気候変動に配慮したアジア環境先進型流域圏の構築と普及

水・食糧・エネルギーバランスを考慮した理想的な流域圏をめざして

7月インドネシア・パジャジャラン大学訪問

2011-08-08 11:07:56 | エネルギーグループ
2011年7月17日から7月24日にかけて、インドネシアのパジャジャラン大学で、現地の研究者とお会いし、インドネシチタルム川流域における流域管理やバイオエネルギー研究の現状と課題について、議論させていただきました。日本側から参加したのは、沖一雄先生(東大)、東修先生(広大)、そして白川博章(名大)の3名です。今回の調査では、特にパジャジャラン大学のHandarto先生に多くの労をとっていただきました。ここで、改めて、感謝の意を表したいと思います。

今回は、経済的アプローチからバイオエネルギーについて研究されている方、バイオエネルギーの技術開発をされている方、生態系の研究をされている方、森林破壊による土壌流出の影響を研究されている方等、様々な分野の研究者のお話を伺うことができました。研究分野は異なりますが、皆さんの共通した認識としては、以下のようなものでした。
1.貧困が原因で、違法に林地を開墾し、葉物野菜などを栽培する例が後を絶たない。森林が破壊された結果、上流部で土壌流出が起きている。
2.バイオエネルギーの増産は貧困対策の一つになる可能性がある。ただし、現段階ではコスト面の問題もあり、まだ利用は限定的である。
3.研究対象地域であるチタルム川流域では地主は都会で住み、実際に農作業をしているのは小作人である。小作人の生活改善につながるようなプロジェクトが必要である。

また、食糧チームの調査地である、水田も視察しました。その際、現地の技術者の方のお話では、農業の機械化をすると失業者が出てしまうので、農業の機械化は社会問題化する可能性もあるとおっしゃっていたのも印象的でした。

今後の研究の方向性について、非常に貴重な示唆を得た、調査でした。

パジャジャラン大学での研究打ち合わせ

2011-08-04 22:37:39 | 流域プランニンググループ

先日のインドネシア調査で、
流域プランニンググループとエネルギーグループは
共同でパジャジャラン大学(UNPAD)の研究者達と
プロジェクトについて話し合った。
UNPADからは、景観、経済、森林、水文、バイオマス、
数学、物理の専門家達に参加して頂き、大変有意義な会合(3日間)であった。

特に、中流域の農民が収入を増やすため、
上流で環境破壊して葉物野菜を栽培していることが分かった。
我々のプロジェクトとして、
「農民をいかに中流にとどまらせるか」
が重要な研究テーマの一つになりそうである。




2011年7月17日~23日インドネシア調査 有機農法の堆肥

2011-08-02 18:24:41 | モデルグループ
2011年7月17日~23日インドネシア調査 有機農法の堆肥


調査で有機栽培米を栽培している農家に行ったのですが,そこの堆肥作りは非常にシステマテックでした.家畜糞に有機残渣や青刈り草葉をチッパーでチップ化したものを混ぜて作るのですが,その際に自分で培養した微生物培養液(MOL: Micro-Organism Liquid)を加えて,醗酵を促進させ,2,3週間で堆肥化させるそうです.また,数十種の植物培養液を使い分け,有機微生物農薬(?)として用いるそうです.写真の中のMINDIは日本語でセンダン,SEREHはレモングラスのようです.EM菌の流れかとも思ったのですが,どうなのでしょうか?