Panorama Japan

映像作家・原田大三郎のパノラマ写真ブログ

連日

2009-05-26 23:51:00 | 大学
最近、妙に大学関係が忙しくて少々お疲れモードです。
大学に連日通うと社会から疎外されたような感覚になるのは何故でしょう・・・
良くないっすよね。

「宇宙消失」

2009-05-26 01:07:36 | 
90年代を代表するSF作家として評判のグレッグ・イーガンの「宇宙消失」を読む。
一度短編を読んで、いまいちフィットしなかったので敬遠していたのですが、
とにかく評判が高いのでやっぱり読まないと、、、と思って手に取る。
さすが評判に反せず非常に知的ですばらしアイデアに溢れた作品です。
内容は、以前ブログで紹介したロバート・チャールズ・ウイルスンの「時間封鎖」
に似ていて、ある時地球が正体不明のバブルと呼ばれる暗黒物体に覆われるという
状況設定です。「時間封鎖」と同じようにこのバルブの正体は最後まで、明確に
なることはありません。ところが要素はこの巨大なバブルだけではなく、有名な
”シュレシンガーの猫”のたとえ話で引き合いに出される量子力学における、
”観測問題”。またイーガンお得意のナノテクを駆使したサイバーパンクな匂い。
ひとつだけでも十分なのに、この三つの要素が複雑に絡み合って、最後は、
「ブラッド・ミュージック」を彷彿とさせるカタストロフィで幕を閉じる、、、
やっぱ評判高いだけあって、なかなかSF的醍醐味に溢れる作品に仕上がって
います。
ただ、個人的には、あんまりサイバーパンクは好きじゃないので、香港が舞台に
なっているところは出た出た!っていう感じがしてしまいます。
サイバーパンク=アジアっていう図式はもう古いっすよね。