「誘惑したいや」(儚き少女たちの夏)

2014年01月07日 00時56分11秒 | 巻二十二 私立恵比寿中学
瑞季、裕乃さん、なっちゃんの転校発表から10日ほど。
嘆き悲しみ動揺しつつも不思議と涙は出なかったのに、
今夜改めてファミえんの誘惑したいやを観返してたら
訳も分からず涙が「ぽろぽろ」出てきた。そう、瑞季が歌っているそのままに。

困ったものだな。
アイドルに対して涙を流す所作というのは
ももクロで卒業したつもりだったんだけど。


いったいぜんたい、
このファミえんの空気感は全く得も言われぬ美しさと輝きがある。

誰だって記憶があるだろう。
子供のころの夏休み、
夕立の後の地面が乾いていくあの匂い。

ファミえんのあの日も
河口湖畔は昼下がりに雨が降った。
まるで少年時代の夏の日を思い出させるような、
温かい、優しい雨だった。

そしてその雨がちょうど上がった午後4時ごろ
ちょっと蒸し暑いその喧騒と高揚感の中で
開場時刻を迎えたのだった。


ああ、可能ならあの日あの時に戻りたい。
あの日、確かに9人はとても輝いていた。まぶしかった。

少女たちの夏は短い。
一瞬の、刹那的なその華やかさは、まさに花火のよう。

ファミえんの終幕が花火とともに訪れたのは
決して偶然ではないだろう。

あの神演出は
儚い少女たちの美しさをまさに具現していたのである。

そして、その現場に最後方で立ち会えたことに
俺はしばらくの間感謝し続けることになるだろう。

あの夏の日の9人は、悲しいかな戻ってこない。
おそらく今年の夏も何らかの形で夏の学芸会が8人(かどうか定かではないが)で行われる。
それはもちろん素晴らしいことで、そこにネガティヴな要素など存在しないのだけれども、
あの9人時代の私立恵比寿中学の夏はもう二度と帰ってこないんだな。


後ろ向きになんかなるものかと思っていたけど
まあ、やっぱりたまにはこんな精神状態にも陥るのだろう。これからも。
それだけに、今回の喪失感は半端ない。


結論。
今この時を楽しもう。目の前の現場を悔いなく楽しもう。
気が付いたらすべては過去にすり抜けていく。
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