企業HP・Web担当者とマネージャーのための
□□□□■Webマスター養成講座■□□□□
~顧客と心を通わすサイト構築運営のポイント~
第3回 2005年4月21日 不定期更新
こんにちは。Webコミュニケーションプロデューサー・コンサルタントの
ダンゴマンこと玉井です。今回はWebサイトが置かれている環境について
考えてみたいと思います。
◆価値訴求型商品の台頭
インターネットでの情報収集が、一般的になってきたのは言うまでもないことですが、
ここに来て、消費者の購買行動に重要な役割があることに気付いて、マーケターを
あわてさせています。
一方、商品はバブルの崩壊以降、価格破壊が進み、その揺り返しとして、
価値訴求型の商品が増えてきています。つまり、普通の商品では、値段が上げられない
ので、「ここが違う、だから値段もちょっと高い」というものです。
その価値をいかに伝えるか、マーケターが頭を悩ます所です。
◆情報提供力の低下
またまた、流通では、その情報提供力の低下が顕著なものになっています。
大手のチェーン店では、「店員の推奨力」は、もはや伝説の中にしか存在しない
ような状況です。
近所のドラッグストアが改装になりました。早速見に行ってみると、
薬剤師のいるカウンターが無くなっていました。
処方箋が無くても買える一般市販薬をOTC(オーバー・ザ・カウンター)と
言いますが、そのカウンターすら撤去されてしまったのです。
ある意味「潔い」とは思います。
品出しやレジ打ちで忙しい薬剤師さんには、薬のことは相談できません。
事実上セルフ販売であったわけですから、カウンターを撤去して、
レジを増設する方が、お客様をお待たせしないという意味で、
顧客満足に忠実なのかもしれません。
切り捨てられたのは、薬剤師による対面販売という旧来の機能です。
こういう状況で、メーカーも、店頭の情報提供力について従来の考え方を
改めざるを得ないと思います。
一方、メーカー内部でも、リストラや効率化によって、「営業」の情報提供力
の低下が問題となっています。充分に商品知識を得たり、プレゼンテーションの技術を
高めることができないと嘆くメーカーさんも多いと聞きます。また、
店舗を巡回するのは、社員ではなくアウトソーシング会社のフィールドスタッフ
だったりします。営業の問題は、B to B の世界でも同じで、その状況の裏返しと
して、営業支援的なWeb活用を考えるメーカーさんも増えています。
◆高まる情報発信ニーズ
こういう状況下、Webサイトには、今まで以上の期待が寄せられています。
「顧客接点」は情報接点でもあります。Webサイトを接点とした情報提供に、
各企業しのぎを削る状況になっています。
◆高まる情報ガード
しかし、情報を受け取るお客様(消費者)の側は、逆に「情報ガード」が高まっています。
食の安全の問題、食だけではないメーカー不信、そして個人情報の問題。
企業から発信される情報の信頼性は落ち、下手に「プッシュ」すれば、その行為自体
が反発を招きかねない、一触即発の事態です。
ボクシングで言えば、両手でガードを固めた状態のお客様(消費者)に、
情報というパンチを打ち込むようなものです。消耗こそすれ、良い結果は望めません。
◆変わっていく?お客様
かといって、お客様は自らのカラに閉じこもってしまったわけではありません。
インターネットの一般化によって、その行動も変化しているようです。
変化というよりも、もともとあったものが顕在化したとも言えると思います。
学問としてのマーケティングの側からも、ネットを契機にした消費者の変化を
捉える研究が進んでいるようです。
慶応大学の濱岡教授は、商品開発に自らかかわっていくようなアクティブコンシューマー
に着目され「共進化マーケティング」という手法を唱えられています。
また、明治学院大学の森田助教授は、自ら「情報価値を生産」する消費者
の動向について研究なさっておられます。
(ご興味あるかたは、ネット検索してみて下さい。)
こういうネットによって、変化というか顕在化した消費者行動に対して
どう対応していくか、マーケターは答えを求められていると言えます。
◆「Webマスター」へのプレッシャー
伝えなければならない情報は増える一方、受け取る側は情報ガードでガチガチに
なっています。さらに、同じネット上で活動する消費者との関係にも
気を配らなければなりません。
こんな状況下、Webマスターへのプレッシャーは極大化していると言っても
過言ではありません。
広報部で、システム部で、販売促進部で、はたまたブランド担当、Eコマース担当
として、Webサイトを任されている方の心の悲鳴が、私には聞こえてきます。
そういう方とお話しするたびに、なんとかしなくちゃいけない、
と思います。走りながら考えるのには、限界があります。
「おまえやれ」って担当者に任す立場の方も、担当者と一緒に呼吸し、考えて
欲しいと思います。
◆同じ立場の方はいっぱいいます
七転八倒しているのは、皆同じです。それだけは知っていただきたいと思います。
がんばれ、Webマスターさん!
今、企業でWebサイトに関わる誰もが悩み、苦しんでいます。
私も、お手伝いさせていただく全ての案件で、もがき苦しみます。
だから、同時にお受けできる案件の数はそう多くありません。
体がもたなくなってくるのです(笑)
絶望的なことを言うようですが、Webサイトを必ず成功させる「魔法」は
ありません。申し訳けありませんが、少なくとも私は知りません。
でも、同じ転がるんでも、転がり方があるような気がするのです。
どっちへ転がったら、解決に近づくか、そんな視点で講座を続けて行きたいと
思います。
それでは、また次回・・・・(不定期更新)
バックナンバーを効率的に見るには、
左側のカテゴリー欄で、
Webマスター養成講座をクリックして下さい。
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~顧客と心を通わすサイト構築運営のポイント~
第3回 2005年4月21日 不定期更新
こんにちは。Webコミュニケーションプロデューサー・コンサルタントの
ダンゴマンこと玉井です。今回はWebサイトが置かれている環境について
考えてみたいと思います。
◆価値訴求型商品の台頭
インターネットでの情報収集が、一般的になってきたのは言うまでもないことですが、
ここに来て、消費者の購買行動に重要な役割があることに気付いて、マーケターを
あわてさせています。
一方、商品はバブルの崩壊以降、価格破壊が進み、その揺り返しとして、
価値訴求型の商品が増えてきています。つまり、普通の商品では、値段が上げられない
ので、「ここが違う、だから値段もちょっと高い」というものです。
その価値をいかに伝えるか、マーケターが頭を悩ます所です。
◆情報提供力の低下
またまた、流通では、その情報提供力の低下が顕著なものになっています。
大手のチェーン店では、「店員の推奨力」は、もはや伝説の中にしか存在しない
ような状況です。
近所のドラッグストアが改装になりました。早速見に行ってみると、
薬剤師のいるカウンターが無くなっていました。
処方箋が無くても買える一般市販薬をOTC(オーバー・ザ・カウンター)と
言いますが、そのカウンターすら撤去されてしまったのです。
ある意味「潔い」とは思います。
品出しやレジ打ちで忙しい薬剤師さんには、薬のことは相談できません。
事実上セルフ販売であったわけですから、カウンターを撤去して、
レジを増設する方が、お客様をお待たせしないという意味で、
顧客満足に忠実なのかもしれません。
切り捨てられたのは、薬剤師による対面販売という旧来の機能です。
こういう状況で、メーカーも、店頭の情報提供力について従来の考え方を
改めざるを得ないと思います。
一方、メーカー内部でも、リストラや効率化によって、「営業」の情報提供力
の低下が問題となっています。充分に商品知識を得たり、プレゼンテーションの技術を
高めることができないと嘆くメーカーさんも多いと聞きます。また、
店舗を巡回するのは、社員ではなくアウトソーシング会社のフィールドスタッフ
だったりします。営業の問題は、B to B の世界でも同じで、その状況の裏返しと
して、営業支援的なWeb活用を考えるメーカーさんも増えています。
◆高まる情報発信ニーズ
こういう状況下、Webサイトには、今まで以上の期待が寄せられています。
「顧客接点」は情報接点でもあります。Webサイトを接点とした情報提供に、
各企業しのぎを削る状況になっています。
◆高まる情報ガード
しかし、情報を受け取るお客様(消費者)の側は、逆に「情報ガード」が高まっています。
食の安全の問題、食だけではないメーカー不信、そして個人情報の問題。
企業から発信される情報の信頼性は落ち、下手に「プッシュ」すれば、その行為自体
が反発を招きかねない、一触即発の事態です。
ボクシングで言えば、両手でガードを固めた状態のお客様(消費者)に、
情報というパンチを打ち込むようなものです。消耗こそすれ、良い結果は望めません。
◆変わっていく?お客様
かといって、お客様は自らのカラに閉じこもってしまったわけではありません。
インターネットの一般化によって、その行動も変化しているようです。
変化というよりも、もともとあったものが顕在化したとも言えると思います。
学問としてのマーケティングの側からも、ネットを契機にした消費者の変化を
捉える研究が進んでいるようです。
慶応大学の濱岡教授は、商品開発に自らかかわっていくようなアクティブコンシューマー
に着目され「共進化マーケティング」という手法を唱えられています。
また、明治学院大学の森田助教授は、自ら「情報価値を生産」する消費者
の動向について研究なさっておられます。
(ご興味あるかたは、ネット検索してみて下さい。)
こういうネットによって、変化というか顕在化した消費者行動に対して
どう対応していくか、マーケターは答えを求められていると言えます。
◆「Webマスター」へのプレッシャー
伝えなければならない情報は増える一方、受け取る側は情報ガードでガチガチに
なっています。さらに、同じネット上で活動する消費者との関係にも
気を配らなければなりません。
こんな状況下、Webマスターへのプレッシャーは極大化していると言っても
過言ではありません。
広報部で、システム部で、販売促進部で、はたまたブランド担当、Eコマース担当
として、Webサイトを任されている方の心の悲鳴が、私には聞こえてきます。
そういう方とお話しするたびに、なんとかしなくちゃいけない、
と思います。走りながら考えるのには、限界があります。
「おまえやれ」って担当者に任す立場の方も、担当者と一緒に呼吸し、考えて
欲しいと思います。
◆同じ立場の方はいっぱいいます
七転八倒しているのは、皆同じです。それだけは知っていただきたいと思います。
がんばれ、Webマスターさん!
今、企業でWebサイトに関わる誰もが悩み、苦しんでいます。
私も、お手伝いさせていただく全ての案件で、もがき苦しみます。
だから、同時にお受けできる案件の数はそう多くありません。
体がもたなくなってくるのです(笑)
絶望的なことを言うようですが、Webサイトを必ず成功させる「魔法」は
ありません。申し訳けありませんが、少なくとも私は知りません。
でも、同じ転がるんでも、転がり方があるような気がするのです。
どっちへ転がったら、解決に近づくか、そんな視点で講座を続けて行きたいと
思います。
それでは、また次回・・・・(不定期更新)
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WEB(直販) → CVS → SM → DgS
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今時、いきなりSMで発売したら価値ある商品は2週間で棚落ち。
価値のある商品はWEBから始めるしかない。悲しいけれどそれが現実。
dangomanに学ぶべき事は多い。
【黒鯛のぼり】商品は冗談ですが、
売り方は本気です(笑)