日本を罵る中国人は醜い。中国を罵る日本人も同程度に醜い。隣国を非難して止まないこうした下等人類は日中双方に同程度の比率で存在する。かつその比率は年々増加している。アジアの道徳的堕落が進行しているのだ。だが絶望するのはまだ早い。日本にも朝鮮にも中国にもアジア主義は生き続けている。
アジア主義とは誰が最初に言い出した言葉なのか。それは私は知らない。だが、はっきりとアジア主義という論題を掲げて公衆の面前で演説した人間がいる。孫文である。
「惟うに我亜細亜というのは即ち世界文化の発祥地である、世界最初の文化は即ち亜細亜から発生したのであります(拍手)今日欧羅巴の一番古い文化の国である所の希臘の文化にしても、又羅馬の文化にしましても、夫等の文化は総て亜細亜の文化から伝えられたのであります(略)。
東洋の文化はこの四百年において確に欧洲文化に及ばないけれども、彼等の文化というのは何であるかというと、即ち唯物質的文化であり、又武備武力によって現れる所の文化である(拍手)即ち亜細亜の昔の言葉を以て評すると、欧洲の文化というのは霸道を中心とする文化でありまして、我亜細亜文化とゆうのは王道であります(略)。
この大亜細亜主義というのは何を中心としなくちやならぬかというと、即ち我東洋文明の仁義道徳を基礎としなくてはならぬのである(拍手)勿論今日は我々も西洋文化を吸取しなくてはならぬ、西洋の文化を学ばなくてはならぬ、西洋の武力的文化を採り入れなければならないけれども、我々が西洋文化に学ぶというは決して之を以て人に圧迫を加えるのでなく我々は単に正当防衛のために使うのである、欧洲の武力による文化を学んで非常に進んだのは即ち日本でありまして、今日日本の海軍力も陸軍力も自国の人により自国の技術により、製造力により海軍をも用い、又陸軍をも完全に運用し得たのである。
そうして又西の方におきましてモウ一ツ土耳其という国があります、これは欧洲戦争の時には独逸に加担して、そうして負けましてから殆ど欧洲各国に分割される境遇になったのであるが、彼等国民の努力獲闘によりまして、之を打破して全く完全なる独立を今日得たのである、即ちこの亜細亜の東において日本あり、又西においては土耳其あり、この二ツの国は即ち亜細亜の一の防備であり、亜細亜の最も信頼すべき番兵である。」(「大アジア主義」孫文氏演説 戴天仇氏通訳)
このようにして大正一三年神戸において孫文は、日本とトルコがアジア主義を支える二本の柱であることを闡明した。この事実はいまもかわらない。日本とトルコの間には堅き友愛の絆が現に存在する。その友愛の歴史的根拠こそ孫文云うところのアジア主義なのである。
オリンピックの開催地を巡ってイスタンブールと東京が争っている。2020年度オリンピックはトルコと日本の共催に決定した。たとえイスタンブールと東京どちらの都市に決まろうとその事実は動かせない。日本はトルコが好きだしトルコは日本を愛しているのだから。アジア主義再建の要石は日本とトルコの絆の内に置かれている。日本とトルコの友愛は永遠に不滅である。
★孫文と宮崎滔天の友愛がアジア主義の土台を築いた★
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そうなるといいですね。その可能性もあり・・・かな?
孫文には未来がみえていたんでしょう。