徒然なるままに

子供の頃から活字が好き。読んだ本のこととか日々の暮らしの中で感じたことを綴っていきます。

ステッセルのピアノ+-五木寛之+-

2005年11月11日 | 読書
わたしが五木作品を初めて読んだのはいつのことだったろうか?
確か高校生の頃、何気に図書館で手に取った「内灘夫人」のような気がする。

孤独の中で酔いに任せて適当にダイヤルインして会話をする女性が、偶然にまた同じ人にかけてしまい、そこから物語が始まったような。
彼の作品を読むと詳しい内容は忘れてしまっても、ある1ページが強烈に脳裏に映像として焼きつく気がします。

別れた女性が鈴鹿8時間耐久レースを観戦に来るその一年に一度の機会に遠くから姿を追う作品もあったっけ。胸がきゅんとしました。
「朱鷺の墓」もよかった。浅岡ルリ子が主演で映画化もされました。
でもなんと言っても「青春の門」や「さらばモスクワ愚連隊」がいいなと思う。
彼の中の戦争による傷は癒されることなく今も作品の中に息づいている。
彼にとって、福岡、金沢、ロシア、シベリア、中国の大連や朝鮮はキーワードなのでしょう。
一番最後に彼の作を読んだのは「夜の哀しみ」だと思う。これは胸が痛んだ。

今回一新しい作品「ステッセルのピアノ」を読んでみました。
今も全国に残る「ステッセル将軍」下賜のピアノといわれるものの真実を探して、日本各地やロシアまで何度も取材をするその過程が描かれています。
ロシアとの戦いでステッセル将軍と戦って勝った乃木将軍は彼から、馬をもらっていてその馬を彼は「寿号」と名づけて「スゴウ」と呼んだそうです。
まさに「ステッセル」の「ス」なんですね。

ピアノに秘められた真実を追求しながら、彼が追い求めたものはなんだったのでしょうか。

ああ、それにしても文体ってなんて難しいものなんでしょう。
男みたいな固さの文ではなくてと思うけれど、言い切り型の自分の文章は・・
今日は、文体を意識しながら書いてみました。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (ヨリック)
2011-08-17 12:36:03
ヨリックと申します。はじめまして。
半世紀ほど前の金澤風物をブログに書き始めて、ステッセルのピアノのことに及ぼうと思ったいましたら、こちらのブログに遭遇しました。
とても美しいブログページ、これからも寄せて戴きます。
私が金澤のことを書いているブログは
「ヨリックの迷い道」 (で検索)。まだ書き始めて2ヶ月ほどですので不慣れなところもございますが、ご覧いただければ幸甚に存じます。
Unknown (sakko)
2012-01-28 20:07:31
ヨリックさま
お礼がめちゃ遅れました。
ブログを書くのも勉強になりますね。
歴史について書くときはなおのこと。
がんばってください。

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