だんぱ ABCDを語る

ネットワーク対戦型カードゲーム「ABCD」の戦術論・大会レポート等をもっふもっふと語ります。現在、多忙につき遠ざかり気味

【風単色大会考察】 風デッキの抱える構造欠陥と、アンチテーゼとしてのシルフストンピィ

2013-06-01 17:52:23 | 【ABCD】大会を語る

今回の風単大会を総括すると、
シルフストンピィ勢の圧勝であることに異論の余地はないでしょう。

消化された試合数が全体的に少なかったことを差し引いても、
使用した2名のプレイヤー(ミキョウさん、だんぱ)が、直接対決を除いて全勝で駆け抜けたという結果は、
デッキタイプ自体の優位性を証明する上で充分な情報だと思います。

ただし、もちろん、これは結果論です。
私自身、紙一重のゲームがいくつもありましたし、
運が味方した要素も多々あるんじゃないかと思います。
それでも、デッキ選択と調整については、たとえ負けていたとしても自信を持てていました。

今回は、シルフストンピィを選択するに至った背景を中心に、
つらつら書いていこうかなと思います。

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さて、デッキを構築する上で重要こととしては、
「何をもって相手との差をつけるか」に尽きると私は考えています。
予想される相手の動きと、それを上回って先に相手をHP0にするために
どの点で優位をとれるようにするのか、を考えていきます。

で、風単デッキ対決だと「基本並べあい」なんです。

並べあいを制するには、「より多くのクリーチャーを出す」アプローチや
「相手側より強い(大きな)クリーチャーを出す」アプローチがあります。
しかし、毎回毎回そう都合よくできるものでもありません。

そんなことを考えながら私は風デッキの抱える構造上の欠陥に着目しました。
具体的には、下記の2点です。

・盤面の有利不利がついた段階で、逆転が極めて難しくなる
・バトルスペルを複数抱えることで、テンポアドバンテージを失いやすくなる


【欠陥①】盤面の有利不利がついた段階で、逆転が極めて難しくなる

ホードでよくありがちな光景、
超進化or緊急進化を構え、3/3が殴り出す段階で、
すでに勝敗が決していることがほとんどです。

カードの強さと重さの面で、1:1交換が続いていくことになるからです。

全体除去のない風属性では、こうした傾向自体は古くからありましたが、
FDで出てきたエース級のクリーチャーが、その傾向に拍車をかけます。

●[狸親父]
Summon
4(風風) / 450f
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人間の召喚
Atk=0 , HP=1
狸親父は攻撃中(+3 / +2)の修正を得る。

攻撃時3/3、守備時0/1という性能をもつ狸親父は、
序盤に展開できると強力なクロックとなる一方、劣勢ではなんの役にも立ちません。

「2ターン目狸親父からの攻勢」は今大会のポイントの一つです。
引き次第では一方的にこのアドバンテージを取られうるため、何らかの対策が必要であるとともに、
盤面有利を早々に築いて、相手の狸親父をいかに弱いカードにしてしまうかを考えました。


【欠陥②】バトルスペルを複数抱えることで、テンポアドバンテージを失いやすくなる

フリー対戦からずっと思っていたことですが、風を使っていて最悪だと思うのは、
超進化のみを手札に抱える状況でブロックしてもらえず、相手だけがクリーチャーを展開する状況でした。

確かに、現在こそ風誕の宝石があるので、MPのつかいどころの問題が多少緩和されていますが、
バトルスペルの駆け引きをあてにして、一定枚数をデッキに投入することそのものに
リスクが高いと考えていました。
クリーチャーとバトルスペルをバランスよく引くことで機能するデッキは、
その裏側に、バランスよく引かなければならないという根本的な問題を抱えます。
これは、ただでさえクリーチャーのMP域が悩みの種になる風デッキにとって、大きすぎる問題と考えました。

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シルフストンピィを選択した理由は、これらを解消できるデッキであったことが大部分を占めます。

クリーチャーを早く展開することにより、先に攻勢に回ることができるメリットが大きく、
相手側の2ターン目狸親父対策として、衝撃波を躊躇なく4枚投入できます。

そして、基本的にほとんどの引いたカードを盤面作りに投資できますし、
風誕の宝石も積極的に起動できます。

相手側が3/3を綺麗に展開した場合、森のシルフを引けるかに依存する部分が大きいですが、
引けさえすれば、ヴァルキリーとケセランパセランを等価値にしてしまえます。

誰もが追突事故、斬鉄剣を警戒する中で、先手付与や竜巻巨人+超進化が減ることも
メタゲーム上、シルフストンピィを後押しする要素だったかと思います。

だんぱ