先日福島県の甲状腺一次検査の結果が報じられました。
朝日新聞が「福島で44%もの甲状腺異常ガ―」という見出しで騒いで、
たくさんの人が福島が大変なことになってるような印象を受けてるようですが、
甲状腺というものはちいさいしこりくらいは健康な人でも普通にあるし、
ほとんどが良性でほっといても成長とともに自然に治るもの。
また、放射能被曝の影響は出るとしても4年後以降。
従って、このデータで「福島が44%も異常見つかって大変」という話ではありません。
比較データとして、
神戸の検査結果(102人)
http://rokko-news.sblo.jp/article/60226247.html
(ろっこう医療生活協同組合 '12 11/22)
及び、2000年の長崎のもの(250人)
と併せてまとめてみました。
- 判定の意味 -
[A1] 結節や嚢胞を認めなかったもの
[A2] 5.0mm以下の結節や20mm以下の嚢胞を認めたもの
(注:以前は5mm以下は全て異常なしのA判定)
[B] 5.1mm以上の結節や20.1mm以上の嚢胞を認めたもの
・・・緊急性はないが要再検査
[C] 甲状腺の状態から判断して直ちに再検査の必要あり
・・・甲状腺がんの疑い
左から[A1][A2][B][C]
- 福島 '12年度(約10万人) -
56.3% - 43.1% - 0.50% - 0.00%(約10万人中一人)
- 神戸 '12年度(102人) -
32.3% - 66.7% - 0.98% - 0.98%
- 長崎 2000年度 (250人) -
99.2%(A2以下) - 0.8% - 0%
(注) 長崎のデータ、
「甲状腺全体の腫大のみ=4人、
5mm 以上の結節=0人、
癌=0人、
のう胞様変性と単発の甲状腺のう胞=2人」
↓
「5mm以下の結節なし」をA、
のう胞ありの2人をB、
癌=0なのでCを0とみなした割合とします。
(厳密には20mm以下のう胞ありならA2判定ですが)
※分母の桁が圧倒的に違うので、割合の数値は参考程度に。
この結果から言えることは、福島の甲状腺の結果は、他県と比較して特別な有意差はない。
→現状放射能被曝の影響は見受けられない(事故後2年未満なので当然だけど。)
A2以下程度は珍しいものではないし、実質「異常」とは扱われない。
なので、4割も異常ガ―などとびっくりしないでね。
「原発事故の放射能の影響でどのくらい甲状腺の疾患が出るのか」
という話は、次の項で見解をまとめようと思います。
「有意はない」ではなく「有意差はない」ですね。^^
訂正しました。
(日本語ムズカシイネ;;)