奪取空間

ブロマガ(ニコニコ動画)から移転。
ニコマス(アイドルマスターの創作動画)関連の件が中心です。

MLH2のかんそう(かかわったほう)

2023年02月17日 00時58分17秒 | 自作動画に関すること

アイマス的にあんな大事なイベントが終わった時期に
全然関係ない話になっちゃいますけど
こっちの感想も書かないと流れちゃうからね…

感想と言うか雑感みたいな。
まとまりはありません。

ちなみに(かかわったほう)じゃなくて(みたほう)の感想は
基本的にTwitterとかでつぶやいたので
あとでまとめられるだろうTogetterなり見て貰えれば。



ニコニコ動画のこちらのコミュニティで開催されたニコ生イベント
MADLIVE EXH!!!!!³ vol.2[開催告知ブログ参加者紹介]。
2023/1/28・2/4(土)+pre配信の3日間に亘る大規模な企画でした。
ニコマス名作をDJしながら新作を交えていく、というようなイメージですが、
結局全体の6~7割新作がちの大お披露目会の様相も呈していました。

紹介記事にあるとおり、5~6人一組の6グループに分かれております。
自分が配されたのはAチーム=後に「ヴェロキラプトル・チーム」。
参加Pの大半をいわゆるゲームPV系のPが占める中、
Aチームは素材自由度が高めな人が若干多めかな、なんてイメージ。
とは言え、自分以外はみんな兼任含めPVPでもあるんですけど。

そんな、本イベントに関わった全ての人の中で、
全体通して一番貢献できてないの自分だぞっていう自覚はあります。
色々と遅すぎたし多分覚悟も決まってなかったなーと。

それはそれとして視聴者側としてはずっとフルパワーで楽しんでました。
そっちは一番ってこともないでしょうが、
でも多分大半の人よりはしゃいでたと思う。


とりあえず自分が関わった場所の話。

単品「Dynamite Rave」。

枠全体の構成をどうするにしても、とりあえず単品は作るだろうということで、
前回参加(MLE441)の時と同様、まず候補曲と動画案は頭の中でこさえました。

本ネタの「Dynamite」は2014年の魔王RAVE参加の後くらいにやりたいなと思って
そのまま8年、頭の中でたまに弄くってたビンテージネタです。

脳内ではもっと狭いコの字型のDJブースに囲まれたスペースに麗華様、
そこから前面の僅かなスペースでともみ&りんが踊るというイメージでした。

そもそもはブレイクダンスでもなくて、もっと漠然としたカッコイイダンス…
たとえばEXILEのソロパフォーマンスみたいなのがやりたかったんですが、
そんなに個性が出せるようになるにはもっと研鑽が必要なので、
ある程度まで型がわかりやすいブレイクにしようと思ったのでした。

ブレイクにしたのは赤ダルマさん(舞浜歩担当)が居たからです、
って言えれば格好いいんでしょうけど、その繋がりは後から気づきました。
ただ、ダンスのシナリオ作ってる最中には結構気にかかってました。
ポップとかカジュアルな感じにはあんまりならないように、
魅せるよりもアスリート的で男子的なガチガチな技系にしようとは思いました。

そしてこの曲を選んだのは1分半と、尺が短いことも大きな理由です。
結果的にはそのお陰で間に合ったというか、これ以上に長い曲だと、
モーションを極力削った動画(下記みたいの)にするしかないですが、

正直、初期時点でインスピレーションが足りなかったら作れません。
発想なんて最初に出なければどうやっても出ないのです。

「Dynamite」の対案はほかにありました。
沢山のニコマスMADがある某有名曲を使って、
複数MADを混ぜ込んだやつにMMDを新緑してメタ的に繋ぐってやつです。
対案で出す以上は単なる当て馬ではいけないので、構成はそれなりに考えましたが、
曲が長すぎるのと、最終イメージがあんまりパッとしなかったので不採用です。

後は、個人の大ネタの単品みたいなのは無くして、
緩いネタトレースとか、枠の構成に係る部分的なMMD起用とか、
そういうエッジのことやるのも面白いかなぁと思ってたんですが、
思うばかりでこれと言った具体案は浮かびませんでした。にゃー。


ダンスメインで作るとしたら、トレースでもないと絶対ゴールできないというか、
トレース元の案をおろそかにすると、最悪前後が詰まって二進も三進も行かず
泣いて案変更を懇願することにもなりかねなかったので、
実は最初のシナリオ作成ってのは超重要だったりします。

話が来た7月中には始めて、8月頃には6割ほど完成。
使用曲の提案を行ったのはこの頃です。
9月末には9割方完成で、MMD側の着手も準備完了。
10月は一旦離れて、一か月使って「ニコマス20選」の集計~まとめ作業を完結、
11月にはこちらに立ち返り、一度リセットした目でおかしなところを修正しつつ、
MMDに着手して約2か月、年内には完成して、1月には枠全体に貢献できる!
と思ってたんですけども。

10月頭に新型コロナさんに感染。ちゃんと症状あり。
症状が残ったのはせいぜい1週間、後処理+1週間ってとこでしたが、
張り詰めてた気が崩れたというか、サボりぐせというか…
1か月の間はあんまり作業にならず、
20選の作業が丸々11月にシフト。
12月3日にまとめ投稿とすっかりずれ込みました。
もっとも、次の告知動画はその日のうちに発想~録画~完成まで、
約3時間という史上最速を記録しました。少し取り戻せました。

で、12月頭からMMD着手です。シナリオはできてるので、
基本は打つだけです、動きを、動きを追うのです。
とは言うものの、想像で補えると思っていた「つなぎ」の動きや、
あんまり動かないはずだった麗華様の動きなど、
やっぱり追加補正でトレース素材を結構足したりはしてます。
最終的には20本くらいの動画のつぎはぎです。

始めてからはほとんどかかりっきりで、
結局最低限の完成をみたのが1月の中旬ごろでしょうか。
単純に間に合ったと言えなくもないですが、
チーム的な創作についてはほとんど人まかせになったうえ、
とある大問題を起こしかけたので、
もう本当にこればかりは申し訳なく。


単品はここまで。あとはチーム全体について。

第1パートはこれの「028~048」ですね。
自分自身は単品も仕上げにも直接は関わってません。
最終形とは全然構成の異なる最初期案の頃に、
練習がてら試作を組んだりさせてもらったくらいです。

どうしてもMLE441の奇跡を思い出す「甘香茶P×まさか!さん」の
ネームバリューと実力を存分に思い出させられるイントロから、
テクノロジックでもって一気にMV的な雰囲気に引き込まれていく。
ダーク・ハードな格好よさが上がり上がって、
急に引き戻されるアイマス要素なしの「beat it」とスモウ。
そしてハッチポッチステーション。グッドタイミング。

再びのMVベースはより戻しで更に格好よく。
ゼノ・中二病の上がりから最高クールなMMD百々人のターン。
げどんに高速ビートを叩きこみつつ、急に始まる木曽義仲。
義仲討たれた後、Bleuさんの新作和物MVに繋がって、
めちゃくちゃいい感じ。凄い。

ちなみに、各グループ参加者が好きな動画を色々あげてみて、
それを主催チームが繋ぐっていうのがメドレーの根幹にあったので、
(複雑な班はもっと違ったと思うけど)
自分が出した動画もいくつか流されてたと思う。
木曽義仲が採用されてて嬉しかった(小並感)。


第2パートは「049~064」ですね。
最終的な出力は自分が行いましたが、ここに大問題がありました。
1月頭の打合せでそのことが決まっていたんですが、
実は打合せしつつ裏でMMDの打ち込みを続けていた自分は、
全くそのことを捕らえ損なっていたのです。
参加自体はちゃんとできているつもりだったのですが、
こういうのはちゃんと集中してなきゃダメですね…

本番1週間前に申し訳なさそうなDMで確認をいただきまして、
大変な気苦労と余計なご心配をかけてしまったなと…本当に。
幸いにも単品の作業はもう終わりかけだったので、
多少生まれてた(本来あるはずのない)心の余裕を全部ぶっ込みました。

基本的に音源が明確にミックスされているので、
素直に従って組み上げるだけで良かったので助かりました。
また、時間的には半分くらいが新作パートになります。
新作パートは余計な手を加えずにそのままお出しする形なので、
実は作業量はそんなでもありませんでした。

ただ、そもそももっと余裕があれば「セルフ20選パロ」とか、
自分がやるべきいろんなことがあったんですけどね。
個人的なマネジメントにずっと失敗してたツケがここに…

さておき本編。

赤ダルマさんのポケマスからスタート、
ショート化していきなり終わっちゃうっていう掴みです。
せっかくだから登場ポケモン全部並べて
次の曲で出走させるとかそういうのも楽しかったのかな。

ウマ娘との相互コラボが重なって、うちの愛ちゃんが出走。
ここ新規撮り下ろししたのは、傑作に混じって並べるには
当時の映像がちょっと拙く恥ずかしかったのもあります。
ゼノが重なった所を伯方さんが一掃。
更にウサミンがイニシアチブ取った後に新作。
ある意味で中二病の続編ですからね、贅沢。素材も贅沢。

可奈ちゃんのはなるべく全部映るようにしつつ、
ゼビウスのプレイ画面と自分のMLE3単品を合わせて、
雪歩と可奈でヨネダ2000…一瞬過ぎて伝わらなかったかも。

その後のヨネダ2000MADについては、
正直音MADとしてレタスさんが完成させたものなので、
自分は理屈通りに映像合わせただけだったりします。
付けてて意図が分かりやすかったので助かりました。

以降はBleuさんと甘香茶Pの新作ラッシュです。
ヨネダをさわやかに受けきってCM入って、
あのドラマ性です。見ていて楽しい流れでしたね。


第3パートはオール新作の「065~069」です。
前のパートがドラマで終わって一区切りされてるので、
ここからリスタートってわけですね。

赤ダルマさんのコール有りダンスナンバーで一気に楽しく盛り上げて、
八面六臂のまさかさんが体育MADで四方八方巻き込み倒して、
甘香茶Pがその不思議で良質な都会ありすMVに魅入らせる。いい流れです。

うちの単品は…ここで合ってますか?大丈夫でしたか?
こればっかりは自分では何とも言えない、わからない。
反応見るに、魔王の新作ってだけで驚きが取れたので良しとする。

でも自分のが何だっていいんですよ、この後の赤ダルマさんの
「打打打…」があまりにも良い出来で気持ちよくなっちゃうんですから。


第4パートも引き続き新作な「070~081」です。
流れとしても前パートから続いて、後編の後編って感じですね。

Bleuさんの派手に地下ノリで震わせてくる新作から開幕。
これがMADLIVEを代表すると言わんばかりのディープさから一転、
いきなりのキッズm@sterはまさか!さん。
そして甘香茶Pの大乱舞。メリゴの複合ダンスMADから、
ネタ濃度を増しつつダンスに留まる燃えよドラゴン、
最新765プロの台所からカレー…イチゴ娘。

ここにBleuさんの「カルメン」が強いインパクトとスパイスで輝く。
フルを作ってから部分的に使用したという流れもすごいが、
色使いも含めてこの短時間でこの印象力の高さもすごい。

自分のレッショル新作は使いたい素材を沢山置いただけ感もある。
また、レッショル後半の編集は先に完成していた次パート(甘香茶P)の
MV表現に寄せたというか、劣化コピーをかましてます。
この第4パート全体の最終出力したのは甘香茶Pだったと思いますが、
完成版見て、繋ぎの手数とか演出とか凄いなぁって感動しました。

で、セプテンバーから鳥の詩は前述の甘香茶P。
オシャレMVとゼノガチャMADというこの生み出し力の広さ。

「ディスコの神様」は果たしてどういう流れか全員MAD。
自分のパートは編集用にレッショルパートに置いたダンスがそのまま、
ちょうどいい感じに収まりそうだったので、そこから発展してます。

確か打合せの中で「HHB」を使うイメージがあるって聞いたので、
ストリートホッパーな亜美真美とか使おうかなとも思ったんですが、
絵的に印象強そうなのは七草はづきさんかなと思って起用。
ずっと使いたかったんです、はづきさんモデル。
誰かパートナー居るかなと思ったら山村ァモデルを思い出し、
他の2人もいたので事務員さんズの起用となりました。
割とお仕事疲れの感がある曲だったりもする。

デスク夜勤中の4人の妄想っていう別verも作ったんですけど、
完成形見ればそっちじゃなくて良かった。
楽しく踊ってるだけで良かった。
「ディスコ」は各パートの個性が出てて、
結果的にすごくいい感じだったなって思います。

そしてD.S.Kさんのフィナーレ作品です。
このグループで相当初期に決まっていたことが「爆発オチ」で、
つまりはその前に来る作品は台無しにされるという大前提。
分かりますか、この怖さ。
台無しにされる怖さじゃあないですよ。
「台無しにされるに相応しい超感動名作」を求められる怖さ。
あえて言いはしませんでしたけど、
そんなプレッシャー受けたら泣いちゃうかも。

まぁ、違う意味で泣きました。観る側としてね。
もうあらゆる、オールジャンルでグッと来るようなシーンを揃えて、
ケレン味のニコニコシーンも味になって…
要所要所のリップシンクに引きつけられますが、
多分極め付けが大サビ前の卯月ちゃんの所だと思う。

まぁ更に個人的な話をすれば、
自分の大好きなシーンとして紹介した
「なまうにPのとかち姉妹動画」がベスポジで使われて…
もうそこはあの、あんまり直視できないくらいでしたけども。

そして非常に素晴らしい爆破っぷりでありました。


年末に使用したい曲を募集して、年明けにメドレー音源共有、
第4パートは(「ジャングル」と「拝啓~」を除き)そこから映像作成したという経緯で、
ある意味強行軍っぽいスケジュールながら、
一番化学反応っぽいのが起きてるパートかもしれないなと思います。


グループの中のことはとても楽しかったですが、
はっきり言って私だけ丸々一段も二段もレベルが足りなかった!

やっぱりそれぞれ、得意な分野で力振り切りまくって、
それ以外のジャンルだって目を見張るだけの成果を挙げて、
やることもやれることも十二分に発揮してて凄いんだ。
基本的に趣味だしアマチュアの世界ですけど、
何かを成そうとする姿勢において大変にプロですから。

今までどうにも(過去MLEにしても)、
人の創作とは結構距離ありましたからね、
作るって計画段階からの話はあんまりみたことなかったんで、
そういう意味でもいい経験でしたね。みんな早くて強い。


歌詞合わせ王のまさか!さんから、
何度か「20選ED」の歌詞合わせについて触れてもらった記憶があるんですが、
あんまりこう、パッとした反応返せなかったのは、
100の作品を100か所にはめるという地味な事務作業感を
あんまり言語化できなかったためです。

何が地味って作業スタートがエクセルからってくらい地味です。
めっちゃ楽しいけどめっちゃ作業です。

氏のあの華やかなMADは多分魔法でも使いながら
作ってると思い込んでるんで、
比較できるような派手さが何もない!って焦っちゃいました。


別班で「全参加者の動画使う!」みたいなのが2つほどあって、
うちからは「双海愚美」と「釣りぼり」が顔出させていただいてました。
嬉しかったです。

うちの作品は多分勝手に引用してもらっていいんですが、
(極端なエログロ描写は使用モデルの規約確認が必要かも)
背景なしとか演出抜きとか、出力は自由が効くんで、
なんか公開分と別のパターンが必要だったら言ってください。

今回以上の使い道が他にあるとも思いませんが、念のため。


本職ノベマスPとか、技術やセンス的に優れたMMDerさんとか、
3Dの人とか、ラップの人とか、実況者とか、あらゆるジャンルの人が
無作為に混ざったらどうなるんだろうとか考えてたら思い出した。

441の時のコンビ枠と同じくらい、
自分の中で伝説的な存在が「MLE2のFUNKOTメドレー」。
(MLE3のも好きだけど参加したのはちょっと意識が違う)


ジャンルの坩堝だったなぁとちょい久々に見てたら、
「Beat it」流れて来ちゃって笑ってしまう。スモウは取ってなかった。

MLH2の参加者に近い人数を20分で使い切るの贅沢すぎると思ったけど、
その人数をフル尺レベルで活用しきるMLH2の管理労力大変だなとも思いました。


実の所、Discordの会議映像はPCでは一度も画面に映らなかったのですが、
年末くらいからiPadを別置してどうにか見れるようになりました。

技術的な問題で立ち止まっていても仕方ないので、
一応仮組み音源や映像を先にDLして同時再生するとか、
可能な範囲で追いかけてはいたので、大丈夫だったとは思いますが。


別に20選とか言って見ればただの作業だし!大変じゃないよ!
って普通に思ってたけど、
もしかしたら年に2回ずつ1か月消費するのは重いのでは…
と少し思ってしまったのは、
このイベントであらためて動画を作りたくなったから。

ちなみに、どんだけ早くやろうが遅れようが1か月なので、
まだ記事出してないよーって方はいつでも出してください。
記事が少なくて減る労力より、
記事が多くて増える喜びの方が沢山なのです。


何はともあれ、チームの皆さま、主催グループの方々、
他のチームの皆さま、大変お世話になりました。

色々と面白い経験をさせてもらった半年間と、
とにかく視聴者として最高に楽しい3日間でした。

ありがとうございました!


色々書いてるうちにtoggeter来てたみたいです!以下を参照せよ!

多分そのうちTS録画も来るから合わせて楽しめよ!

単品沢山上がってるから見ろよ!


【2012-2022年】私の十半世紀 (1/2)

2023年02月10日 19時00分00秒 | 日記

[2022年8月に書いた後多忙になり投稿できていなかったものを推敲してアップします]


私がアイドルマスターに出会って10年の時が経った。

その出会いが始まったのは2012年の8月ごろだ。
きっかけは単発の出来事ではなく、色々なことの積み重なりによるため、
正確な日付までは分からない。だから ”ごろ” という表現になる。
せっかくの10年目なので、その経緯を辿ってみた。

ニコマス投稿を始めるまでの2年間を中心に振り返る、全く個人的な記録である。


さらに遡ること5年。

出会いは2012年だが、そのためにはもう少し前まで戻りたい。

2007年、ニコニコ動画(γ)の独り立ちに私も立ち会った。
あの当時ニコニコを見ていたということは、
『とかち』や『πタッチ』を知らないはずはない。
厳密に言えば2007年に多少なりは知ってはいたのだ。

(2007年4月12日に初マイリスしたらしいアイマス作品、β(ようつべ)転載)

知っていたどころか、アイマスに関連した動画も投稿している。
私が2007年に初めて投稿した動画は、当時雨後の筍のごとく濫造された
『組曲「ニコニコ動画」』の替歌ネタの1つである(※1)。
「組曲」と言えば当時の流行ネタを取り入れたメドレーのパイオニア、
しかもその1曲目こそ「エージェント夜を往く」、つまりは『とかち』だった。
だからと言って、その替歌をもってニコマスデビューと呼ぶのはあまりにも暴論。
「07年8月デビューP」とか凄い人達いっぱいいそうだし。

それからの約5年間、取り立ててアイマスとの関わりは無かった。
せいぜい音MADなどをジャンル単位で巡るときに出会った程度。
「ディレイ・ラマのごまえー」とか、ピッチ変更「和田氏はアイドル」とか。
たとえば、薄幸Pの「忙しい人向けシリーズ」などは好きで巡回していたが、
アイマス曲ネタは飛ばしたり飛ばさなかったり、といった扱い。

すなわち、当時の私にとってアイマスは、
OPのMADだけ見たことあるアニメと同じ、
あくまでも「原作を知らない作品ネタ」の中の1つに過ぎなかった。

そして2012年
時はすでに「アイマス2」が発売、「モバマス」が稼働、
更に「アニマス」の影響でニコマス界は幾度めかの活況のさ中であった。
らしいが、そのようなことは実のところさっぱり、まるで知らなかったし、
ここから始まる「アイマスとの出会い」にはまるでほとんど関係が無い。

ただ横たわる広い「ニコマス界」に誘われてアイマスに出会うに至るのだ。


① チャー研からカオスを経て

2012年4月にチャー研MADにハマる
ブーム最初期よりは大分遅れているが、界隈自体はなお発展の真っ最中。
当時のチャー研MADの魅力と言えば、ガラパゴス化で先鋭化した
独特すぎる作風と不思議と統制のとれたカオス感にあったと私は思う。
再生数上位から順に片っ端まで見ようとしたこともあるが、
どこまで行っても一定のクオリティが担保されていたと記憶する。

そんなチャー研界にどっぷりであったが、人は贅沢なもので、
次なる"チャー研"、つまりはカオスなネタの溜まった
面白すぎる別の界隈もあると信じて「カオス」を探し求めた。

カオスの体現…

アイドルマスター…

そう、出遭ったのはホメ春香、その人である。
時は2012年8月ごろ
これがアイマスおよびMMDとのファースト・エンカウントでもある。

出会いがこの動画で良かった。
いや、出会いはこの動画でなくてはならなかった。
過不足なく身ひとつでカオスを体現したこの動画でこそ意味があった。

ホメ動画と言えば、感情表現が没したことによる情緒を語る作品や、
いっそ怪物じみた脅威を感じさせる作品もあり、どれも良いのだけれど、
圧倒的な存在感でホメ春香をそうたらしめているこの作品が
初めての出会いでなければ、きっと運命は変わっていた。

ホメ春香というキャラクターはMMD界において、
役者もバラエティも手広く精力的にこなしながらも、
本分とも言えるこういったステージシーンを根幹に持ち、
ある意味では究極的な「アイドル」そのものなのである。

これ以降、多少の選り好みをしながらホメ動画を漁るようになる。
それは、しかし未だ「ホメ春香ブーム」に過ぎず、
アイマスとの出会いという意味では嚆矢が放たれた段階である。


② 妹様好きの実況者

2012年2月、東方紅魔郷Exの「プロ実況」MADにハマる。
しかし、当時「プロ実況」作品には元ネタを知らない物が多く、
しばらくは視聴拡大には結びつかなかった。

2012年8月、ホメ春香というアイマスへの繋がりを得たことで、
ついにシュコウPのジョン・カビラP実況動画に出会うことになる。

シュコウ氏と言えば「ヤンデレの女の子」を皮切りに、
多彩な実況ネタはもちろん、音MADなどの変則ネタまで、
数々のカビラ作品を生み出した名人である。
しかも外れ作品というものがない。
マイリストの自動再生がマイブームだった当時、
延々と観続けていられるマイリストは非常に魅力的だった。

この作品群にはアイマス作品が37本含まれるが、
そのうち30本近くが箱マスのコミュ実況MADであり、
数こそまちまちではあるが、11人全員が取り上げられている。
ニコマス世界感においては、箱マスコミュは原点そのものであり、
これを視聴したことで原作への理解が大きく前進したのは間違いない。

また、シュコウPは箱コミュ以外のアイマスMADとして、
ステージ切抜ニコマスPV、疑似m@s、手描き漫画ノベマス(編集)、
手描き百合フルボイスノベマス(絵は敬礼P)など、
ジャンルに富んだニコマス作品も手掛けている。

アイマス(公式)、ニコマス(創作)両面において、
私の知識の下地にはシュコウPが居る。
もっとも、無数の作品がある「ニコマス」という世界も、
「ニコマス」という単語も、この時点では未だ全く知らないままであった。


③ 夢と言葉の世界「SS」

当時は「Uncyclopedia」「クソゲーまとめwiki」や創作SSのまとめなど、
読み物系のサイトを読むことも多い時期だったため、
自然と次に触れる機会が多くなったのは「アイマスSS」だった。
正確には不明だが、2012年9月半ば頃を起点として、
その後2014年まで継続的に読み続けることになる。

特にお世話になったのは「SSだもんげ!」というサイトで、
惜しいことに2年程度で更新は停止してしまったのだが、
その期間の掲載SSは少なくとも3巡するほど読んだ。
無論、他のサイトを利用することもあったし、
SS自体はあくまでも掲示板に投稿された作品だったのだけれど、
雰囲気やコメントも含めあのサイトがホームだったという印象は強い。
当時は携帯(iモード)で屋内外問わずやたらと読んでいた。

2019年頃にスマホで再びサイトを1巡した際には、
厳選したはずのお気に入り作品のブックマークが200件、
普通以上のお気に入り作品は500件を超えてしまっていた。

特に印象が強かった作品を挙げる。
大長編の名作【冬馬「プロデューサー、人間やめるってよ」】は、
ここまで読み物として面白いファンアートがあるのかと感嘆した。
あしながプロデューサー】シリーズは、
SSらしいギャグ色やドタバタ感も残しつつも濃厚なストーリー。
他にも芸能活動以外の人生を描く作品は意外と多く、驚いた印象がある。

「響「がなはる、って何だ?」春香「さあ?」】や、
P「ダメ男になってやる!」】などのアイドル別の個性派ギャグや、
千早のニックネーム】【PKジュピター】などの定番化シリーズ、
その他作者の色が分かりやすいギャグものはもちろん大好きである。
また【ユキポックス】【小鳥「バック・トゥ・ザ・ピヨちゃん」】など、
コラボパロディは組み合わせと改変の妙で、まさに2次創作の花形だろう。

これらの作品はノベマスや架空戦記とかなり近いジャンルで、
ニコマスにおいても似たような味わいの作品は結構ある。
SSでしかない良さも、その逆ももちろんあるけれど。
アイマスSSの発展期にはノベマス文化は成熟していたので、
純粋な創作SS文化の系譜の作品だけではなく、
ノベマス遺伝子が混在して生まれたと思われる作品もあるし、
SSからニコマスへの輸入作品などもあって面白い。

また、既存楽曲を想起させる音楽系SSも沢山あり、
そちらはストーリー系のニコマスMVともよく似ている。
特に【美希「ロケット・ダイヴ!」】は
美希と曲とのあまりの相性の良さにかなりの影響を受け、
ニコマスデビュー時の目標の1つに、同曲でのMV作成を掲げたが、
散々妄想を連ねてイメージは練りつつも未だ達成できていない。


デビュー後にこんな名作MADがあることを知って嬉しかったし、
他にも多種多彩なMVやMADの多い曲でもある。
私もいつかは、とは思うがそれがいつかは分からない。


④ 技術とセンスの極北、ホメドラマシリーズ

ホメ春香で検索する際、何故か再生したことのなかった作品シリーズがあった。
おそらく、ホメ春香にわちゃわちゃとした「カオス」を求めていたので、
非常に整った印象のあるサムネ・タイトルを携えるそれを回避していたのだと思う。

2012年9~10月頃に初めてそのうちの1作品を鑑賞して以降、
完全にドハマりしてしまったその作品シリーズとは、
ムムム氏によって生み出されたホメ春香の連続ドラマ小説である。

露骨には表立たずともしっとり存在するストーリー性、
奇妙なほどリアル感のある独特な質感・空間、
クリーチャーモデルを主として起用していながらも、
まるで元のアイドルかそれ以上の人間性を感じる世界感、
また、特別凝ったモーションにも見えないのに、
組み合わせのセンスでもって形作られた映像の格好よさ。
そして選曲の素晴らしさも全て併せて、
ずば抜けて印象的な作品シリーズだった。

こんなこと言ってはいけないのだが、
少なくとも映像主体のものでこれらを超えるニコマス作品には
未だ出会えていないし、おそらく出会うこともないだろうと思う。
リアルさよりもセンスの面で天下無双だった。

音楽の格好よさを完全に呑み込んだ「chaosmaid」「Nostalogic」、
ゲームMV+3Dである種の死を描いた「萩原雪歩のDREAM」、
カオスの同居が心地いい「サウスポー」「ゼルダの伝説」など、
思い返せばキリがない。全てが好きな作品であった。

ムムム氏についてはまた後ほど触れる。


⑤ あまりに広き公式の間口

2011年のアニメワンピース新世界編入りをきっかけに、
未読だったスリラーバーク編からコミックスの購入を開始。
ちまちま買っていたら1年以上、書店に通う癖がついていた。

ニコニコでは「うみねこ」動画からpine氏のsims動画にハマり、
その派生で「まどマギ」のスピンオフにハマっていた。
隔月刊誌「きららマギカ」の発売もあり、書店通いは加速していく。

2012年11月上旬、いつも通り入った書店アシーネ(※2)で、
アイマスの漫画が特集コーナーに面出しで置かれていた。
しかも、時代は「2」にも関わらず、三つ編みの律っちゃんが…
ぷちます!」の存在を知ったのはその瞬間のこと。

しかし、その頃のアイマスはファンアートを楽しむ対象であって、
公式の商品を買ったりとかそういう対象では全然なかったため、
買おうという発想すらないまま、その日は帰宅した。
帰ってなお「そんなのあるんだ…」くらいの意識だったはずだ。
次に書店に行き、その本の姿を見た時にはすでに購入していた。

全く無意識だったと言っていいが、
しかし、もしかしたら「スピンオフコミック」は、
2次創作の枠として頭が解釈したのかもしれない。
またこのマンガが非常に面白かったのがタチが悪い。

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2012年8月に「ドラクエ10」がサービスを開始した。
便利ツールの配信があるため、3DSの本体を購入していたが、
翌2013年の「ドラクエ7/3DS」発売まで、
他に3DS用のゲームソフトを買う予定はなく持て余していた。

先述の「クソゲーまとめwiki(現在はゲームカタログ)」において、
アイマス関係の記事も読むようになって、特に気になったのは、
キャラクターがちゃんと把握できていなかった876組の「アイマスDearlyStars」。
「競合作品の登場で売り上げがやや伸びないが評価は悪くない」
「DSでプレイすると若干処理落ちする」などの情報があった。

さて、まだゲームソフトのない「3DS本体」、
3DS上では問題なく動くらしい「ディアリースターズ」、
「ぷちます!」購入によるアイマス経済への初タッチ。
これらが重なるとどうなるか。

2012年11月18日に注文、
気が付けば日高愛ちゃんにてP童貞を捨てていた(※3)。

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2005年に初めてプレイしたオンラインゲーム「REDSTONE」、
次いで2010年のブラウザゲーム「戦国IXA」。
いくつか手を出したが、コミュまで形成できたネトゲは以上2作のみ。
そのIXAへの入れ込みも下火になった11~12年には、
モバゲーなどでちまっとしたゲームで遊ぶことが増えていた。

冗談みたいなレア度インフレを続けたワンピース、
無課金でもそれなりに遊べたひぐうみカードバトル、
斎藤千和目当てで始めたこいけん2など、ちまちまと。
中には、多彩な個性の子をアイドルデビューさせる
「ドリームプロデューサー」なんてのもあった。

アイマスDSの購入によってゲームへの間口が開いたことで、
2012年11月19日にはいわゆる「モバマス」に登録。
属性こそ「パッション」を選んだが、1人目のアイドルは雪歩
さらに当時の日記では欲しいカードに伊織を挙げるなど、
まだ亜美真美Pとなる片鱗も見えなかった頃である。

課金こそしなかったものの、その後3年くらいは
コンスタントに起動してイベント報酬を得ていた記録がある。

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以上、それまでの趣味や好みから、まるで蟻地獄に誘われるように、
ぷちます、ディアリースターズ、シンデレラガールズと、
立て続けに公式に浸かっていった2012年11月だった。


⑥ 気軽で多幸な手描きm@ster

当時の観る側としては、SSのカジュアルさに一番近いのは
マンガ感覚で読める手描きm@sterだったのではないかと思う。
若干遡って2012年11月上旬までには、
杜都P、ヤシロクP、あごひげックスさんなどはお気に入りに。

ヤシロクPの4コマのどうがシリーズ。

また、先述のムムム氏もホメ春香より以前には
「他の絵柄で描いてみm@ster」で活動していて、
そのシリーズも見ごたえがあって面白かった。

11月25日にはとても上品な桃桃白P作品と出会ってしまい、
紳士の基準がかなり緩いところに固定されてしまう(※4)。


⑦ そして亜美真美

さすがにこの頃になるとアイマスの楽曲にも多少の興味を抱き、
誰もがお世話になるであろうくらわんPによる「全員分」歌唱動画を観ていた。
1人1人が声だけでもキャラ立ちして、コメントにも個性と愛があって、
同じ歌を10回以上も繰り返して聞くことが全く苦にならない、不思議な動画だ。

そして何より心を捉えて離さなかったのが亜美と真美
つまりは下田麻美大先生の歌唱だったわけだ。
「とかち」を筆頭に発揮される遊び心満載の歌唱術、
誇張された「こぶち」と濁りと巻き舌と舌ったらずの魔法は
「relations」などにおいても猛威を振い、愉快の波間に囚われる。

かと思えば「隣に…」を流麗に歌い上げる、
「とガチ」とも呼ばれる「ちっとり」術も併せ持つ。
これらの技巧と魅力に翻弄され、あえなく虜にされてしまっていた。
2には「ふぁるちぇっと」という劇薬もある。

レースゲー「R4」が好きだったこともあり、下記の名マッシュアップ作品とは
2012年11月9日に出会っているが、
一大ジャンル「とかちゴールド」に出会うのは翌年を待つことになる。

亜美真美そのものに深入りしていったのは、何より公式曲である。
具体的には2012年12月8日に出会った、
『アイドルマスター 77曲ずっと亜美・真美』の影響が特に強い。
割と早いうちに削除されてしまったものの、
アレンジ版や8bit曲などの存在をこの動画で仄かに知ったことで、
後に全ての亜美真美曲を知りたいという思いが生まれたのである。

今では投稿者名すら知ることもできないが───
と思って調べてみたら、偉大なる「週マス」ですぐに判明した。
今でも色々とまとめ動画などを作成されている方だ。深い感謝を送りたい。


2012年総括

  • チャー研経由でホメ春香と邂逅
  • プロ実況MADでシュコウ氏を知り、箱マスを学ぶ
  • アイマスSSや手描きm@sterで広がる2次創作世界
  • ムムム氏のホメ春香連続ドラマシリーズにハマる
  • 公式「ぷちます!」「ディアリースターズ」「デレマス」
  • 亜美真美の歌声に心奪われる

文字数が足りないので後半につづきます。

 


(※1)
「初めて投稿した動画が組曲の替歌」というのは微妙な嘘。
それ以前に「ぱにらじ」に画像を付けただけの動画を投稿していた。
現在は削除されているので、残存の最古は「組曲」。
ちなみに組曲はドラゴンクエストのネタ。

(※2)
「書店アシーネ」。君津のダイエー3階にあった書店。
初めての一番くじ(ジョジョ)など思い出深い店舗だったが、
ダイエーの閉店・解体にともない消滅。
跡地のイオンに入った書店には引き続きお世話になっている。

(※3)
DSの愛ちゃんはプロデュースではなく主観視点なので、
実は「P童貞」は捨てられていない疑惑。

時期を前後して始めたモバマスの雪歩が初Pかもしれない。
1人を選んで遊ぶゲームなら、アイモバ真美が最初だし、
OFAで初プレイしたのは…亜美?真美?どっちだったかな?

(※4)
HDDにたくさん保存していたぱにぽにのファンアート6千枚の中に
「桃桃白P」の作品があったことに後で気づいた。
言われれば見覚えのある作風だったと思う。
秋山乙女大好きです!あと6号さん。

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【2012-2022年】私の十半世紀 (2/2)

2023年02月10日 18時59分00秒 | 日記

前半のつづき。


2012年総括

  • チャー研経由でホメ春香と邂逅
  • プロ実況MADでシュコウ氏を知り、箱マスを学ぶ
  • アイマスSSや手描きm@sterで広がる2次創作世界
  • ムムム氏のホメ春香連続ドラマシリーズにハマる
  • 公式「ぷちます!」「ディアリースターズ」「デレマス」
  • 亜美真美の歌声に心奪われる

⑧ 晴れの舞台、アニマス

2013年1月からアニメ「ぷちます!」の配信開始。
週末の増刊号では初めて声優さんの活動をしっかり見た。
公式との距離は大分縮まりつつはあったが、
未だ2次創作を楽しめればよいというスタンスでもあった。
実際、ニコマスというのは知れば知るほど広い世界で、
死ぬまで無限に楽しめるというのはあながち誇張でもない。

2013年2月アニメ「THE IDOLM@STER」を見る機会があった。
この「アニマス」は、この公式との距離感をひと突きに貫いた。
その堂々たる王道的展開は衝撃的なほどまっすぐで、
またPたちが紡いできたアイドル像と重なるような、
2次的な性格も十分に備えていて、自由度にも溢れている。

このアニマスという存在を知っていることがどれだけ
自分の人生にとっての得になるのか、と考えた、
絶対に手元に置いておくべきだ、と思えた。
当時の限定版BD全9巻、約5.4万円の出費が
多いとは微塵も思わず即決で注文していた。

純粋にアニマスという作品に向けた対価だったはずだが、
費用対効果は5倍か10倍か、あまりに大きな見返りを受けた。

まず1つはアイマスSS。
2012年当時の作品には、アニメや「2」設定準拠の割合が多く、
「アニマス」を観ることで更に本格的に読み込めるようになった。

次にニコマスだ。
音MADやAMV系の作品はもちろん、
何より「コブラ」「ドンパチ」といったスター選手とも出会いを果たした。
いずれもニコニコらしさ全開の「コメント」の楽しさがあって、
「原作」×「2次創作」×「コメント」の相乗効果こそ
このサイトの魅力なんだと再認識させられた。


⑨ 広きCDの湖へ漕ぎ出す

ところで、アニマスBDには特典CDが付いていた。
いわゆる「PERFECT IDOL」というヤツで、
オシャレ楽しさ極まったアイドル別リアレンジ12曲と、
オリジナルの新曲4曲が収録されていた。
「I'm so free!」「コーヒー1杯のイマージュ」「君のままで」
「Slapp Happy!!!」という今見ても震えるラインナップである。

BDを買うという行為はそれだけで完結していたはずで、
当時ですら膨大なアイマス曲のCDを集める気などなかった。
はずだった。だが、まんまと、だ。
アニマスをいつでも見れるようにする行為をしておいて、
楽曲をいつでも聴けるようにする行為が抑えられるはずもない。
時期を前後して「亜美真美77曲」が削除されたこともあり、
聴きたい曲のCDは買おうと、当たり前のことを決意した。

とは言え、片っ端から全部買うのは無理なので、
特に聴きたい曲の収録されたCDだけ買うつもりだった。
多数の既存曲に、新曲「晴れ色」「約束」などが加わった
サントラ「ANIM@TION MASTER」シリーズや、
「L<>R」等隠れ気味の名曲が詰まった「8BIT」のベスト盤など、
お得感がズバ抜けて高い大物CDたちを狙って購入。

次いで狙うは大好物、公式2次創作とも言える「カバー曲」
アニマスの後日談的な「生っすかSPECIAL」シリーズは、
全30曲の外れなしカバーソング集というだけに留まらず、
定番化した「2」の名新曲群に加え「初恋」まで入って超贅沢。

BD付録CDをいちいちプレーヤーに入れて聴くのは難儀なので、
パソコンで管理を開始。すると持ち運びもしたくなる。
しかし当時愛用していたMP3プレーヤーは容量128MBのへなちょこ仕様。(※5)
CDを買い集め出した時点で「walkman」を購入するのは必然だった。

当時の主要音楽視聴機器はカーステレオで、
「チャー研」「R4」「ランナバウト」等のサントラCDに夢中だったが、
FM出力によりwalkmanがそのポジションに成り代わり、
日常BGMがアイマス曲に染まるのはこれもまた必然。

日常に音楽が現れれば更新したくなるのは当然で、
765+876、ML、ボカコレ、季節盤、MS、ぷち、8BIT個別、
MA、MA2、JUPITER…更には「GRE@TEST BEST!」。
2013年中にはとりあえずディスク単位で約100枚。
さすがに全コンテンツとは行かないが、
その後も765ASを中心に買い続けている。


⑩ 合作!合作!合作!

シュコウ氏やムムム氏の作品など、
マイリスト単位のぶっ続け長時間視聴が好きだった自分にとって、
長き再生時間を湛えた「合作」はまさにおあつらえ向きであった。


2013年2月頃までには「キモ合作」「ホメ合作」と出会う。
どちらも発想と技術の両面で常軌を逸した作品群である。
基本のBBやMMD作品でさえかなり凝ったものが多いが、
実写だろうが手描きだろうが、お構いなしのサラダ・ボウルだ。

そして2013年4月には運命の出会い。
15回開催されて現在は休止中の「謎素材合作」である。
私も10回ほど参加させていただいたが、細かい縛りはなく、
主に音源か映像が「謎」な作品が沢山集められた合作なのだ。

全体のバランスも込みで最高傑作は第2回であろう。伝説だ。

「謎映像」の概念は「疑似m@s」と重なる範囲も広い(※6)が、
「謎」というコンセプトから国際色がより豊かなのはもちろん、
「謎さ」へのアプローチや発想も人それぞれで楽しい部分である。
参加条件の自由さも相まってどんどん長編になっていたのも一つの味。

2013年6月にムムム氏がホメドラマ作品を全て削除した。
活動はやめておらず今も現役の方ではあるが、
本人はこの作品群をあまり好んではいなかったのかもしれない。
その取扱いの権利は全て本人にあるのだから仕方ない、
と見る向きも分かるが、しかしファンにとっての辛さもまた事実。

おそらく本人の望まない形で動画の転載はわずかに存在する。
見ようと思えば見れないものでもないのだが、
しかしニコニコの動画というのは、そのコメントなどの
付帯情報も込みで価値があり、真に楽しめるものだと思っている。
もうすでにそれが削除されたことは取り返しが付かないのだ。(※7)

このことは私を大いに苦しめた。
職場の後輩に辛さを何度訴えたことか(迷惑)。
ホメ合作内に参加作品は残されていたが、かえってむなしい。
この苦しみを癒したのは何よりも「謎素材合作」だった。
2013年10月には第3回も開催され、
3作を一通り見るだけでも2時間は幸せで居られた。

この長時間にわたる「謎」のオンパレードは
しかしただ癒しをもたらしただけではなく、
アイマスCDを買う際の曲案内としても大いに意味があった。
「ロイヤルストレートフラッシュ」は、
未だにトップクラスに好きな曲のひとつなのだが、
その根底には「第2回」の飛行機塗装動画の影響がある。

ちなみに、「クワマン合作」をはじめとした
あのコミュ発の合作群と出会ったのも同4月。
たしか「謎素材合作」からのポロロッカである。
多分このルートじゃなければあと3年は出会い遅れてた。
あそこもまた違う意味で相当楽しい合作しかないから、
本当に知れて良かったと思う。


⑪ MADのジャンル

色々な出会い、そして別れのあった2013年だが、
この1年で「ニコマス」に詳しくなったかと言えばそうではない。

理由の1つに、年間を通してプレイしていた「ドラクエ10」、
そして、昨年から途切れず読み続けていた「アイマスSS」の存在がある。
ながら見で流す動画はほとんどアイマス動画ではあったが、
シリーズものや合作など、視聴済みのものを繰り返し観るばかりだった。
単なるBGとして耳を通過させていたわけではなく、毎回楽しんでいた。
ただ、新たな動画を探すのに労力を割こういう考えは少なかったのは確かだ。

あとは「ニコニコと言えばMAD」という先入観もあった。
当時は特に笑えたり驚いたりする動画に価値を覚えていたので、
いわゆる「PV」というのは良く知らなかった。
強いて言えば、「ダンスを魅せる」のが主体の
「珍しいタイプのMAD」がある、程度の認識はあったかもしれない。
界隈における主たるジャンルの一つであるとは思っていなかっただろう。

すなわち、当時の自分が見ていた動画ジャンルと言えば、
従来のニコニコの主構成員である「音MAD」や、
素材元の分かりやすい「横切る北斗」「緑シャツおじさん」、
hitonariPの「UESAM@STER」や、ばぶるすPの「エガちゃん」など。
素材に紐づけて関連作品を一括りにしておけるのが好みだった。

素材だけではなく、テーマで括られたジャンルも存在した。
特に印象深かったのは年末or仏教ネタの「除夜m@s」という
ニッチな割にヒット作だらけというジャンルだ。
実際には9割方メカPの個人の作風みたいなものでもあるけれど。(※8)

謎のジャンル「もちm@s」にもこの年に出会っている。
「高速餅つき」「わらびもち」「越後製菓」「鏡餅アクセ」など、
動画的にはノンジャンルなのだが、不思議と親しみがある。(※9)

また、2013年末ごろになると、
好きだったラジオ番組「深夜の馬鹿力」に関連した創作、
「痴豚×アイマス」というタグが充実していることも知る。

出火吐PによるMMDネタ再現には大きな影響を受けた。

何かしら好きなことを検索するとアイマス作品に行き着く。
そんな経験を繰り返し、ニコマス世界の底知れない広さに
気づいたのもこの頃である。


⑫ バラエティと少年マンガ

2013年末から2014年始にかけて、
フュージョンPによる「サンキューユッキ」シリーズを視聴。
野球と言えばパワプロ5にハマった程度。知名度の高い巨人や、
地元千葉のロッテが勝つと嬉しい程度で、野球知識は皆無だったが、
そんな私にとってもこのシリーズはかなり面白かった。

初めてシリーズを見たのはこのインパクトしかないサムネのせいである。

野球やアイマスの時事と結びつけながら
リアルタイムに作品が生み出されていく様は、
業界そのものが生きているという実感を与えてくれた。
作品の内容も、デレマス自体の多様性と合わせて
バラエティに富んだ面白さで全く飽きを感じさせない。

なお、野球については未だに変わらずにわか者ながら、
やきう系のまとめサイトをROMったりするように
なったのは間違いなくこのシリーズのおかげだろう。

2014年3月にはついにハリアーPの「ノベマス短編」に出会う。
ノベマスから始め、立ち絵の制約を超えるため手描きを習得、
更に数多の作品を生み出し、今でも現役の創作者である。

特にノベマス短編は、1話完結が長く連なるシリーズもので、
多少ガラが悪かったり、尖りすぎな癖のあるアイドル連中の、
超人的な身体能力や、時に「覇気」と言った単語まで飛び交う
バトル展開も交えつつも、その実ほのぼのとした日常を描いている。

そのノリたるや「少年ジャンプ」の王道マンガのようでもあり、
一方ではテレビで第一線級の活躍をする芸人たちの
バラエティ番組を見ているようでもあり、実に多彩である。
というより、そういった要素を見事に取り込んだ作品なのである

また、ブッ飛んだ話の展開や数々の2次的設定とは裏腹に、
アイマス公式の地味な設定やシーン再現などのリスペクトも多く、
魔王エンジェルや小早川瑞樹、新幹少女といった子たちを拾い上げつつ、
魅力的な設定で装飾して愛すべき登場人物としてしまうのも特徴である。
SP時代以前のコミカライズや小説を積極的に買うようになったのは
ハリアーPの影響があまりにも大きい。

原作の要素を残しながら、独自の世界感を築き上げるという
2次創作的魅力において、ハリアーP作品はずば抜けていた。
今に至るまでもっとも憧れているPである(※10)。


2013年~総括

  • 「アニマス」に大ハマりし、アイマスCDの収集を始める
  • アイマスSSは継続的に読み続けている
  • ニコマスでは「合作」や「シリーズもの」を中心に視聴を拡げる
  • ハリアーP作品と邂逅

その他

  • 「アイモバ」のプレイを開始
  • 11月に購入した「双海亜美&真美つままれストラップ」は
    2022年現在も現役使用中。耐久力に優れる。

 

⑬ 足並み揃えてアイドルマスター

2014年2月(公開は1月)に劇場版「輝きの向こう側へ!」を鑑賞
細部に至るまで完璧という訳でこそないが、
当時の空気感も含めてエンターテイメントとして最高に楽しい作品だった。
実を言えば、その前年にリリースされた「ミリオンライブ」について、
抱いていた複雑な感情も劇場版でミリオン勢に触れた好印象で多少なり改善。

さらに2014年5月PS3とOFAを購入し本格的にP参戦。
すると、ミリオンに対する症状が一時的に寛解し、満を持して
同月にはGREEアカウントを作成してミリオンライブに登録。

また、2014年7月にはSideMのサービス開始時に参加。
ようやくゲームに関しては最新の潮流に追いつくことができた。


⑭ 『ニコマス』との出会い

2014年4月ごろ、ニコマス総合コミュに登録。
同時期にflame/YaSuYuKi氏のアイマス動画発見ラジオ等の
動画紹介系リクエスト生放送を見るようになる。
特に上記放送は、タグ内の再生数の中間値(当時は1182)以下の
ニコマス作品を紹介するというコンセプトであった。
有名な作品ばかり見ていた自分にとっては、
ニコマス界にクオリティの高いMVが無数に存在すること、
それが伸びないのも珍しくないということを知る機会となった。

リク生はチャー研コミュではよく参加していたが、
テンプレや定番コメを打てる楽しさはニコマスでも変わらず。
一方で、多様な新作・旧作・名作についても、
放送主や熟練視聴者のコメントで補足解説が入るため、
純粋に動画作品を楽しめる場としても大変恵まれていた。

生放送で異彩、あるいは異才を感じたのは、
monmon氏による動画紹介と企画遊びのハイブリッドだ。
思い付きの企画をがっつり楽しく成立させる様は見事。
一方で、同氏を中心に大勢の運営陣で成立させた大イベント、
2014年11月のリクエスト対決には、
公式のイベントに勝るとも劣らない熱さとボリュームがあり、
形には残りづらいニコマスの一つの姿をそこで初めて見た。

その後はMV系(映像系)に特化した大規模なイベントが
2014年12月のNicom@stream!!2014、
2015年4月のMADLIVE EXP!!!!!vol.2、
2015年5月のiM@S WAVE SONIC(アゥソニ)
立て続けに開催され、これが過ぎるころには
すっかりニコマス世界に染まった一員と化していた。


⑮ マイ・ファースト・イヤーと7年

2014年5月には自身もニコマスPとしてデビュー。
「MikuMikuDance」を使用した「MMDm@ster」作品とは言うが、
全く正統派ではない非ダンス動画ばかりである。
幸運に恵まれ、沢山見てもらえた作品もあったし、
実力通りの数値に落ち着いた作品も多数あったけれど、
とりあえず現在に至るまで同じようなことを続けている。

2014年12月には第6回謎素材合作に参戦。
以降、2020年の第15回まで継続して参加。
同時期から、疑似m@s類の投稿も開始した。

2015年6月に遅刻しながら投稿した亜美真美誕生祭動画は、
一年間の総決算と、MVイベントを沢山観た成果が融合して、
何かちょっと楽しい感じになった。
技術自体は見よう見まねの下位互換といった程度ながら、
だけど、ともかく、「何か楽しい感じ」が出てくれて、
沢山の人に喜んで貰えた。それが幸せである。

この作品までの約一年間は、想像や実力を超えて動画が伸び、
絵にかいたようなビギナーズラックを体感できた。
幸いにも魔法は解けて、それからの7年間は実力勝負。
現在もまったく細々ながら、理想を探して活動している。


20選

2014年上半期の「膳」が紹介されたことで存在を知り、
2014年下半期からは記事投稿により参加し始めた企画。
それが作品を相互に紹介し合うニコマス20選である。

非正統派の単発MAD制作者としては、
明文化された動画の感想をいただけるという
数少ない機会を与えてくれる夢の企画だった。
時期によっては製作の励みの8割方を占めるほど。

そんな企画の継続困難の報を2016年上半期に受け、
支援として運営メンバーに参加はしたものの、
残念ながら大した力にはなれなかった。
諸々あって2016年下半期から企画を引き継ぎ、
拙いながら運営主催を続けている次第である。


2014年~現在

  • 劇場版・OFA・デレミリMまで追いつく(2014)
  • ニコマスにハマってPVの視聴も増える(2014-15)
  • MMDM@STERや謎素材でニコマスデビュー(2014-)
  • 20選企画に参加(2014-)・運営参加(2016-)

以上が初期数年を中心に辿った私の10年である。

何のことはない思い出話だが、今への軌跡を文字起こししてみれば、
今後を考える起点にもなるだろう。

年に数えるほどの作品も出せない遅筆極まる自分ではあるが、
とりあえず創作10年(2024年)を目指し、
またその頃にはもう一度振り返ってみたい。

以上。


 

(※5)
2004年発売のX-Seven(クロスセブン)という「MP3プレーヤー」。
2002年発売の初代i-Podの実に1/40程度の容量しかないという…
長く愛用はしていたが、取柄はレバー操作がちょっと気持ちいいくらい。

(※6)
疑似m@sはアイマス音源「のみ」、映像はアイマス「以外のみ」、
という本来厳密な「逆コラボPV」的レギュレーションがある。
今はかなり広義的に許容されているが、レギュ違反を疑々似m@sと呼ぶ場合もあった。
謎素材は「疑似m@s」「疑々似m@s」「PV」等々の構成ジャンルは問わない。
素材の種類は問わず、素材が「謎」であればよいという、異様な懐の広さを持つ。
もっとも、2013年当時の自分は「疑似m@s」という概念の方を知らなかったのだが。

(※7)
好みの動画は保存しておくという手もないではないが、
一度でもコメントが付いたものの喪失感は拭えない。
特に、削除動画のコメントを抹消する今のニコニコの仕様は、
死そのもの、歴史の抹消を目前でされるようで辛い。
「ノムリッシュフレンズ」のように復活・完結を遂げた
奇跡的な存在がたまにあるのが救いかもしれない。

(※8)
ご存じのとおり、メカPは人力テクを軸にその当時ですでに
複数のジャンルを成立させている怪物である。今もなお。
個人的にはンモーPのForza3アニメの衝撃も大きかった。
アンパン、仁後さん、どうしてもシリーズなど、氏もジャンル大家である。
旧来のニコニコ住人として馴染みやすかったのは、
スパ王などの音MADの多いレモンPだったかもしれない。

(※9)
2022年現在、望月聖によるもちもち戦法が流行の兆しを見せ、
「もちm@s」タグもにわかに盛り上がっている。
関連動画を巡るなら「もちもち戦法」タグの方が便利とか言ってはいけない。
あの多用されてる素材の発信元を探したらバチPだった。なるほど。

(※10)
ハリアーPの作品群との衝撃的な出会いは、2000年ごろに
「超新星あらわる!特別ゲスト編」というサイトに出会って以来である。
FFシリーズをはじめとした混合2次創作(オリジナルも含む)サイトで、
独特の世界観が素敵で、ネット上の創作物の楽しさを初めて知った場所だった。


(あとがき)
今回10年を辿るにあたって、いつか使うかもと保存していたレシートの山や、
Amazonの購入履歴、マイリストの日付、フォルダ作成日付etc…
色々な資料にあたって想いを馳せた。10年は長いようにも思えるが、
「201X年」と書かれた資料はそんなに昔にも思えない不思議。

2022年7月27日にニコニコのプレミアム継続10年のバッジを得た。
そもそも2012年上半期は、ニコニコ上で好きが溢れた時期だった。
Sims動画(うみねこ、まどマギ)のpine氏、太目ニクのinokix氏、
実況とするめいかのルーツ氏、ドラクエ関連MAD、三国志架空戦記、
「膳」シリーズ、チャー研MADetc…

ニコニコのバージョンが悪名高きZEROの頃でもあり、
マイリスト上限数などが物足りずプレミアム登録に至ったと思われる。
かえってそれにより、動画巡りのフットワークの軽さを得て、
アイマスに出会うきっかけとなったのであれば、それも面白い因縁かもしれない。

[EOF]