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【現代思想とジャーナリスト精神】

2018名護市長選を考え深める六つの章~沖縄県民の民意を反映しない国政~


                     櫻井 智志

(*「JNN-TBS報道特集」(2018/02/03)番組が小生の思考を活性化してくださったことに感謝申し上げます。)




名護市長選の結果は沖縄県の政治と国政にも大きな影響を与える。基地で米軍の事故は相次いでいる。前市議とぐち氏が、稲嶺市長の対立候補として出馬、前回の自民に加えて公明党維新の会が推薦しているとぐち候補は、沖縄の基地問題や辺野古移転から極力避けた選挙運動を進めてきた。菅官房長官、自民党幹事長、続々と政権閣僚や自民党幹部の大物たちが名護市にかけつける。三原順子や小泉進次郎らの人気者も。彼ら国会議員の応援でもゴミ箱など辺野古移転とは離れた応援演説に終始している。




政府から米軍関連の交付金を打ち切られても、稲嶺市長は名護市政の充実にうちこんできた。街頭演説会には、野党の党首や国会議員が相次いで応援。小沢一郎、志位和夫、福島瑞穂、糸数慶子、小池晃・・・壮観だ。とぐち陣営は、稲嶺市政で経済が停滞したと訴え、基地問題は語らずに、市民生活の向上には政府の援助がないと進まないと露骨に安倍政権との癒着を打ち出す。



公明党はとぐち候補支援に転換。人気政治家や自民党閣僚が次々に駆けつけた。しかし、小泉進次郎の応援は「日々の生活論争が大事」と言いつつ、辺野古移転には全く語らない。稲嶺氏は「沖縄のひとをどんな状況でも信じたい」と語った。最終日に二度目の応援にやってきた小泉進次郎は選挙必勝の切り札に使われている。小泉親子のもつ人気の様子の内実を憂える。頭はよくキレルが、進次郎人気はバブルのもの。彼が自ら切り出したものは皆無。他人の言を上手に後から雄弁で利用している。政治家でなく政治タレントだ。その政治タレントが、自民党で安倍晋三総裁をはるかに上回る大衆的人気をもっている。自民党も落ちぶれたものだ。



普天間第二小の体育授業の子どもたちにわずか数十メートルの距離に落下。普天間第2幼稚園、小学校のすぐ近くに米軍基地がある。普天間第二小の避難訓練が続く。教育長は現地にもおもむき対応を進める。保護者は登下校自体に不安を訴える。本来国際的に、軍事基地には、周囲の住民や公的施設と利用者の安全を守るために、「クリアゾーン」が設定されている。普天間飛行場には、米国で適用されるクリアゾーンと異なるクリアゾーンだ。公共施設や住宅地などまで含められている。危険な実態となっている。防衛省は「確たることをつかんでいないので、公言できない」。沖縄の基地負担とどう向かうか。首相は「辺野古への移転が実現すれば危険は格段に除去される」としか言わない、言えない。



志位和夫議員の代表質問中に、松本文明内閣府副大臣は「何人死んだか」とヤジを飛ばし、安倍首相も職務を辞任させた。名護市では「基地に賛成ではないが、生活を豊かに」「なぜ沖縄だけがこんなに基地による困難を負わせ続けられるのか」、住民は暮らしと生命の危機に苦難を負っている。とぐち候補は基地をぼかすことで、自公で圧倒しようとしている。金平キャスターは4年前よりも激烈な闘いと実感、困惑しているのは沖縄県民だけでなく、国民全員と語った。




このような国政は、安倍一強(独裁)政治に由来している。自民党は小選挙区で75%の当選。得票は48%。小選挙区制がもたらしたものを番組は追求する。政界の登竜門と言われる松下政経塾は、激変している。政治家を志望する塾生はへり、政治希望も国政から地方政治に志望変化。小選挙区が原因。1994年の「政治改革4法」で小選挙区に。利益誘導、政治とカネに対して政治改革を求める動き。小選挙区制で行われた選挙は八回。対決型選挙は政治家の質を変えた。中選挙区制下と異なり、現在のような問題状況がうまれた。政治家としてのたくましさは脆弱なものになった。公約は全て政党が用意。党内議論は低調。中選挙区制時代には、ボトルアップ型政治だったものが小選挙区制が始まってから、トップダウン政治に変わってきた。このような政治変化が、沖縄県民の民意を無視した自民党安倍晋三総裁率いる安倍自公政権の継続の元凶なのである。



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