ヨハン先生のドイツ語フランス語三昧

ドイツ語、フランス語をはじめて学ぶ人からブラシュ・アプしたいと思っている人まで、楽しく、しっかり身につくブログです

ドイツ語を学びましょう 第6日目綴りと発音、子音1

2012-05-03 11:45:32 | ドイツ語文法学習
第6日目


母音の文字と発音の関係、習得できましたか?

たぶん大学の授業では母音に関してはささっと過ぎて行ってしまうのではないかと、ヨハンは不安です。

母音はほとんど文字通り発音しますから、諸君が習う先生はおそらく特殊なウムラウト記号のついた文字と、ei、eu について説明するくらいじゃないかと思います。

しかし、みなさん

a と ä が日本語の「あ」、「え」と共通しているだけで、ドイツ語で使われる他の母音はわたしたちが発音しているときの唇の形と実際にはまったく違ってるんですよ。

o、u は唇をしっかりすぼめること、
e、i は唇をしっかり横にひっぱってひらぺったくすることをどうかいつも心がけてくださいね。

本日から子音について学びますが、その前に一つ、アルファベートの最後の方に「ユプシロン」っていう奇妙な名称の文字がありましたね。英語で言えば「ワイ」です。文字でいうとこれです → Y、 y
このドイツ語の Y、y はドイツ語にとっての外来語、あるいは人名などに使われるもので、日本語の「や」「ゆ」「よ」に当たる Y、y の役目はしません。
逆にこのドイツ語の Y、y が外来語で使われる場合にはほとんど「母音」として使われるので、ここで説明しておきます。

前回 Ü、ü の発音について習いましたが、この発音を発音記号で見ると短母音のときには[Y]、長母音のときには[y]を使っています。そして、文字 Y、y も母音として使われると Ü、ü と同じ発音をするのです。

サンプルを見てみましょう。

Olympiade 発音→「オリュムピーデ」、意味「オリンピック」
Mysterium 発音→「ミュステーリウム」、意味「神秘」

ü の発音は唇をまるく、「イ」と発音でしたから、これらのサンプルも「オリムピアーデ」、「ミステーリウム」でよさそうなものですが、こう表記するとどうしても唇がひらぺったくなってしまう心配があるので、「リュ」とか「ミュ」と表記しました。
太文字のところがアクセントが置かれる場所です。
ドイツ語は原則語頭にアクセントですから、そうでない単語はドイツ語にとっての外来語か、語頭にアクセントが来ない別の特別の理由があるか、どちらかです。


☆ ☆ ☆

さて、それではいよいよ子音の勉強です。

ここでも英語のアルファベートとずいぶん読み方が違うものが要注意の子音です。
順番に拾っていきましょう。

C「ツェー」、J「ヨット」、V「ファォ」、W「ヴェー」、Z「ツェト」

Yについては先に説明しましたから、残るのはこの5つです。

で、これらの文字は名称が発音でも使われる音をあらわしているのです。

つまり左から[ts]、[j]、[f]、[v]、[ts]の音を出します。

例を見ましょう。

C [ts] → cirka 発音「ツィルカ」、意味「おおよそ」

* ただし、C は英語由来の言葉では [k]として使われます ( たとえば コンピューターはドイツ語でもそのまま Computer という言葉が使われ、発音も「コムピュータァ」となります、アクセントはピューのところに置かれます )

* ドイツ語の単語で[k]の発音に使われるケースとしては ck という組み合わせ文字になり、語の先頭には使われません ( たとえば「分厚い」という単語 dick、発音は「ディク」 )

* ほかの綴りとの組み合わせでは ch が代表的な形となりますが、発音としては独立したルールのもとに扱われますので、あとで説明します。ただし外来語ではch が[k] になったり、[∫](シュ) と発音されたりします。( Christ 発音「クリスト」意味「キリスト教徒」、Chef 発音「シェフ」意味「上司、ボス」)

J [j] → これがドイツ語では「ヤ」行として使われます。 Japan 発音「ヤーパン」、意味「日本」、jung 発音「ユング」、意味「若い」


V [f] → Vater 発音「ファータァ」、意味「父」、vier 発音「フィーァ」、意味「4」

*ただし外来語のときには[v]と発音します ( Virus 発音「ヴィールス」)


W [v] → ドイツ語では W が英語の V の音を出します。下唇を噛んで出す音です。Wagen 発音「ヴァーゲン」、意味「車」、wieder 発音「ヴィーダァ」、意味「ふたたび」


Z [ts] → 音はさっきの C と同じです。C はどちらかというと外来語とか、組み合わせ文字で使うので、[ts]を担当するのはもっぱらこの Z の方です。Zeitung 発音「ツァイトゥング」、意味「新聞」、Ziel 発音「ツィール」、意味「ゴール」


☆ 

それでは今日は今説明してきたこの5つの子音の読み方を練習問題を通してしっかり覚えてください。

練習問題   次の単語を発音しなさい (青色の文字になっているのは発音ルールと異なる外来語です、正解はうしろの解答で確かめてください。ドイツ語の読みの原則と異なることを意識していただくためにあえて混ぜて出題しておきますね )

Vater
Zoo
Volk
Wagen
wieder
voll
Wort
cirka
Zweifel
Vetter
Charme
viel
Zunge
jung
warm
von
ja
Wunder
Welt
zwölf
Juwel
jedenfalls
Vogel
Visum
Charakter
Ziel
Zucker
wunderbar
Cäsium
zwei
vier
Chorus
Jodel
Zeit
Zeitung
zehn
Cäsar
Wärme
Zum Wohl!
Auf Wiedersehen!


それでは、発音と意味です

Vater  発音「ファータァ」、意味「父」
Zoo  発音「ツォー」、意味「動物園」
Volk  発音「フォルク」、意味「国民」
Wagen  発音「ヴァーゲン」、意味「車」
wieder  発音「ヴィーダァ」、意味「ふたたび」
voll  発音「フォル」、意味「いっぱいの」
Wort  発音「ヴォるト」、意味「言葉」
cirka  発音「ツィるカ」、意味「おおよそ」
Zweifel  発音「ツヴァイフェル」、意味「疑問」
Vetter  発音「フェター」、意味「いとこ」
Charme  発音「シャるム」、意味「魅力」( フランス語からの外来語で、最後の綴り e は発音されません )
viel  発音「フィール」、意味「たくさん」
Zunge  発音「ツンゲ」、意味「舌」
jung  発音「ユング」、意味「若い」
warm  発音「ヴァるム」、意味「温かい」
von  発音「フォン」、意味「英語の of 」
ja  発音「ヤー」、意味「英語の yes」
Wunder  発音「ヴンダァ」、意味「驚異」
Welt  発音「ヴェルト」、意味「世界」
zwölf  発音「ツヴェルフ」、意味「12」
Juwel  発音「ユヴェール」、意味「宝石」( アクセントは後ろに置かれます )
jedenfalls  発音「イェーデンファルツ」、意味「いずれにしても」
Vogel  発音「フォーゲル」、意味「鳥」
Visum  発音「ヴィーズム」、意味「ヴィザ」
Charakter  発音「カクタァ」、意味「性格」( アクセントの位置に注意してね )
Ziel  発音「ツィール」、意味「目標」
Zucker  発音「カァ」
wunderbar  発音「ヴンダァバァ」、意味「すばらしい」(  語頭にアクセントだよ~!! )
Cäsium  発音「ツェージウム」、意味「セシウム」(  これも語頭にアクセントだよ~!! )
zwei  発音「ツヴァイ」、意味「2」
vier  発音「フィーア」、意味「4」
Chorus  発音「コース」、意味「コーラス」( 巻き舌!!!! )
Jodel  発音「ヨーデル」、意味はそのまま「ヨーデル」ですね、声よーでてるか?  オヤジの寒いダジャレ(-_-;)
Zeit  発音「ツァイト」、意味「時間」
Zeitung  発音「ツァイトゥング」、意味「新聞」
zehn  発音「ツェーン」、意味「10」
Cäsar  発音「ツェーザァ」、意味「シーザー」
Wärme  発音「ヴェるメ」、意味「温かさ」
Zum Wohl!  発音「ツム・ヴォール」、意味「乾杯!」
Auf Wiedersehen!  発音「アォフ・ヴィーダァゼーエン」、意味「さようなら」



発音をカナ表記するのにはどうしても限界があります。「いとこ」 Vetter、 「砂糖」 Zucker  などはどうしても「フェッター」、「ツッカー」と書きたいところですが、ドイツ語では日本語のように音の高低でアクセントを表すのではなくて、強弱でアクセントを表します。太文字で書いたところを強く発音してみてください。「促音」化しなくても正しく発音できると思います。

◎ ドイツ語の文章は通常、強弱の交代による2拍子でつくられていきます

ところで、 Cäsar の出だしの Cが[ts]になることは、circaと同じなので納得していただけると思いますが、後半が「サァ」でなくて、「ザァ」と濁音になるのはなぜ、と疑問に思ったことと思います。他にも同じサンプルがいくつか出てました。順にみていけば
Visum  発音「ヴィーズム」、Cäsium  発音「ツェージウム」、そして最後の「さようなら」のドイツ語 Auf Wiedersehen! の発音も「アォフ・ヴィーダーゼーエン」です。

○ ドイツ語の文字「s」はうしろに母音をともなうと有声音化して「ザ行」の音になるのです。そうでなければ[s]の音です。

次のサンプルで練習してみてください。

Salz
Sinn
gestern
Sitte
super
Glas
gläsern

では順に発音と意味です。

「ザルツ」(塩)、「ズィン」(意味)、「スタァン」(きのう)、「テ」(習慣)、「ズーパァ」(すごい)、「グラース」(コップ)、「グレーゼルン」(ガラス製の)


鈴木さんはドイツでは Suzuki → 「ズツキ」さん、と呼ばれてしまいます。
有名な日本の時計メイカー Seiko はドイツでは「ザイコ」って呼ばれるんですよ。

ちなみに、ミュージカルで日本人にもなじみが深くなった皇妃エリーザベトは子供の頃「シシー」と呼ばれていました。
いくつか書き方にバリエーションがあったらしいようですが、一番目に触れるのは Sissi という綴りです。

まだこの「シシー」が我が国ではそんなに知られていないころ彼女のことを書いた本の訳者が、エリーザベト自身、Sisi とも綴ることがあったのでこれは正しいドイツ語読みをすると「ジジー」となります。と書いていたのでヨハンはひっくり返りそうになった記憶があります。

ドイツ南部からオーストリアにかけては語の最初にきた S は濁らず発音します。ヨハンが習った南ドイツ出身の先生はよく「あなた」(Sie)を「スィー」と発音されていました。

ただ標準発音としては語頭にきても s + 母音は「ザ行」ですから、間違わないでくださいね。




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