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ダイスフルデイズ

がじらのテーブルトークRPGな日々

インセインシナリオ「旧校舎の怪談」

2014年08月26日 | TRPGシナリオ
インセインシナリオ「旧校舎の怪談」ver.1.2

●更新履歴
・ver.1.0 完成。
・ver.1.1 「今回予告」を追加。【「白いもやのようなもの」を倒す】をクライマックスフェイズの儀式に追加。エネミーの調整。一部記述の追加と明確化。
・ver.1.2 プレイヤー人数に「3人」を追加。「少人数プレイ時の調整」を追加。一部記述の追加と明確化。ブログで公開。


●今回予告
……ねえ、旧校舎で肝試し、しない?
え、旧校舎知らないの?あの体育館の裏にある、今は使われてない古い校舎だよ。
あそこ、出るってウワサなんだよね。……ユウレイ。
大丈夫大丈夫!今日は満月だし、明るいから全然怖くないって。
立ち入り禁止じゃないのかって?え~っと……カギはかかってなかったよ?
まあ~夜中の0時までに帰ってくれば先生にもバレないって。
みんなで行けば怖くない!というわけで他のみんなにも声かけてくるね。
じゃあ、今夜8時に懐中電灯持って、旧校舎の前に集合ということで。


●シナリオスペック
・シナリオ名:「旧校舎の怪談」
・シナリオタイプ:協力型
・セッティング:本当は怖い現代日本
・狂気:通常の【狂気】と「本当は怖い現代日本」用の【狂気】を混ぜて、20枚ランダムに選ぶ
・使用シーン表:深夜の旧校舎表(オリジナル)
・リミット:4(深夜0時終了)
・プレイヤー人数:3~5人
・初期公開ハンドアウト:PC①~⑤のみ
・プライズ:(全て初期非公開)「霊験あらたかな札」「バールのようなもの」「骨壷」「オカルト研究会活動日誌①」「オカルト研究会活動日誌②」「オカルト研究会活動日誌③」


●背景
このシナリオは「旧校舎」を舞台にした肝試し……と見せかけて、PC③の復讐劇……と見せかけて、「旧校舎」に潜む怪異との対決、をめざしています。……実際にそうなるかは展開次第ですが。PC達は「旧校舎」で自殺した(させられた)生徒たちの幽霊(残留思念)におびえながら、オカルト研究会が残した謎を解き「旧校舎」の「呪い」を封印するために奮闘します。このシナリオはハンドアウトが多いため、PC達は迷うかもしれませんが、実はハンドアウト「旧校舎の怪談」の【秘密】書かれた「七不思議」がシナリオクリアに必要な訪れるべき場所を示しています。GMは「旧校舎の怪談」をPC達に適宜意識させると良いかもしれません。


●少人数プレイ時の調整
・プレイヤー人数が4人の場合、PC⑤をゲストNPCとします。GMはPC⑤用のキャラクターをプレイヤーと同じように作成してください。
・プレイヤー人数が3人の場合、PC⑤をゲストNPCとし、PC④をはずします。使用する【狂気】の数を16枚にします。ハンドアウト「旧校舎の怪談」を【秘密】も含めて導入フェイズに公開します。「理科室」でのゾーキングの結果得られるハンドアウト「理科準備室」をはずし、直接プライズ「オカルト研究会活動日誌③」を獲得できるとします。エネミー「白いもやのようなもの」の生命力を9に変更します。クライマックスフェイズの儀式の手順4をなくします。


●このシナリオ独自の仕様&補足
・このシナリオではプライズの【秘密】はその所持者が自由に見ることができます。ただし新たに手に入れたプライズについては、初めて見た時点で情報共有が発生します。
・一度でもPCの誰かが【秘密】を見たハンドアウト[場所]やGMによって描写された場所(玄関、廊下、階段など)については、その後に自由にゾーキングで訪れて探索することができるとします。ただし、ハンドアウト[場所]の【秘密】に関わるものは「調査判定」でしかわからない(発生しない)とします。
・一度でもPCの誰かが【秘密】を見たハンドアウト[場所]に書かれた場所の情景などは、その【秘密】を得ていないPCがいたとしても、PCもGMも自由に描写し、演出できます。ただし、「ショック」や「恐怖判定」に関わる描写(例:首吊り死体など)を伝えた場合、それを聞いた【秘密】を得ていないPCはそのハンドアウト[場所]の【秘密】を得たと判断され、「ショック」や「恐怖判定」の対象となりえます(逆に言えばそういった恐怖の対象を描写しなければ、その【秘密】は得ていないと判断します)。
・PCにはゾーキングの多用を推奨してください。ゾーキングしないと公開されないハンドアウトがあります。
・なお、ゾーキングで「旧校舎」の外に出ようとした場合(玄関でも窓からでも)マスターシーンCが挿入されます。
・万が一、メインフェイズの途中で「死亡」者が出た場合、エンディングの「ノーマルエンド」の演出をしてください。その時点でシナリオ終了です。


●導入フェイズ

ある夏の夜。高校生であるPC達は部活(同好会)の合宿で学校に泊まっていました。(PC達に部活or同好会の設定を自由に決めてもらってください。ただし、「オカルト研究会」だけは不許可にしてください)午後8時、ご飯も食べ終わり、退屈してきたPC達は、PC①の提案で、「旧校舎」に肝試しに行くことになります。様々な怖い噂に事欠かない、学校の「旧校舎」。PC達は恐る恐る、その中に入っていくことになります。
PC達に以下を描写してください。

「あなたたちは、旧校舎の扉を開いた。中からひんやりとした空気が流れてくる。……そこは玄関のようである。ぼろぼろになった下駄箱が並んでおり、また倒れているものもある。奥の方はよく見えない。電気はつかないようで、頼りは手に持った懐中電灯の灯りだけである。あなたたちは、その頼りない灯りを掲げ、奥へと進む……」

各PCにひと通り演出(というかリアクション)を促したら、シーンは終了です。
シーン終了時にハンドアウト「旧校舎の怪談」「旧校舎一階」が公開されます。


●シーン表「深夜の旧校舎表」

2:階段を登っていると違和感を感じる。一段多い……? もう一度、数えたら普段通りの段数だったが……。
3:暗い廊下の先から、何かが転がってくる。……ただのボールのようだ。しかし、一体誰が投げたのだろう……?
4:ぴちょん。ぴちょん。ぴちょん。どこからか、水滴が落ちるような音が聞こえてくる。
5:窓ガラスの前を通り過ぎたとき、不気味な何かが映り込む。目の錯覚か……?
6:背後から不気味な物音が近付いてくるような……。一体何だろう……?
7:誰だろう? ずっと視線を感じる。振り向いて見ても、そこにあるのは、いつも通りの光景なのだが……。
8:床がぎしっ、と音を立てた。……びっくりした。床が落ちたりしないよね……?
9:急に睡魔が襲ってきた。ぼんやりとしていると、視線のすみに何か影が見えたような気がする……。
10:遠くから甲高い声が聞こえる……。猫?子どもの泣き声?それとも……?
11:突如、携帯電話の音が鳴り響く。一体、誰からだろう?……あれ?そういえばここって圏外だったんじゃ……。
12:突然、教室のスピーカーから、ノイズが流れる。放送室には誰もいないはずなのに……。


●ハンドアウト

PC①:あなたはこの学校の生徒である。あなたの所属する部活(同好会)はこの夏、学校に泊まって合宿をしていた。夜の学校……といえば肝試しだよね!あなたは怖いものが大好きであり、みんなで「旧校舎」へ肝試しに行くことを提案した。あなたの【使命】は「みんなで肝試しを楽しむ」である。/秘密(ショック:なし):あなたは「旧校舎」に1年前にも来たことがある……気がする。その時、誰かが一緒だったはずだが、なぜか覚えていない。あなたの【本当の使命】は「1年前の記憶を思い出す」である。

PC②:あなたはこの学校の生徒であり、先輩であるPC①と同じ部活(同好会)に所属している。あなたはとても怖がりであり、PC①の提案した肝試しに反対したが、押し切られてしまった。しかし、一人で残るほうが怖いので、結局あなたもついて行く事にした。あなたの【使命】は「肝試しを無事に終えること」である。/秘密(ショック:全員):あなたにはこの学校に通っていた従兄がいた。しかし、彼は2年前にこの「旧校舎」で自殺をしてしまった。……問題はこの学校の人がそのことを誰もはっきりとは覚えていないことだ。それどころか記録すら残っていないのである!……この「旧校舎」には何かがある気がしてならない。あなたの【本当の使命】は「仲間たちを守って全員無事に帰る」である。

PC③:あなたはこの学校に先月転校してきたばかりである。せっかくこの部活(同好会)に入ったが、まだみんなとあまり親しくできていない。そんな時、PC①が提案した肝試しは、まさに渡りに船だった。あなたの【使命】は「肝試しを通じてみんなと仲良くなる」である。/秘密(ショック:全員):あなたは1年前にこの「旧校舎」で自殺した「藤原葉月」と幼なじみだった。違う学校に通っていたが、大好きだった彼女の死を知ったあなたは、激情のままにこの学校に転校し、彼女と同じ部活(同好会)に入った。大きなリボンがチャームポイントで、友達も多かった彼女が自殺なんてするわけない。あなたは彼女の自殺に不審を抱いており、1年前彼女と「旧校舎」に一緒に行った人物から殺されたと思っている。あなたの【本当の使命】は「『藤原葉月』のカタキを討つ」である。この【秘密】を知った他PCは《怒り》で恐怖判定。なお、あなたは他PC全員の【居所】を持つ。

PC④:あなたはこの学校の生徒であり、PC①と同じ部活(同好会)に所属している。今回PC①が提案した肝試しに、あなたは意気揚々と参加を表明した。やっぱり夏の夜といえば肝試しだよね!あなたの【使命】は「みんなで肝試しを楽しむ」である。/秘密(ショック:なし):肝試しといえば、つり橋効果であり、密着であり、そこで生まれるラヴである!この機会を逃す手はなく、あなたは初めて入るこの「旧校舎」でそのための行動をはじめた。あなたの【本当の使命】は「クライマックスフェイズ終了までに誰かと互いに「愛情」か「狂信」か「憧憬」で【感情】を結び、告白をして恋人をつくる」である。

PC⑤:あなたはこの学校の生徒であり、PC①と同じ部活(同好会)に所属している。「旧校舎」には、昔ここで自殺した生徒もいるという噂があり、PC①の提案した肝試しに反対したが、押し切られてしまった。仕方がないので、無事に終わらせるために、あなたは肝試しに付き合うことにした。あなたの【使命】は「肝試しを無事に終えること」である。/秘密(ショック:PC⑤にプラスの【感情】を持っているキャラクター):あなたは重度のオカルトマニアであり、まだ足を踏み入れたことのない「旧校舎」に本当は一人で行って調査がしたかった。大勢で行ったら霊が出てこない気がするので……。あなたは危険な怪異に遭遇した場合を想定して「霊験あらたかな札[プライズ]」を用意している。

藤原葉月[NPC]:あなたはこの学校の生徒であり、PC①とは同級生であった。あなたの【使命】は「大好きな人を守る」である。/秘密(ショック:PC①、③):あなたは1年前にこの「旧校舎」で自殺しており、もう、【使命】を果たすことができない。あなたは死にたかったわけではない。あなたは1年前、この「旧校舎」に肝試しに来たが、仲間とともに閉じ込められた。一人、犠牲にならないと「旧校舎」を脱出できないことがわかったあなたは、大好きだったPC①を守るために、自分が犠牲になることを決意した。PC①や皆は反対したが、これはすべてあなた自身が決めたことである。後悔はしていない。……していないはず、だった。

バールのようなもの[プライズ]:長さ1メートル、重さ2キロの赤黒いものがこびりついたバールのようなもの。指定特技が《殴打》の攻撃アビリティ使用時に「バールのようなものを使う」と宣言し、致命傷を与える(【生命力】を0にする)と、相手を「死亡」させることができる。このプライズは獲得しても「功績点」はもらえない。/秘密(ショック:なし):《拡散情報》これを使用すれば釘などで打ち付けられた板などを、てこの原理で引きはがすことができる。

霊験あらたかな札[プライズ]:PC⑤が知り合いの高僧から譲ってもらったお札。プライズである。/秘密(ショック:なし):怪異や呪いに対し、強力な封印を施すことができるお札。一度きりしか使えない。

骨壷[プライズ]:「教室」の下にある、墓に納められていた骨壷。「旧校舎の呪い」を不完全ながら閉じ込めることができる。このプライズに【秘密】はない。/秘密(ショック:なし):なし。

オカルト研究会活動日誌①[プライズ]:2年前の日付が記されている「オカルト研究会」の活動日誌。現在、この学校には「オカルト研究会」なる部活は存在しない。プライズである。/秘密(ショック:全員):この「旧校舎」には「呪い」がかかっている。実は毎年、夏のこの時期に「旧校舎」で人が死んでいる。しかし、「呪い」の影響で、この学校の関係者はそのことを忘れ、公式記録からも消えてしまっている。夏の「旧校舎」に迷い込んでしまった者は、「呪い」の影響で、誰か一人死なない限り、ここから逃げ出すことができない。《罠》で恐怖判定。
※ゾーニングで、書いた人を調べると「(PC②の苗字)・秋人」と書いてある。他の「活動日誌」を調べたときも同様。

オカルト研究会活動日誌②[プライズ]:「オカルト研究会」の活動日誌2冊目。図書室に落ちていた。プライズである。/秘密(ショック:PC②、③):この「旧校舎」では毎年自殺者がでている。その原因は「旧校舎」の「呪い」であり、「呪い」によって自殺「させられている」のである。また、「旧校舎」に出る幽霊は過去にここで死んだ生徒の残留思念である。オカルト研究会は「理科室」を拠点に「旧校舎」を調べる中で、この「呪い」を封じる方法を見つけた。

オカルト研究会活動日誌③[プライズ]:「オカルト研究会」の活動日誌3冊目。理科準備室に置いてあった。プライズである。/秘密(ショック:なし):「旧校舎」の「呪い」を封じるカギはこの「旧校舎」のどこかに眠る「骨壷」である。「呪い」を封じるには、最も「呪い」が濃い場所で「骨壷」のフタを開け、「呪い」を招きいれてフタをし、強力な封印を施すことが必要である。ただし、「呪い」を取り巻く「白いもの」を取り除かなければ、「呪い」を「骨壷」に封印することができない。

旧校舎の怪談[情報]:この三階建ての「旧校舎」には様々な噂が流れている。/秘密(ショック:なし):《拡散情報》この「旧校舎」には七不思議があると言われている。①教室の下にはお墓があり、時々すすり泣きが聞こえる。②二階の廊下は、誰も居ないのに後ろから足音が聞こえてくる。③誰も居ない美術室で視線を感じることがある。④図書室には悪魔を喚びよせる禁断の書物がある。⑤階段の踊り場にある鏡は、時々死体が映る。⑥理科室の骸骨標本は夜な夜な徘徊する。……なお、七つめの不思議を知ってしまうと、「死界」に引きずり込まれるという。

旧校舎一階[場所]:旧校舎の一階を探索する……。/秘密(ショック:PC③):《拡散情報》真っ暗な廊下を進む。どこか淀んだような空気が漂っており、どこからか水が落ちる音が聞こえてくる。ふと廊下の奥を見れば、大きなリボンをつけた女子生徒が教室へと入って行くのが見えた。ハンドアウト「トイレ」「教室」「旧校舎二階」「旧校舎三階」を公開する。

旧校舎二階[場所]:旧校舎の二階に足を向ける……。/秘密(ショック:シーンに登場している全員):《拡散情報》二階に上がり廊下を奥に進むと、ひたひたと、後ろから足音がする。振り向いても、誰もいない。あなたが走ると、足音も走り、止まると、足音も止まる……。この【秘密】が明らかになったシーンに登場しているキャラクターは《物音》で恐怖判定。ハンドアウト「美術室」「図書室」を公開する。

旧校舎三階[場所]:旧校舎の三階へと上がる……。/秘密(ショック:シーンに登場している全員):《拡散情報》三階へあがる途中、踊り場に大きな鏡があることに気づく。鏡面はぼんやりとあなたの姿を映し出す。…よく見ると、あなたの後ろに生首が転がっている!……しかし、振り返っても何もない。鏡の中にしか見えない。この【秘密】が明らかになったシーンに登場しているキャラクターは《情景》で恐怖判定。ハンドアウト「音楽室」「理科室」を公開する。

トイレ[場所]:旧校舎一階にあるトイレ。中から水が落ちる音が聞こえる……。/秘密(ショック:全員):トイレの中へ入ると、ぴちょんと水滴が顔につく。拭ってみると、それはどす黒い血であった。上を見上げてみると、そこには首をつった女子生徒が黒く長い前髪を垂らして恨めしそうな顔で見下ろしていた!《恨み》で恐怖判定。

教室[場所]:旧校舎一階にある教室。誰かが中に入って行った……?/秘密(ショック:全員):床板が外れかかり、下が見えそうになっている。人影はないが、床に引っ掻いたあとがあり、赤黒いシミがついている。……あそこに落ちているのは血がこびりついた……はがれた人の爪!?《痛み》で恐怖判定。奥には、ノートが落ちているようだ。プライズ「オカルト研究会活動日誌①」を獲得できる。
※ゾーキングで床の下をのぞくと「墓」が見える。なお、「オカルト研究会活動日誌③」の【秘密】が公開された後、再度「教室」を調べるとマスターシーンBへ。また、「バールのようなもの」を使って床板を剥ぐことで「墓」が現れ、中に入るとプライズ「骨壷」が獲得できる。

図書室[場所]:旧校舎二階にある図書室。本は残っているのだろうか……。/秘密(ショック:なし):本はまったく残っておらず、空の本棚だけがずらりと並んでいる。……あれ、あんな所にノートが落ちている。プライズ「オカルト研究会活動日誌②」を獲得できる。

美術室[場所]:旧校舎二階にある美術室。絵の具の匂いがする……。/秘密(ショック:なし):《拡散情報》破れたキャンバスや絵の具が散乱している。倒れた彫像がこちらを見ているような気がするが……?壁にはバールのようなものが立てかけてある。プライズ「バールのようなもの」を獲得できる。

音楽室[場所]:旧校舎三階にある音楽室。中からかすかにピアノの音がするようだが……?/秘密(ショック:PC③):《拡散情報》中に入ると、ピアノの音がぴたりと止まった……。ピアノの前には大きなリボンをつけた女子生徒が座っている。
※マスターシーンAへ

理科室[場所]:旧校舎三階にある理科室。かすかに薬品のにおいがする……。/秘密(ショック:全員):中に入ると、薬品のにおいとともに、焼けた生ゴミのような嫌なにおいが漂っている。薬品は見当たらず、壁に板が打ち付けられている。また、割れたビーカーやフラスコなどが散乱している。……あ、あそこに見えるのは人の腕!?近づいてみると、肘から先だけが残り、後は人の形をした黒焦げの何かが……!《焼却》で恐怖判定。
※ゾーキングで「バールのようなもの」を使って壁の板を剥ぐことでハンドアウト「理科準備室」が公開される。また、焦げた死体の腕を調べると、爪がはがれているのが分かる。

理科準備室[場所]:理科室の奥にある準備室。入口が板でふさがれていた。/秘密(ショック:なし):様々な薬品が置いてあるが、容器が倒れたり、割れたりしており、薬品のにおいが強く漂っている……。台の上に一冊のノートが置いてある。プライズ「オカルト研究会活動日誌③」を獲得できる。

●メインフェイズ
このシナリオのマスターシーンは、以下のようなものがあります。

A:「音楽室」の【秘密】が公開されたときに描写。
「……タクナイ」。大きなリボンをつけた女子生徒はポツリとつぶやいた。近づくと、はっきりと「シニタクナイ」と聞こえる。声をかけようとすると、「シニタクナイ!!」と絶叫し、たたきつけるように鍵盤をうちつけた。……そして、次の瞬間にはその姿は消え、代わりに鍵盤の上には生徒手帳が残っていた。登場キャラクターは《哀しみ》で恐怖判定。ハンドアウト「藤原葉月」を公開する。

B:「オカルト研究会活動日誌3」の【秘密】が公開され、かつ「教室」に移動したときに描写。
「教室」にはメガネの男子生徒がいた。「ああ、くそ!ここにあることは分かっているのに!」そう言いながら床板を素手ではがそうとしている。「があっ!」叫び声をあげた。見ると爪がはがれ、指から血が出ている。「くそ!時間がないんだ。このままじゃ、僕は、僕はっ……!」そう言って、彼は立ち上がり、「教室」を出て行く。その姿は半透明で、PCたちの身体をすり抜けていった。

C:「旧校舎」の外に出ようとした場合に描写。
「もういやだ!」PC達は「旧校舎」の外に出ようとした。しかし、足は空を切る。「危ないっ!」……間一髪、後ろから腕を引かれ、校舎のなかへ転がり込んだ。外は、真っ暗で、なにもなかった。……地面すらなかった。《暗黒》で恐怖判定。


●クライマックスフェイズ

GMは以下を描写してください。
「深夜0時。突如、チャイムが鳴り響く。それと同時に、階段を上へのぼるたくさんの足音が聞こえる。人の姿は見えないが……。
足音を追って階段をのぼると、足音は三階より上にさらにのぼっていく。追いかけてのぼると、そこには屋上ではなく、四階があった!?
PC達がその「四階」にたどり着くと、突然どこまでも真っ暗な空間が広がる。懐中電灯で照らしても、階段もみえない(地面はある)。
空間は黒いドロドロした気配が満ちており、ここが最も「呪い」が濃い場所のようである。また、白いもやのようなものが漂っている。
その白いもやのようなものをみていると、PC達がこれまで遭遇してきた恐怖のシーンがみえてくる気がする……。全員《混沌》で恐怖判定。
白いもやのようなものと「呪い」である黒いドロドロした気配がPC達を取り囲む。
その存在を脅かす敵を倒すために。また、その魂を糧として取り込むために。それらの怪異は、PC達に襲いかかってきた!」

・エネミーのプロットは全てランダム。また、エネミーのデータは公開する。
・クライマックスフェイズ中は全てのプライズを自由に受け渡しできる。
・クライマックスフェイズの終了条件は、①儀式をすべて成功させる。もしくは②一人以上のPCが「死亡」する。
・なお、PCたちが「4階」に上らなかった場合、徐々に上(天井)から黒いドロドロした気配が降りてきて、結局戦闘になる。


●エンディング

グッドエンド(儀式を最後の段階まで成功させた):
クライマックスフェイズで儀式に成功すると、地鳴りとともに暗闇が崩壊する。……PCたちは気が付くと、一階の教室にいる。窓を見ると、綺麗な満月がみえる。PC①は去年の記憶を取り戻す。「骨壷」をこの教室の下にある墓に戻す(もしくはPC⑤の知り合いの高僧に預ける)、また「藤原葉月」の墓参りなど、PCの希望するシーンを演出したら終了である。GOOD END!

ノーマルエンド(一人以上のPCが「死亡」した):
一人以上のPCが「死亡」すると、その瞬間、PC達の視界が真っ白になる……。気が付くと(「死亡」していない)PC達は「旧校舎」の前に倒れている。何が起こったのか、なぜここに倒れているのかはさっぱり覚えていない。怖い目にあった気はするのだが……。数日後、「旧校舎」で「死亡」したPCの遺体が発見される。警察は自殺だと断定。緊急職員会議が開かれ、「旧校舎」の取り壊しが決められる。そして夏休み後に全校集会が開かれる。……しかし、数ヶ月経つと、そのことは忘れられ、「旧校舎」の取り壊しもなぜか中止されるだろう。そして、来年の夏、また新たなるいけにえを、「旧校舎」の「呪い」は待ちわびるのだ。NORMAL END.


●エネミー

・白いもやのようなもの[怪異]脅威度:4 生命力:13 好奇心:暴力
 特技:《焼却》《破壊》《物陰》《混沌》
 アビリティ:
 【基本攻撃】 攻撃  《焼却》
 【大暴れ】  攻撃  《破壊》 1D6人のキャラクターを目標に選ぶ。目標は個別に回避判定。失敗した目標に1D6-2点ダメージ(最低0)
 【危険感知】 サポート《物陰》 バッティングダメージ無効。


・旧校舎の呪い[怪異/現象]脅威度:9 生命力:94 好奇心:怪異
 特技:《緊縛》《愛》《情景》《分解》《考古学》《死》 
 アビリティ:
 【基本攻撃】 攻撃  《緊縛》
 【危険感知】 サポート《情景》 バッティングダメージ無効。
 【白濁再生】 サポート《考古学》 エネミー「白いもやのようなもの」が脱落した次のラウンド終了直前に使用できる。「白いもやのようなもの」を復活させる(「速度」は再度ランダムに決める。バッティングは発生しない)。
 【自傷行為】 サポート《愛》  支援行動。このエネミーより「速度」が遅い目標を一体選ぶ。目標は《愛》で判定を行う。失敗すると、目標は即座に【基本攻撃】を自らを目標にして使用し(回避判定はできない)、成功するとダメージを受ける(ブロック可能)。なお、攻撃の成否に関わらず、目標は行動済みになる。
 【自殺衝動】 サポート《死》  誰かが脱落したときに使用できる。そのキャラクターは《死》で判定を行う。失敗すると、そのキャラクターは「死亡」する。

●儀式の手順

 儀式名:旧校舎の呪いを封印
 段階:手順の名前:指定特技:参加条件:ペナルティ
 1:「白いもやのようなもの」を倒す:誰でも:なし
 2:「骨壷」のフタを開ける:《手触り》:誰でも:なし
 3:「呪い」を「骨壷」に招きいれる:《魔術》:誰でも:正気度-1
 4:「骨壷」をしっかり支える:《我慢》:誰でも:顕在化した狂気分判定にペナルティ
 5:「骨壷」のフタを閉める:《埋葬》:誰でも:狂気+1
 6:「骨壷」にお札を貼る:《死》:誰でも:なし
 ※なお、「白いもやのようなもの」が儀式途中で復活した場合、儀式は「中断」となる。倒すと再び、再開できる(終了した段階は省略できる)。


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