静電気からデータを守る
エンジニアの立場から見ますとハードディスクの最大の敵は熱、震動、不規則な電圧、埃と言えます。
ハードディスクが故障される一番多い原因がこれらによるものです。
しかし、それ以外に重大な悪影響を及ぼす要因として欠かすことのできないものが、冬場に多い静電気です。
ハードディスクのヘッドはとても微細な電流を利用するため瞬間的に高い電圧が発生する静電気には常に気をつけなければいけません。
◆ ハードディスクと静電気
現在のハードディスクは、以前の主流であったMRヘッドよりも感度が高いGMRヘッドを使います。
フラッター1枚の記録容量が100GB以上あり、高密度のトラックの間でデータを探したり記録したりするヘッドは、精緻で纎細な作業を行っています。
静電気の電気的な衝撃は、データの読み書きに大きな影響を及ぼすので、クリーンルームでは適切な温度と湿度を維持し静電気の発生を防ぐと同時に
エンジニアは、静電気防止服と静電気を放電させる腕輪をつけデータ復旧に悪影響を及ぼす原因を事前に排除しております。
◆ 静電気による電子機器の破損
静電気というのは私たちが日常で接する動電気、すなわち電線を通じて移動する電気とは反対に留まっている電気のことをいいます。
電子機器に被害をもたらせるのは静電気自体ではなく留まっている静電気が移動しようとする時発生する現象、すなわち放電時の電荷量によって発生します。
その時、瞬間的に発生した静電気の放電によって、引火性の強い物質に引火、火災を発生させたりします。
特に、微細な電流にも敏感に反応するIC関連回路や半導体など電子部品または精密計測装備などに致命的な損失を与えることになります。