が少なからず登場することだ。
そして彼らが必ず王朝の衰亡を早めている。
その生態、かなり滅茶苦茶である。

で、考えた。
後世伝えられる歴史は、
特に古代中世の場合、正史によるところが大きい。
つまり次代の王朝の公式見解に基づく編纂によることも多いわけで、
殊更に前王朝の紊乱を強調していたとしても何の不思議もない、だろう。
そんなひどい天子だったんなら、革命が起きても当然だ、というわけだ。

世に殺人狂のように伝えられている皇帝も、
実は思慮深いまともな人物で(多少のオイタはあったにせよ)、
その聡明さゆえに疎まれ
宮廷内の陰謀や後世の史筆の改竄で
とんでもない暴君に仕立てあげられたなんてこともあったり…
とか勝手に妄想するのもまたよし。
(史料で実証されない限り「妄想」の域を出ないんだが)
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2 コメント

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三国志イイ (ドク才)
2005-04-05 23:21:07
男の心の中には、少なからず暴君願望があるのでは?とおもいます。

願望が大きくなりすぎると捕まります。

強姦・・・(-_-;)

ぼく、三国志好きです。

「龍狼伝(リュウロウデン)」という漫画が面白いでう。

じゃ。
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Unknown (朱厚照)
2005-04-06 21:01:42
今週の「週刊中国悠遊紀行28号」(小学館)に

近い主旨の記事が載ってました。(P30)

そっちを読む前にここを書いたんで

盗作じゃないよ~(笑)
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