Panorama Japan

映像作家・原田大三郎のパノラマ写真ブログ

認識

2009-04-06 02:43:11 | パノラマ・写真
パノラマを撮るようになって、以前よりもなおいっそう雲の状態が気になりだし
た。雲ひとつない晴天だと、パノラマ的に空のステッチがうまくいかなくて逆に
ダメなのです。いい感じに空全体に雲があったほうが都合がいい。
で、最近思うのが、子供の時は、空に浮かぶ雲を見ているだけで何時間も過ごせた
のに、今はそういう体験がないっていうこと。雲の形が色々な形に見えて想像の
世界に延々浸ることが出来た。小中校の時にいつも先生から、「授業中、いつも
窓の外の明後日の方を見てる」って言われていました。


でも「明後日を見てる・・・」って良くない?!「一昨日を見てる」って言われる
よりも、未来を透視しているようで(^^);


で、最近は、パノラマの撮影時の件のように、雲を見ても、コントラス感とか
色味とか、何ミリで撮るとどういう感じになるか、とかそういう技術的な部分に
眼が奪われて、子供の時のような、有機的な形体に思いを寄せ、想像力を膨らませ
るような認識の仕方が出来なくなってしまったような気がします。
すべてを”映画的”というか”テレビ的”というか、そういう既存の、刷り込まれ
た映像手法によって世界を認識するようになっている。
いつ頃からこういう感じになってしまったのでしょうね・・・

空間を感じるとか、認識するとか、自然の中にあるパターンを感じるっていう
ときには、注視するのではなく、ボヤッと見る・・・そこはかとなく見る・・・
そういう見方が必要だと思います。
そうすると、時々、世界やその環境と自分がシンクロしているような感じに
なることがある。それは視覚的な体験というよりも、もっと肉体的な体験、、、
そう、そういう感じがすばらしい。

あの感じは忘れたくないです。
というか思い出したいです。



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