雑木囃子

突っ立ってても見えないんだぜ

雨上がりのヤギは、周囲の濡色のなか、白トビする。


ほら。

かわいいな。けなげだな。
ほんと、俺より早く死なないでくれよな。

ちょっとした自然の様子。
ちっぽけな自然に見える。

でもほら。
目線を変えればジャングルなんだぜ。

大自然なんて無い。
立ちつくしてて目に飛び込んでくれるのに期待してないで、体を折り曲げ首を傾げて目に入れるなら大自然どころか宇宙までみえる。
目が見えない方も、近づき触れれば宇宙を触れる。
見て取れる大自然なんて大したことない。
こんなことを何十年も言ってるわけだ。

こういう当然すぎることを言うのもまた、嫌われる元になる。
大自然でキャーンプ!
みたいなプロモーションにはまるで意味がないと言ってるのと同じだからな。
実際私たちはそんなこと言ったことも書いたこともない。
突っ立ってキャンプやるようなことしないからな。

突っ立っているだけで儲かることに期待するやつは、腰を折ったり頭を下げるのは金主にだけなんだろうな。

そんなつまらないこと
俺はやりかねなくもないわけない。
人々どころか野菜にまで平身低頭ですよ。
もうはいつくばりですよ。
はいつくばれば、ミミズのテラテラしたヌメヌメ色も、オーロラだなーってほんとに思えるから、やってみて。

あ、やっぱいや?
そりゃそうだよね。
ね、嫌われそうなことばっかでしょ俺。


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