11時40分頃だったろうか、ラジオから”安部元首相が演説の途中に倒れる”との速報が流れた。例の持病が悪化したんだろうか?治っている筈なのにおかしいなーと思った直ぐ後で、”銃声がした後で倒れた”との報道が続いた。そして、心肺停止の状態で救急搬送された。搬送途中では意識がなかった。首と胸に背後から散弾銃で2発撃たれたとニュースが流れた。
日本の民主主義に挑戦し続けた男が、元自衛隊の反民主主義者の手によって倒されてしまった。本来ならいくつも嫌疑をかけられていた中の一つでも、検察庁に正義があったなら民主主義の力で彼は護られていた筈だった。あまりに皮肉な結末だ。小説の世界のような出来事である。
人並み以上の努力や弁舌や秀でた才能が何一つない中で、なんと世襲制という封建社会のような政治システムで頂点に上り詰めてしまった。そして、案の定実力が伴わず陥落したのは当然であった。だが、落ちぶれてしまった身に近づき再起させた人物がいた。あらゆる手を使って再度担ぎ上げ、長期政権を作り、その挙句に後釜にまでなった人物が菅前首相である。
天は見過ごすことができなかったのだろう。菅氏も次から次へと不運が舞い降りて、自ら辞職する羽目となってしまった。だが、彼ら二人による日本経済社会の破壊速度は激烈を極め、今や観光サービスでしかやっていけないまでに国が落ちぶれてしまった。その間の世界に誇る官僚機構は、財務省の改ざんや国交省の統計不正や総務省による公共放送への介入など壊滅状態になってしまった。
そして2発の銃弾飛んだ。軍事費倍増や憲法改正や自衛隊の憲法明記などと勇ましく演説を繰り返す中、元自衛隊による銃撃はなんともやりきれない怖さを国民に与えた。参議院選挙は早々と自公維の大躍進が各新聞の一面を飾っている。この銃弾でより戦争へ加速していくのだろうか。若者は必ずや徴兵制によって戦争に駆り立てられるだろう。ウクライナの惨状が我が国に降りかかっているように思えてならない。