「まだ、もうちょっとバードウオッチング出来る時間があるねぇ。」
真悟は、母さんの携帯のディスプレイを見て呟いた。手放し&わき見運転。そして、ちょっと考えたような顔をして携帯をパチンっと閉じる。
「よし!不安田池(ふあんだいけ)に行こう!さっき見られんかったカモとかおるかもしれん。」
「まだカモの種類増えるんやね・・・。」
『不安田池』とは、藪次郎池よりもかなり大きな池で、バス釣りのスポットだ。そういえば・・・去年の冬、釣りをしていた時も、プカプカと浮かんでいたような。早速僕らは、目的地へ。
不安田池は異様な雰囲気だった。夏の間、水中を埋め尽くすように発達した水草が、水温の低下で腐り、水が緑に濁っている。名前の通り、不安な気持ちになる。そして運の悪い事に、カモは見あたらない。もう夕方だから、何処かに飛んでいったのだろうか。・・・!!僕と真悟はびっくりした!池の遠くばかりを眺めていたからか、存在感のなさが原因かはわからないが、すぐ側の岸にいる生物に今まで気付かなかったのだから。ヒュッっという竿を振る音が、耳に入ってよかった。僕は一応、真悟に確認をとる。
「ゴリラ・・・あれおだちゃんよね?」
「そうだと思います。」
話し声が聞こえたらしく、彼がゆっくり振り返る。あっ!やっぱりおだちゃん。しかし!今日のおだちゃんはここからが違った。
「おぉ!こりゃ!あっくんと真悟やん!!なんっしよん!?・・・あっバードウオッチング!?そりゃそうと俺、バス5匹釣ったっちゃ!」
出た!おだちゃんの、通称『釣りテンション』。釣りの時だけは、まるで別人のように明るくなり、そしてよく喋る。ちなみに、存在感は変わらない。真悟は開いた口がふさがらないようだ。そうか。普段、真悟が一緒に釣りすることはないからな。僕はこりずに、もう一回トライしてみることにした。
「おだちゃんも、今から一緒にバードウオッチングせん?」
「いやええ。」
笑いながら、あっさり断られた。釣りテンションは決断力も上がる。
「やっぱおだちゃんは変わらんね、4年の頃と。」
突然、真悟が寂しげな顔になって言う。あっ!おだちゃんがバードウオッチングに向いてないとか言って、僕の誘いを断った話をしたときの、真悟の表情だ。
「4年の時・・・あぁ!そんな事もあったねぇ。」
「・・・なんの話??」
なんだか、真悟とおだちゃんの中だけで話が進んでいる。一人置いてけぼりをくらってしまった。慌てる僕に、真悟が逆に質問をする。
「そういやあっくんに、俺がなんでバードウオッチングを始めたか・・・話したことなかったっけ?」
僕の質問に対する答えがないのが不満だったが、しょうがないからこっちが答える。
「うん・・・知らんね。」
「せっかくやけ、話したら?」
リールをグルグル巻きながら、おだちゃんがせかす。
「そうやね!話しますか!鳥おらんし!」
話をする決心をした動機が寂しいが、確かに気になる。ていうか、おだちゃんはなんなんだ??なんか、色々と知ってるっぽいし・・・。
小学4年生の夏・・・正確には夏休みの少し前。伊豆背博が開幕し、盛りあがる伊豆背町(いずせまち)。この町に全ての原点があることを、僕はまだ知らなかった・・・。
真悟は、母さんの携帯のディスプレイを見て呟いた。手放し&わき見運転。そして、ちょっと考えたような顔をして携帯をパチンっと閉じる。
「よし!不安田池(ふあんだいけ)に行こう!さっき見られんかったカモとかおるかもしれん。」
「まだカモの種類増えるんやね・・・。」
『不安田池』とは、藪次郎池よりもかなり大きな池で、バス釣りのスポットだ。そういえば・・・去年の冬、釣りをしていた時も、プカプカと浮かんでいたような。早速僕らは、目的地へ。
不安田池は異様な雰囲気だった。夏の間、水中を埋め尽くすように発達した水草が、水温の低下で腐り、水が緑に濁っている。名前の通り、不安な気持ちになる。そして運の悪い事に、カモは見あたらない。もう夕方だから、何処かに飛んでいったのだろうか。・・・!!僕と真悟はびっくりした!池の遠くばかりを眺めていたからか、存在感のなさが原因かはわからないが、すぐ側の岸にいる生物に今まで気付かなかったのだから。ヒュッっという竿を振る音が、耳に入ってよかった。僕は一応、真悟に確認をとる。
「ゴリラ・・・あれおだちゃんよね?」
「そうだと思います。」
話し声が聞こえたらしく、彼がゆっくり振り返る。あっ!やっぱりおだちゃん。しかし!今日のおだちゃんはここからが違った。
「おぉ!こりゃ!あっくんと真悟やん!!なんっしよん!?・・・あっバードウオッチング!?そりゃそうと俺、バス5匹釣ったっちゃ!」
出た!おだちゃんの、通称『釣りテンション』。釣りの時だけは、まるで別人のように明るくなり、そしてよく喋る。ちなみに、存在感は変わらない。真悟は開いた口がふさがらないようだ。そうか。普段、真悟が一緒に釣りすることはないからな。僕はこりずに、もう一回トライしてみることにした。
「おだちゃんも、今から一緒にバードウオッチングせん?」
「いやええ。」
笑いながら、あっさり断られた。釣りテンションは決断力も上がる。
「やっぱおだちゃんは変わらんね、4年の頃と。」
突然、真悟が寂しげな顔になって言う。あっ!おだちゃんがバードウオッチングに向いてないとか言って、僕の誘いを断った話をしたときの、真悟の表情だ。
「4年の時・・・あぁ!そんな事もあったねぇ。」
「・・・なんの話??」
なんだか、真悟とおだちゃんの中だけで話が進んでいる。一人置いてけぼりをくらってしまった。慌てる僕に、真悟が逆に質問をする。
「そういやあっくんに、俺がなんでバードウオッチングを始めたか・・・話したことなかったっけ?」
僕の質問に対する答えがないのが不満だったが、しょうがないからこっちが答える。
「うん・・・知らんね。」
「せっかくやけ、話したら?」
リールをグルグル巻きながら、おだちゃんがせかす。
「そうやね!話しますか!鳥おらんし!」
話をする決心をした動機が寂しいが、確かに気になる。ていうか、おだちゃんはなんなんだ??なんか、色々と知ってるっぽいし・・・。
小学4年生の夏・・・正確には夏休みの少し前。伊豆背博が開幕し、盛りあがる伊豆背町(いずせまち)。この町に全ての原点があることを、僕はまだ知らなかった・・・。
まぁ気ままに書くけ、気ままに読んでね
★次回予告★
真悟とバードウオッチングの出会い・・・
藤村君はしばらく休業
初めて主人公でませんww
任せたぞゴリラ^^
感心っす
なんか毎回おんなじコメントになりそうやけど
次回も期待してまっす