Digital Forum of Amateur Radio (DFAR)

DFARのニュースです。

出張のおともに

2005-12-28 06:04:43 | DFAR
手元にD-STAR ハンディ機があります。最近のハンディ機のわりには
多少大きくてずっしりしているのですが、それでもハンディ機、
ひさびさに出張カバンのなかに入れて大阪まできました。

翌朝は、なんばから電車に乗る予定なので、日本橋近くに投宿。遅め
の時間帯ですが生駒山レピータに向けてCQを出しました。・・・もう
20年近く前にお会いした方から応答をいただき、しばし懐かしい話し
をしました。こう言っては何ですが、意外な方と意外なところで会え
るなんて、これもアマチュア無線ならではのことですね。

ただ、交信が途中で途切れるのには閉口しました。なんでも、アップ
ロード周波数付近でアナログ局が出ているようで、こうなると混信に
弱いデジタルを露呈してしまいます。

私はいつも東京・新川のレピータ、たまに東京・浜町のレピータを
使っています。どちらも、市街地の真ん中にあるビル屋上のレピータ。
それに比べ生駒山は地上高について比べものにならないくらいの条件
です。関東は山が遠いところにありますが、全国の状況からみると
これは関東だけの状況でしょう。生駒山の現象は、これからのレピー
タ設置の問題を示唆しているようです。

さて、出張にハンディ機、最近は滅多に持って出ることは無くなった
のですが、D-STARネットワークを使うことで手軽に遠くの局とも交信
が可能です。出張の楽しみが出来てきました。

パリダカ

2005-12-18 23:29:38 | DFAR
風邪をひいて寝込んでしまいました。まだ声がおかしい。

さて、今年の夏にPDR (Paris Dakar Rescue)というNPO法人を雑誌社に
勤める友人から紹介されました。

http://www.pd-r.jp/

あの過酷なラリー競技、パリ・ダカールラリー(通称パリダカ)に出場され
た方々が主なメンバーで、パリダカ出場までできるほど磨かれたテクニック
と判断力を活かし、被災地での初期捜査活動を目的とする団体です。

被災地との連絡手段としてアマチュア無線の利用を考えておられ、特にデジ
タル通信に可能性を見ておられます。今年のハムフェアD-STARブース
にもメンバーのかたがお越しになられました。以後、検討会やMLなどに参
画させていただき、まずいちど実践してみようと、今年イチバンの寒波が訪
れた本日(12月18日)、実装実験をおこないました。

場所は千葉県手賀沼付近(我孫子市や柏市などにまたがります)、PDRメンバー
のオフロードバイクにD-STARリグを仮設して走ってもらいました。

今回の実験はオフロードバイクにアマチュア無線機を装備したときの問題点
の抽出や運用上の問題の把握、またD-STARとしてはDVモードに
備わる低速データ伝送機能を活かし、GPSデータを音声と同時に送って
ライダーの位置情報を刻々と本部に伝える機能を試みることでした。

結果としては、GPS位置情報の伝達が不成功。原因は未だ判りません。
事前に私の手元で動作確認をしていたにもかかわらず、データ伝送そのもの
ができませんでした。

他のテーマについては、今後の検討課題を多く出すことができました。
実際には、どんな情報伝達の必要があるのか、それに携わるメンバーの
スキルと経験はどのくらいなのか、どのような機能と仕組みを必要と
するのか・・実際にやってみないと判らないことだらけです。私として
は、新しい挑戦分野が出来た気持ちです。

それにしても朝の集合に30分遅れ、GPSデータ伝送が出来ないため2時間
以上も寒風吹くなか多くのひとを待たせ、ようやく開始したら1台のハンディ
機はバッテリ切れ・・これでは災害発生時に何の役にたたず、却って厄介
を招くばかりの私の姿勢がいちばんいけません。本日のおおいなる反省点。

ところでパリダカは間もなく。今日の参加メンバーには、出場のため
来週に渡航予定のかたもおられました。健闘と無事を祈るばかりです。今日
の実験で風邪ひかなければいいのだが。


余談
パリダカ参戦のハナシ、聞けば聞くほど興味深い。

  速いヤツは偉い。遅いヤツはミジメ。主催者の情報すら貰えない。
  参加するだけでスター。だけど途中リタイヤは過酷な現実。
  正に生死さまよう日々。一瞬先は地獄かも。
  だからエントリーを後悔することもある。
  でも帰国すると、また出たくなる。

そんなラリーだそうです。人間的に深い競技ですね。

ある日のQSO

2005-12-06 17:06:02 | DFAR
この blog を主宰しているDFARの事務局をされている 7J3AOZ 白原さんは、
早くからD-STARに興味をお持ちになってリグも入手されていました。先日、
大阪・生駒山430MHzレピータを使ってDVモードでQSOされ、次に生駒山レ
ピータを経由して他エリアレピータから声を出されることになりました。

日曜日の昼すぎ、私は東京・新川1200MHzレピータでワッチ(迎撃?)をして
いました。白原さんのCQが聞こえてきたので早速応答。しかし一回目の
応答は失敗。原因は私が相手局コールサインの設定を間違えたから。

数分後、ふたたび白原さんのCQに応答して、めでたくQSO成立。白原さんは
兵庫県伊丹市、私は千葉県市川市。新幹線や飛行機を使えば数時間の距離
ですが、それでも遠距離に変わりありません。でもガツンと響く音はデジ
タル独特で、音に距離感を感じさせません。

ところで白原さん曰く、このように他のレピータに届くようになるまで、
設定がややこしかたっとのこと。たしかに他エリアのレピータからCQ
出そうとすると以下の三つの設定が必要です。

   相手局のコールサイン この場合はCQ出したいレピータのコール
   自局がアクセスできるレピータのコールサイン
   インターネットに接続されたレピータのコールサイン

正確には、上記の通りではないのですが、ともかく三つの設定が必須です
(手抜きで設定できる方法もあるんですが、リグによっては手抜きできな
い)。

 D-STARは周波数の利用効率を維持しつつ多段レピータ中継を実現
させるため、また設定の自由度を確保するために、運用者にこのような
操作を必要としますが、たしかに設定づくめで私も煩雑に思うことが多々
あります。特にモービル運用では!

 白原さんの本職は技術者。その目からみて改善の余地が大いにあると
指摘いただきました。D-STARがなかなか普及してゆかない原因の
ひとつに、実際に運用しようとしている方々の、このような評価がある
のかも知れません。

ところで、いくかつのアマチュア無線のサイトで白原さんが制作された
ものが見つかります。どれもがう~む! とウナらせる見映え! こういった
センスはとてもじゃないけどまねできませんね。いくつかご覧あれ。

http://www.jarl.gr.jp/kanham/
http://www.pws-net.jp/dfar/


CQ誌

2005-12-04 16:57:46 | DFAR
先日、CQ誌担当から連絡。「今後のことでご相談したいのですが・・」。
丁度12月号の原稿を入れたあとだったので、今年で打ち切りのハナシなのか
なぁと思っていました。

担当者に会うと開口一番「記事つくるのにご苦労ではありませんか・・」。
たしかにネタに困った月は一度ならずもあったし、自らの突っ込みが不足
したまま原稿を作った月もありました。

唯一のアマチュア無線雑誌としてのCQ誌、専門誌の使命としてJARLが
推進しているD-STARを定期的にとりあげてきました。しかしCQ誌も
商業誌です。読者にとって魅力が薄い内容は避けねばなりません。

思えばCQ誌に自分のコーナーをもたせていただいたのが、およそ6年前。
JARL関西地方本部で作ったKDCFという組織(jarl.com のメール
転送などを始めた組織)の座長役を仰せつかってからのおつきあい、途中
半年くらいは止めていましたが、D-STARの普及役になった頃から
D-STAR専門のコーナーを持つようになって2年近くになります。
ずっとD-STARの動きを記事にしてきたのですが、動きが無いときなど
は、たしかに苦労しなかったと言えばウソになります。

商業誌としての編集側の事情、打ち切りとなったら自分の場を失うという感慨、
専用コーナーを閉じたあとの関係者の方々の思い、しかし続行となると、
これから読者の方々に有用な情報や楽しさを伝え続けられるかという不安、
そんなさまざまな思いが募りましたが、編集部の意向に従うという私の姿勢
をお伝えしました。

私としては記事を書くにあたって反省する点はいくつかあります。情報の
発信側ばかりにこだわっていて、デジタル通信という新しい技術を迎える
問題点や課題について何も提示していない。ありていに言えば優等生に
なりきろうとしていたのでしょう。

2006年も続行させていただけるなら、この点を変えてゆきましょうとお話を
しました。

しばらくして編集担当から続行の知らせが。早速、2006年1月号は毛色を
変えて読者の方々に問題提起をする内容にしました。ぜひぜひ、読んでいた
だいてご意見が欲しい(Webでアンケートとるんです)です。結果によっ
てはD-STARの道が大きく開けてくるのではないかと期待しています。

TIARA で新鮮体験

2005-12-02 20:32:09 | DFAR
TIARA(何の略なのかは、私は不明)という、外国人ハムのクラブがあります。
DX'er の方々には有名なクラブだそうですが、私の不勉強のせいで今年ハムフェ
アでTIARAの会長がD-STARブースにお越しになるまで、そのようなクラブがある
こと、まったく存じませんでした。SRI。ブースでは会長さん、D-STARレピー
タに特にご関心がおありのようでした。

TIARAには日本人のメンバーも大勢居られ、おひとりからミーティングでD-STAR
の紹介をしてくれないか、と頼まれ、二つ返事でお受けしました。去る11月18日、
D-STARデモセット(と、アタシは勝手に名付けている。内容は滋賀県支部でやっ
たのと同じ)とTIARA向けに(東京地区むけに)多少モディファィしたプレゼン
スライドとプロジェクタを積み込み定例ミーティング会場へ。

余談ですが数年間にわたり何度も講演やセミナーなどやっていると、コンテンツ
が溜まってきて新しい方々をお相手にするのも楽になってきました。ただマンネ
リは避けないと。依頼いただいたかたによって拙作のスライドが英訳されました
が、英語になると何と見栄えが良くなることでしょう(話し手が変わらないのが
イケませんが)。

さてさて、ミーティング会場に着くやデモセットのセッティング。DDモードの
Webカメラ伝送とDVモードのハンディ機セットまで、ほぼひとりでするのですが
早くなってきたぞ。慣れとはすごい。
・・・しかしハムのミーティングなのに誰もセットアップにお手伝いを買って
出ません。みなさん遠巻きに見ている。やっぱ、「何かややこしそう・・」と
思っておられるようで。これはいつものことです。

メンバーがひととおり揃い(ハムクラブの夜のミーティングだから、少しずつ
集まってくると思っていたのですが、皆さんほぼ時間どおり!)、プレゼンの
はじまりはじまり。

しかしアタシの怪しげなブロークンイングリッシュは絶対に使えませんので、
TIARA日本人メンバーの方々がうまいタイミングで通訳に入っていただき
ました。全体で10名そこそこなので、スライドが切り替わるたびに質問や
意見が百出!! しまいにメンバーどうしで議論はじめるやら、でもこれが
ミーティングらしいんですよね。

アタシとしては、一発でたスルドイ質問が非常に印象に残りました。

     アプリケーションは、どんなのがあるのだ?

これ、これなんですよー。実は数年考えていても、まだ出てこない。これは
考えるものでは無くて、やっていれば何か出てくるだろうと思っているのが
ホンネなんです。でもねぇ、たしかにご紹介の場では、ハムとして聞いてい
てワクワクするような、もっと端的に言えば「よし、スグ始めてみよう」と
思わせるような遊び方が言いたいんですよ!!


ところで、会場は自由が丘でした。なんでも関東地区では「いちばん住みたい
街」トップクラスに位置するのですが、オシャレな店あり(ただしオッさん同士
では絶対に行けない)アッパーなところあり(これも無縁)、そうかと思えば気軽
に行ける飲み屋もあり、結構楽しそう。実は本業の傍ら短大講師するときは、
この駅で降りてるんです。ただし昼間だから、そのときは若者と奥方様の街、
なのかな。昼下がりのテラスカフェに大型犬をはべらせてゆっくりビール飲む
夫婦の光景は、ここ自由が丘にしか見られない?