11/10(木)、紹介が前後するが、群馬県前橋市の「前橋こども公園」にD51-916号機が保存されている。
屋根付きで保存されている916号機は、1948(昭和23)年~1975(昭和50)年まで北海道の各機関区で活躍していた。コの字手すり、切り詰め除煙板、密閉型キャブが特徴的である。筆者が目視で確認した限り、錆びは少なかった。
D51-916号機説明版。SLの仕組みと走行方法が掲載されていた。916号機の経歴は画像右上の通り。32年活躍し、そのうちの半世紀以上は北海道の各機関区で旅客や貨物輸送で活躍した(画像をタップすると拡大できます)。
側面のナンバープレートは公式側、非公式側ともに残存していた。対して、日本車輌製造銘板と換算銘板(空9.0/積12.5)は公式側、非公式側ともになくなっていた。実際、銘板類が取り付けてあったと思われるネジやその跡が確認できる。プレート横のネジはタブレットキャッチャーが設置されていた箇所と思われる。
D51-916号機動輪。直射日光の当たる場所は塗装の退色や雨風、雪による老朽化が見られるが、916号機はそれが少ない状態であった。刻印を確認するも殆どの箇所で「D51916」と打たれていた。ただ1つを除いて。
それは、右心向棒(画像中央に1直線に伸びた棒。車軸が横の方向にずれないように車軸と台枠に配置したリンクロッド。ぜんざいはトラックやバスに採用が多い。)である。
拡大すると重ね数字で分かりにくいが「Ⅾ51293」と確認できた。293号機は、調べるとギースル式煙突を装備した特徴あるD51型であった(形態は349号機とほぼ同じ)。
デンター(炭水車)。前照灯がデンター上に装着されているのが北海道型の特徴。
登場が1943(昭和18)年12月なので、上記ドームは先述の917号と異なり、かまぼこ型なのが特徴。
ここは、プラットホームを模した設備がある。ベンチもあって駅のようなスタイル。
駅名は「子供公園」。実在したらおもしろい。
キャブ(電車でいう乗務員室)は密閉型。立ち入ることもできるが、運転席は破損・盗難防止や安全面の観点(アスベストなど)からアクリル板で保護され、立入禁止となっていた。
上記3枚はアクリル板の隙間から運転席を撮影したもの。盗難・破損なく残っていた。
916号機を真正面から。訪問が14時なので、画像のような逆行となってしまった。
廃車から47年が経過したD51-916号機。同機とは縁もゆかりもない前橋市に保存された今、前橋市のシンボルとして第2の車生を送っている。
撮影日→2022(R4).11.10(木)
場所→群馬県前橋市西片貝町「前橋こども公園」
アクセス
1.JR両毛線前橋駅から徒歩17~18分
2.上毛電鉄城東駅から徒歩1~2分
3.マイバス東循環線児童文化センター下車すぐ。