一昨日の8.16(木)、ディファ有明にてK-1 TRYOUT SURVIVALを観戦しました。一般公募のトライアウト、書類選考で絞った段階の200名弱からいくつかのテスト的試みを経て絞られ、残った者たちに与えられた、さらに大きなステージを掴むための機会。言ってみればこれが格闘技選手としての未来を左右するかもしれない場なわけだから、きっと白熱したいい試合が望めるだろうと思って観に行きました。
全体の印象でいえば、その期待に背かない、闘志と情熱、緊張感の漲った見ごたえのあるファイトがほとんどでした。興行時間は軽いイベントもあったとはいえ16:00から21:00までの約5時間もあったのですが、退屈せず、テンションも保ったまま最後まで観戦できたことが、充実度を示す何よりの証かと。
与えられた機会を逃さず、今までの練習の成果を示して自分の未来を自分の力で拓く。どんな興行、どんな試合であってもそれは恐らくは同じでしょうが、拓ける道筋、開けられる扉が明確な分だけ、選手の必死さもより際立っていたのかなと思います。
今回はオーディションの段階から、元プロスポーツ選手や芸能タレントといった参加者が話題を集めていましたが、そういう選手たちに関して言えば、「やっぱりただの特別扱いか、話題づくりの素材じゃないの」としか思えない人もいれば、他の選手たちと遜色ない頑張りを見せていた人、それぞれだったと思います。
ちょっと残念だったのはその“特別扱い”なだけの人に対して、興行当日も明らかに取材が集中している空気があり、応援団(これは局の仕込みなのか自発的なものなのか知りませんけど)の行動にもやや目に余るものがあったりしたこと。その人の試合の後、もう次の試合の選手がコールを受けてリングインしているにも関わらず大声挙げて騒いだり撮影したりを続けていましたからね。TV局もついているし、イベント的には話題がどうしても必要なのはわかるけど…今回の試みは、K-1のリングを目指して必死に頑張ってきた、真剣に頑張る数多の卵たちに絶好の機会を与え、それを通じて後進をさらに育てるためのものなんですよね?少なくとも私はそう思ってますが。だから、素人がここまで頑張りました良くやりました、なんて評価の対象ではないと思うし、いくら頑張ろうと基準に達していないならリングに上げるべきじゃない。純粋に将来性で判断すれば、他にチャンスを上げていい選手はいくらでもいたと思うしね。
興行後の各マスコミの記事やフジの番組『SRS』を観ても、取り上げているのはそういう有名どころメイン。客寄せパ○ダなんだから仕方ないじゃん、という理屈もわからんではないですが、せめてスポーツマスコミくらいは、そういう選手を持ち上げるのではなく、地道に頑張ってきた選手のほうを取上げてやってほしいなと思いますよ。
ということで、以下、私の観戦記というか感想では、そういう選手の写真をそれぞれ1枚だけでも掲載しようと思います。試合数多かったので詳細は覚えてないものも多くて申し訳ないですが。試合結果はこちらに。
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試合開始前に、中国の少林寺少年団(?)の演舞があって、イベント的にちょっと賑やかしい雰囲気に^^ 今回、トライアウト選手を育てるのに貢献した御大・アーネスト・ホーストが登場して日本語で開会宣言。今回、もうひとりの指導者マイク・ベルナルドは来場していなかったようです。少なくとも姿は見かけませんでしたね。
今回は「日中国交正常化35周年記念7対7親善マッチ」とやらで対中国の選手との試合が前半を占めていたわけですが、中国側の選手、結構皆強かったですー。K-1ルール大丈夫なのか、と事前には思ってたけど、たまに首相撲やスローイングで注意される人がいた程度でした。体格的にも日本人各選手と概ねつりあった相手が組み合わされていて、ミスマッチな感じはあまりしなかったかな。

★日中対抗戦第1試合:伊藤 純 VS 孫 武。第1試合から両者ガンガン前に出て行く、白熱したいい試合でした。伊藤は対抗戦日本人選手の中でのMVPを受賞しています。プロボクシング出身ということでキックは確かにちょっと少なかった気がするけど、面構えもいいし、第1試合として非常にいい試合したと思います。

★日中対抗戦第3試合:山本哲也 VS 黄 何清。前の試合終了後の空気(応援団がいつまでも煩かった)が気になって私がイライラしてたせいか、詳細をあまり覚えていない…申し訳ない^^; 拮抗したいい試合してたはずですが、山本がダウンをとられて取り返せなかったため負けてしまったんだったと思います。相手の黄選手が小柄なんだけど非常に頑丈そうで打たれ強い選手だった記憶が。

★日中対抗戦第4試合:濱田淳史 VS 戦 東偉。チームドラゴン所属で、本職は僧侶でもあるという濱田選手。トランクスの後ろ側にはお寺の名前がw 力強い攻めでこの日初めてのKO勝利。身体もしっかりしているし、なかなかよい感じでした。
今回はチームドラゴン所属選手が総勢4名出ていたので、応援も一際多かったですねー。我々の座っていた席のすぐ隣がチームドラゴンご一行様(尾崎圭司もすぐ近くにいました~)で終始盛り上がってました。

★日中対抗戦第5試合:河野真幸 VS 王 多峰。日本人選手の中でも飛びぬけてデカイ河野の相手は、中国人選手の中でも縦横ボリュームたっぷりの選手。かなり豊かなお腹といい、くりくり頭といい、気合入れるたびに発する奇声といい、イメージ的には‘ジャイアン’そのまんまw でも肉がついてるわりには動けたしすぐ疲れることもなかったですね。
河野は興行開始前の入場式ではプロレスのマスク着用で出てきたりして、今更プロレスラーであることをそういうやり方で主張しなくていいよ…と個人的にはちょっと苦々しく思ったりしたのですが。試合の中でもドロップキックを放ったのには笑っちゃいました。でも1回でよかったよな。2回はやりすぎだから。
河野はコンビネーションとかまだまだで力に頼っちゃってた印象ですが、とにかく体格的に恵まれているのだから、この先もチャンスがあるならもっと技術を磨いて頑張ってほしいと思います。あれこれやろうとせず本腰すえてね。

★日中対抗戦第7試合:富永健義 VS 洪 光。ここまでの6試合で3対3、勝敗のかかった大将戦がこの試合でした。‘有名人’組の中で、私が一番頑張ってるなぁと思えたのが富永でした。身体作りもファイトの内容(勝利への執念、技術とも)でもそう感じました。むしろ、元・欽ちゃん軍団なんちゃらというのを肩書き的につけないであげるほうがいいんじゃないかと。
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ここで休憩に入ったのですが、その前に本部アナウンスで「SRS席のお客様の中で、座席番号を読み上げる以下のお客様は、アーネスト・ホースト○○賞に当選されましたので、この休憩時間に本部席までお越し下さい」との通達が。
この日私はたま子さんとご一緒だったのですが、今まで何度、どこの興行でこういう抽選ものがあってもカスったことすらないクジ運のなさを自覚していた我々、どうせ当たってるわけないしー。と思いつつ一応聞いていたら、なんと、たま子さんの番号が呼ばれたではないですか!「えーッ!」とか二人で騒いでたらどういうわけか続けて、私の番号まで!! 普通、連番で当たらないと思うんだけどなぁ…驚きつつも、何をもらえるのか判らず本部席へ。
そうしたらば係りの人に「はい、じゃあ靴を脱いで、グローブをつけてリングに上がってください」…??? で、リングの上を見たら、そこにはレフェリーと、アーネスト・ホーストの姿が! 景品はモノではなく、リングでホーストとひとりずつ記念撮影できる権利だったのです…もう大びっくり。
びっくりしながらも当然辞退するわけはなく(笑)、グローブをつけ慣れてる私がまずさっさと装着してリング内へ。ホースト氏と私の間にレフェリーが立って、私の右手を高々と掲げているポーズ(つまり、勝ち名乗りを受けているってことですねw)でカメラマンの人が写真を撮ってくれました~。撮影終了後、ホースト氏にお礼。ニッコリ笑って、私が思わず出したグローブに軽くグローブを合わせてくれました。「デカくてやさしげ」という印象でしたね。
撮った写真のうちポラロイドのものはその場でくれたので、もーしばらくそれで盛り上がっちゃいました。料金分は十分元が取れた!とご機嫌のたま子さん、私が撮ってあげた携帯の写真を添付して早速家族や知人にメールしまくりw
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休憩後はK-1 YOUNG JAPAN GP。トーナメントとはいえ参加枠は4名なので、1回戦勝てば次は優勝決定戦。対抗戦ナシで全部トーナメントにしたほうが盛り上がりはあったように思いますが、中国との関係や選手の経歴の差その他色々事情があったんですかね。トーナメント優勝者はK-1のリングに当然一番近くなるとのことで、この4名はいずれも格闘技経験者かつ実績のある選手。本当はここに堀 啓が出る予定だったと思うのですが、彼が出ずに佐藤匠(極真会館所属:K-1のリザーブファイトに出た経験があるようです)が出場。


★第8試合 K-1 YOUNG JAPAN GP1回戦: 高萩ツトム VS 佐藤匠。青いグローブが高萩、赤いグローブが佐藤です。高萩も181cmで97kgといい体格してるんですが、対する佐藤がでかいし、ずっしりと重そう。身体つきはどちらかというともっちり系だし、表情がわかりづらくて(極真系の大きい選手にありがちというか、ちょっとピチュクノフの無表情さに通じるというか…w)、そのせいか鋭い感じがあまりしないのですが、地力があるとというか、攻撃が重たいのかな。最初は高萩のほうがよく動いていたし、手数でも負けてなかったと思うのですが、徐々に佐藤が圧力をかけて押してきて、最後はそのパワーが勝ったという感じでした。


★第9試合 K-1 YOUNG JAPAN GP1回戦: 百瀬竜徳 VS 強太郎レンジャー。強太郎はいつもそうみたいですが、この日も奇妙ないでたち(マスク装着、でっかい浮き輪を肩にひっかけて)で登場。まぁ髪型だけでも十分インパクトあるんですけどねw 彼がチームドラゴン所属なので、応援席はまた大賑わい。
私は百瀬を応援していた、というのはうちの師匠が対戦したことがある相手だったりとかその他色々細かい理由はあるんだけど、もう長くキックで頑張ってる選手なので、ここで結果出して欲しかったですし。チームドラゴン席の隣でひとり「百瀬!」と頑張って応援しました。
強太郎は最初からローキックをどんどん入れていくスタイル。自分の距離をキープして動き回り、キックを重ねていくのが上手い。百瀬は色白なのでみるみる腿が赤く。パンチの重さや有効性でいえば、百瀬のほうが上回っていたと思うんだけど、何か一発狙っていたのか、ちょっと百瀬は見すぎてしまった感があり…これという決め手に欠けてしまったかなぁと。結果、判定で強太郎の勝利。


★第10試合リザーブマッチ:杉本幸績 VS ジャクソン・ビアフラ。今回、私が日本人選手の中で非常にいいなぁと思ったのがこの杉本。出て来た時、背は高いのですが体格的にちょっとまだ頼りないかなーと思ったのですが、これが気が強いしとにかく休まない、前に出て行くバッチバチのファイトスタイル。アグレッシブなんだけど、ただがむしゃらという感じでもなく、ちゃんと考えて、見て攻めている印象を受けました。対するジャクソンも前に出る戦い方だったので双方噛みあったのか、フルラウンド、両者常に打ち合っているという印象で迫力ありましたねー。絶対に勝ってやる!という意地のぶつかり合い。面白かったです。
判定はスプリットでしたが杉本勝利。リングを降りたジャクソン、悔し泣きかタオルで顔を覆っていました。

★第11試合 スーパーファイト:西脇恵一 VS アリ・レザ。西脇はシュートボクシング参戦経験ありだからなのか、ロングタイツ姿。対するレザはムエタイのスタイル(でも経歴ではボクシングと空手みたいだけど…)。レザがとにかくキック蹴りまくり。ハイキック、ロー、前蹴りとスピード感のあるキックをどんどん繰り出して圧倒、とびヒザまで出してくるので、西脇が全然入っていけない。結局最後まで、アリ・レザのペースで試合されてしまった感じでしたね。

★第12試合 スーパーファイト:山宮恵一郎 VS 洪 太星。何が気になったって、2階の手すりに「GRABAKAの絶倫王・山宮恵一郎」という垂れ幕があったことでしょうかw
試合は極真の選手である洪がミドルキックとブラジリアンハイキックを中心に攻めてくるので、山宮がなかなか思うように動けず。それでもパンチを出して攻める場面もあったんですが…キックで、ダウンを確か二度とられてしまったかな。後半、どちらも疲れたのか警戒したのか、クリンチが非常に多くなってしまったのが残念でした。
★第13試合 K-1 YOUNG JAPAN GP決勝戦: 佐藤 匠 VS 強太郎レンジャー。

1回戦とは違うコスプレ?で登場した強太郎。目玉オヤジ…
リングサイド西側はもうチームドラゴン一色という感じ。

体格のよさもあると思うけど、立ってるだけで圧力があるタイプですね、佐藤。



強太郎は1回戦同様、とにかくよく動いて、ローを何度もあてて相手の動きを止めていく
スタイル。佐藤は重たい攻撃をガードの上からでもあてていくけれど、
強太郎がよく動くのでなかなか思うようにいかないような印象。
うーんどうなるかなぁと思っていたら、3R目に入って佐藤のパンチが強太郎の
顔面に決まり、最後にきて佐藤が追いつめる場面に。
そこで試合終了、判定は完全にスプリットで延長に。
しかし、3R終わった時点で強太郎がコーナーで崩れるように座り込んで
しまったので、ああこれはもう厳しいかなあ、とこの時点では思いました。

延長に入る前の僅かな時間、前田氏始めチームドラゴンのセコンドが強太郎のケアをし、
励ます。前田氏が強太郎の顔を両手で挟み込むようにして熱心に何か言っていたのが
印象的でした。澤屋敷選手もこの日はずっとチームのセコンド。

延長戦、あれだけぐったりしていた強太郎が、どこにあれだけ力を残していたのかという
頑張りを見せました。その勢いに押され、佐藤は徐々に防戦一方に。
自分のスタイルで戦えずに相手に動かされてしまう展開になると、それまで
頑張って抑えていた疲れがどっと出てきたりしちゃうんですが、そんな感じに
なってしまったのかなー。最後は完全に強太郎ペースで攻め込まれていました。

判定3-0で強太郎レンジャーの勝利!

ここがゴールではなく、ここが始まりなわけですが、強太郎はまだ若いですから
きっと期待できますね。
今後もこういう試みが続くよう、頑張ってほしいと思います。
←参戦中!
全体の印象でいえば、その期待に背かない、闘志と情熱、緊張感の漲った見ごたえのあるファイトがほとんどでした。興行時間は軽いイベントもあったとはいえ16:00から21:00までの約5時間もあったのですが、退屈せず、テンションも保ったまま最後まで観戦できたことが、充実度を示す何よりの証かと。
与えられた機会を逃さず、今までの練習の成果を示して自分の未来を自分の力で拓く。どんな興行、どんな試合であってもそれは恐らくは同じでしょうが、拓ける道筋、開けられる扉が明確な分だけ、選手の必死さもより際立っていたのかなと思います。
今回はオーディションの段階から、元プロスポーツ選手や芸能タレントといった参加者が話題を集めていましたが、そういう選手たちに関して言えば、「やっぱりただの特別扱いか、話題づくりの素材じゃないの」としか思えない人もいれば、他の選手たちと遜色ない頑張りを見せていた人、それぞれだったと思います。
ちょっと残念だったのはその“特別扱い”なだけの人に対して、興行当日も明らかに取材が集中している空気があり、応援団(これは局の仕込みなのか自発的なものなのか知りませんけど)の行動にもやや目に余るものがあったりしたこと。その人の試合の後、もう次の試合の選手がコールを受けてリングインしているにも関わらず大声挙げて騒いだり撮影したりを続けていましたからね。TV局もついているし、イベント的には話題がどうしても必要なのはわかるけど…今回の試みは、K-1のリングを目指して必死に頑張ってきた、真剣に頑張る数多の卵たちに絶好の機会を与え、それを通じて後進をさらに育てるためのものなんですよね?少なくとも私はそう思ってますが。だから、素人がここまで頑張りました良くやりました、なんて評価の対象ではないと思うし、いくら頑張ろうと基準に達していないならリングに上げるべきじゃない。純粋に将来性で判断すれば、他にチャンスを上げていい選手はいくらでもいたと思うしね。
興行後の各マスコミの記事やフジの番組『SRS』を観ても、取り上げているのはそういう有名どころメイン。客寄せパ○ダなんだから仕方ないじゃん、という理屈もわからんではないですが、せめてスポーツマスコミくらいは、そういう選手を持ち上げるのではなく、地道に頑張ってきた選手のほうを取上げてやってほしいなと思いますよ。
ということで、以下、私の観戦記というか感想では、そういう選手の写真をそれぞれ1枚だけでも掲載しようと思います。試合数多かったので詳細は覚えてないものも多くて申し訳ないですが。試合結果はこちらに。
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今回は「日中国交正常化35周年記念7対7親善マッチ」とやらで対中国の選手との試合が前半を占めていたわけですが、中国側の選手、結構皆強かったですー。K-1ルール大丈夫なのか、と事前には思ってたけど、たまに首相撲やスローイングで注意される人がいた程度でした。体格的にも日本人各選手と概ねつりあった相手が組み合わされていて、ミスマッチな感じはあまりしなかったかな。

★日中対抗戦第1試合:伊藤 純 VS 孫 武。第1試合から両者ガンガン前に出て行く、白熱したいい試合でした。伊藤は対抗戦日本人選手の中でのMVPを受賞しています。プロボクシング出身ということでキックは確かにちょっと少なかった気がするけど、面構えもいいし、第1試合として非常にいい試合したと思います。

★日中対抗戦第3試合:山本哲也 VS 黄 何清。前の試合終了後の空気(応援団がいつまでも煩かった)が気になって私がイライラしてたせいか、詳細をあまり覚えていない…申し訳ない^^; 拮抗したいい試合してたはずですが、山本がダウンをとられて取り返せなかったため負けてしまったんだったと思います。相手の黄選手が小柄なんだけど非常に頑丈そうで打たれ強い選手だった記憶が。

★日中対抗戦第4試合:濱田淳史 VS 戦 東偉。チームドラゴン所属で、本職は僧侶でもあるという濱田選手。トランクスの後ろ側にはお寺の名前がw 力強い攻めでこの日初めてのKO勝利。身体もしっかりしているし、なかなかよい感じでした。
今回はチームドラゴン所属選手が総勢4名出ていたので、応援も一際多かったですねー。我々の座っていた席のすぐ隣がチームドラゴンご一行様(尾崎圭司もすぐ近くにいました~)で終始盛り上がってました。

★日中対抗戦第5試合:河野真幸 VS 王 多峰。日本人選手の中でも飛びぬけてデカイ河野の相手は、中国人選手の中でも縦横ボリュームたっぷりの選手。かなり豊かなお腹といい、くりくり頭といい、気合入れるたびに発する奇声といい、イメージ的には‘ジャイアン’そのまんまw でも肉がついてるわりには動けたしすぐ疲れることもなかったですね。
河野は興行開始前の入場式ではプロレスのマスク着用で出てきたりして、今更プロレスラーであることをそういうやり方で主張しなくていいよ…と個人的にはちょっと苦々しく思ったりしたのですが。試合の中でもドロップキックを放ったのには笑っちゃいました。でも1回でよかったよな。2回はやりすぎだから。
河野はコンビネーションとかまだまだで力に頼っちゃってた印象ですが、とにかく体格的に恵まれているのだから、この先もチャンスがあるならもっと技術を磨いて頑張ってほしいと思います。あれこれやろうとせず本腰すえてね。

★日中対抗戦第7試合:富永健義 VS 洪 光。ここまでの6試合で3対3、勝敗のかかった大将戦がこの試合でした。‘有名人’組の中で、私が一番頑張ってるなぁと思えたのが富永でした。身体作りもファイトの内容(勝利への執念、技術とも)でもそう感じました。むしろ、元・欽ちゃん軍団なんちゃらというのを肩書き的につけないであげるほうがいいんじゃないかと。
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ここで休憩に入ったのですが、その前に本部アナウンスで「SRS席のお客様の中で、座席番号を読み上げる以下のお客様は、アーネスト・ホースト○○賞に当選されましたので、この休憩時間に本部席までお越し下さい」との通達が。
この日私はたま子さんとご一緒だったのですが、今まで何度、どこの興行でこういう抽選ものがあってもカスったことすらないクジ運のなさを自覚していた我々、どうせ当たってるわけないしー。と思いつつ一応聞いていたら、なんと、たま子さんの番号が呼ばれたではないですか!「えーッ!」とか二人で騒いでたらどういうわけか続けて、私の番号まで!! 普通、連番で当たらないと思うんだけどなぁ…驚きつつも、何をもらえるのか判らず本部席へ。
そうしたらば係りの人に「はい、じゃあ靴を脱いで、グローブをつけてリングに上がってください」…??? で、リングの上を見たら、そこにはレフェリーと、アーネスト・ホーストの姿が! 景品はモノではなく、リングでホーストとひとりずつ記念撮影できる権利だったのです…もう大びっくり。
びっくりしながらも当然辞退するわけはなく(笑)、グローブをつけ慣れてる私がまずさっさと装着してリング内へ。ホースト氏と私の間にレフェリーが立って、私の右手を高々と掲げているポーズ(つまり、勝ち名乗りを受けているってことですねw)でカメラマンの人が写真を撮ってくれました~。撮影終了後、ホースト氏にお礼。ニッコリ笑って、私が思わず出したグローブに軽くグローブを合わせてくれました。「デカくてやさしげ」という印象でしたね。
撮った写真のうちポラロイドのものはその場でくれたので、もーしばらくそれで盛り上がっちゃいました。料金分は十分元が取れた!とご機嫌のたま子さん、私が撮ってあげた携帯の写真を添付して早速家族や知人にメールしまくりw
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休憩後はK-1 YOUNG JAPAN GP。トーナメントとはいえ参加枠は4名なので、1回戦勝てば次は優勝決定戦。対抗戦ナシで全部トーナメントにしたほうが盛り上がりはあったように思いますが、中国との関係や選手の経歴の差その他色々事情があったんですかね。トーナメント優勝者はK-1のリングに当然一番近くなるとのことで、この4名はいずれも格闘技経験者かつ実績のある選手。本当はここに堀 啓が出る予定だったと思うのですが、彼が出ずに佐藤匠(極真会館所属:K-1のリザーブファイトに出た経験があるようです)が出場。


★第8試合 K-1 YOUNG JAPAN GP1回戦: 高萩ツトム VS 佐藤匠。青いグローブが高萩、赤いグローブが佐藤です。高萩も181cmで97kgといい体格してるんですが、対する佐藤がでかいし、ずっしりと重そう。身体つきはどちらかというともっちり系だし、表情がわかりづらくて(極真系の大きい選手にありがちというか、ちょっとピチュクノフの無表情さに通じるというか…w)、そのせいか鋭い感じがあまりしないのですが、地力があるとというか、攻撃が重たいのかな。最初は高萩のほうがよく動いていたし、手数でも負けてなかったと思うのですが、徐々に佐藤が圧力をかけて押してきて、最後はそのパワーが勝ったという感じでした。


★第9試合 K-1 YOUNG JAPAN GP1回戦: 百瀬竜徳 VS 強太郎レンジャー。強太郎はいつもそうみたいですが、この日も奇妙ないでたち(マスク装着、でっかい浮き輪を肩にひっかけて)で登場。まぁ髪型だけでも十分インパクトあるんですけどねw 彼がチームドラゴン所属なので、応援席はまた大賑わい。
私は百瀬を応援していた、というのはうちの師匠が対戦したことがある相手だったりとかその他色々細かい理由はあるんだけど、もう長くキックで頑張ってる選手なので、ここで結果出して欲しかったですし。チームドラゴン席の隣でひとり「百瀬!」と頑張って応援しました。
強太郎は最初からローキックをどんどん入れていくスタイル。自分の距離をキープして動き回り、キックを重ねていくのが上手い。百瀬は色白なのでみるみる腿が赤く。パンチの重さや有効性でいえば、百瀬のほうが上回っていたと思うんだけど、何か一発狙っていたのか、ちょっと百瀬は見すぎてしまった感があり…これという決め手に欠けてしまったかなぁと。結果、判定で強太郎の勝利。


★第10試合リザーブマッチ:杉本幸績 VS ジャクソン・ビアフラ。今回、私が日本人選手の中で非常にいいなぁと思ったのがこの杉本。出て来た時、背は高いのですが体格的にちょっとまだ頼りないかなーと思ったのですが、これが気が強いしとにかく休まない、前に出て行くバッチバチのファイトスタイル。アグレッシブなんだけど、ただがむしゃらという感じでもなく、ちゃんと考えて、見て攻めている印象を受けました。対するジャクソンも前に出る戦い方だったので双方噛みあったのか、フルラウンド、両者常に打ち合っているという印象で迫力ありましたねー。絶対に勝ってやる!という意地のぶつかり合い。面白かったです。
判定はスプリットでしたが杉本勝利。リングを降りたジャクソン、悔し泣きかタオルで顔を覆っていました。

★第11試合 スーパーファイト:西脇恵一 VS アリ・レザ。西脇はシュートボクシング参戦経験ありだからなのか、ロングタイツ姿。対するレザはムエタイのスタイル(でも経歴ではボクシングと空手みたいだけど…)。レザがとにかくキック蹴りまくり。ハイキック、ロー、前蹴りとスピード感のあるキックをどんどん繰り出して圧倒、とびヒザまで出してくるので、西脇が全然入っていけない。結局最後まで、アリ・レザのペースで試合されてしまった感じでしたね。

★第12試合 スーパーファイト:山宮恵一郎 VS 洪 太星。何が気になったって、2階の手すりに「GRABAKAの絶倫王・山宮恵一郎」という垂れ幕があったことでしょうかw
試合は極真の選手である洪がミドルキックとブラジリアンハイキックを中心に攻めてくるので、山宮がなかなか思うように動けず。それでもパンチを出して攻める場面もあったんですが…キックで、ダウンを確か二度とられてしまったかな。後半、どちらも疲れたのか警戒したのか、クリンチが非常に多くなってしまったのが残念でした。
★第13試合 K-1 YOUNG JAPAN GP決勝戦: 佐藤 匠 VS 強太郎レンジャー。

リングサイド西側はもうチームドラゴン一色という感じ。




スタイル。佐藤は重たい攻撃をガードの上からでもあてていくけれど、
強太郎がよく動くのでなかなか思うようにいかないような印象。
うーんどうなるかなぁと思っていたら、3R目に入って佐藤のパンチが強太郎の
顔面に決まり、最後にきて佐藤が追いつめる場面に。
そこで試合終了、判定は完全にスプリットで延長に。
しかし、3R終わった時点で強太郎がコーナーで崩れるように座り込んで
しまったので、ああこれはもう厳しいかなあ、とこの時点では思いました。

励ます。前田氏が強太郎の顔を両手で挟み込むようにして熱心に何か言っていたのが
印象的でした。澤屋敷選手もこの日はずっとチームのセコンド。

頑張りを見せました。その勢いに押され、佐藤は徐々に防戦一方に。
自分のスタイルで戦えずに相手に動かされてしまう展開になると、それまで
頑張って抑えていた疲れがどっと出てきたりしちゃうんですが、そんな感じに
なってしまったのかなー。最後は完全に強太郎ペースで攻め込まれていました。


きっと期待できますね。
今後もこういう試みが続くよう、頑張ってほしいと思います。

K-1やHERO'Sはまだ勝ち負けが厳然とあって現実から乖離することがないからいいですけど、プロレスはもはや勝ち負けが意味を成さないところまで来ているような気がします。
マッスルやハッスルなどは試合すら舞台装置の一部で、練られた仕掛けの妙はあってもそれがなんらかの重さを持って尊敬され語り継がれる要素は限りなく削られているように思います。
マクロ的に観た場合、良心的なファンは勝ち負けが信用されなくなって内容を見るようになり、「強さ」を試合運びや受けの強さや技の多彩さに見るようになりました。
プロレスから去っていったファンの多くは勝ち負けが操作される事に幻滅してPRIDEに奔って「世界最強のリング」に酔っていったのです。
常々、プロレスの復興はこの「勝ち負けが操作される世界」からの脱却なくしてはありえないと思っているのですが、現実はどんどん逆の方向へと進んでいっています。観衆が減りマニア化してどんどんエンタメ化しています。
きちんと頑健でタフネスで個性的なホンモノのプロレスラーを養成する事。そして本気で闘う事。同じ相手と100回負けても101回目には勝てるように前を向いて諦めない事。
「勝負論」が厳然とあればマンネリなど起こらない事は、大相撲でもサッカーでもゴルフでもテニスでも野球でも全部きちんと証明しています。プロレスがなぜそこから逃げようとするのか、逃げた結果がホールの空席になってリバウンドしているのに何故気がつかないか、武藤社長に聞いてみたいものです。痛くてキツいのが嫌だったら社長業に専念して欲しいですし、痛くてキツイのが嫌だったらプロレスやる資格があるのかって、インディの皆様に言いたいです。
もう誤魔化してやっていけるほどプロレスのパイは大きくありませんから。
オトナの事情に目をつぶらなくてはビジネスとして成立しないんでしょうなぁと年齢的には十分大人な私はひとりのファンとして思います。思いますが、だとしてももう少しセンスのいいやり方ってないのかなーといつもいつも感じてしまうんですね。観ていて不快にしかならないような拙劣さは、観る側を甘く見ているように思えてなりませぬ。と、腹を立てるのが私のコドモな部分なんでしょうけどね~。
プロレスに関しては―マッスルやハッスルに業界がすり寄ってる印象を受けるのはかなりヤバイなぁと感じます。ちょっと話題や人気を呼ぶとなると、おいしいとこどりのような形であやかろうとする。それとも「乗り遅れまい」という焦りなんでしょうか。
いしかなさんの言う「きちんと頑健でタフネスで個性的なホンモノのプロレスラー」や、その卵がいないとは思わないんですよ。いると思うけど、その数が足りない、あるいは対戦相手や場に恵まれないから育たない、育ちきらないのではないかと。
K-1やPRIDEのような、勝敗が厳然と突きつけられその重みがずっしりと常にのしかかるような世界観。それと同じものをプロレスには求められない。プロレスは懐が深い(深かった)がゆえに、独特な勝負論、独特な世界観を築き、維持しなくてはならないんではないかと思います。それってすごく大変なことですよね…だからこそ、それが結実した稀有な試合を見せてもらった時の感動が大きいんですけど。その実りを手にするには…