元細胞生物研究者の日記

某病院に勤務する医師です。以前は細胞やマウスを相手に仕事をしていましたが、現在は医療に携わっています。

月田教授の自伝記

2006-02-25 | Weblog
昨年12月に膵臓癌で他界された月田承一郎教授が亡くなる直前に執筆された本が出版されました。
「小さな小さなクローディン発見物語」という本です。さっそく購入して読みました。
タイトジャンクションの研究にブレークスルーをもたらした月田承一郎という研究者の歩みが記されています。
私は月田教授という研究者は順調に成果を上げていった方だと思っていましたが、改めて彼の研究人生を振り返らせてもらうと、やはりいくつかの壁にぶち当たることがあったようです。しかし、月田教授と仲間たちは努力とエレガントな工夫で見事にその壁を打ち破り研究を進展させています。

私は仕事上で壁にぶち当たるとすぐに壁のない方向へ逃げることが多かったように思います。もう30歳をとっくに越えて、何を今更という感じですが、やはり、時には仕事上の障害を打ち破ることの大切さを改めて、月田教授から教えていただいたような気がします。

クローディンの発見という「大きな」足あとをサイエンスの世界に残した月田教授、著書やホームページを通して私に仕事に対する心構えを教えてくれた月田教授に
「ありがとうございました。」
と、改めてお礼を申し上げたいと思います。