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今朝は、T様家の耐震リフォーム現場へ。
耐震リフォームと言っても、本格的に完全にするのは相当な予算がかかりますから、今の和室(座敷)の風情やデザインも崩さずに上手く考えて、出来る範囲で。
という方針。
「ぐしゃっと倒れなければイイので、後は、あまり大層にならない様に、それから座敷の風情を壊さないように、大彦さんに任せるわ。上手く考えてね。」
というお客様のお言葉であります。
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まず構造計算して(構造専門の先生にも相談して)、既存座敷のデザインや納まりを考え合わせて、
出来るだけさわる部分は少なくして、得られる耐震の効果は大きくなる様に。と筋交いを足す壁等を決めました。
そもそも古い和室は、柱が全て見えていますし(「真壁」と言います)、そのチリも大きいから(まあ聞き流して下さい)、壁厚が薄いです。
その壁も土塗り壁だし、そこに長押や回り縁(これも聞き流して下さい)等の木があちらこちらに付いてきてるので、
普通の洋間のお部屋の「壁を壊して、そこに筋交いを入れる」の様に簡単にいきません。
そりゃ、その和室(座敷)を全て壊して裸にして、新たに造り直す。ならまだ簡単だし、また「耐震」というなら、そこまで完全にやらなければ。というご意見も分かります。
だけど、長年築いてきた風情。というものもありますし、また予算の問題もありますから、「耐震」とくればその部屋壊してやり直さなきゃできない。とばかりなるのも、ちょっと。。。
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だから、出来うるだけ座敷への影響も少なくして、筋交いを入れていこうという事で、始まったわけですが、、、、
まあ、はっきり言って、『言うは易し。行なうは難し。』なのです。
図面上の話では、
「この壁壊して、筋交い入れて、だけど座敷の天井はさわらずに残す。座敷のこの部分に柱は足すけど、前の障子やフスマを使える様にする。」
など簡単に書けますが、
実際、それをする大工さんは、
「古い木等を残したママ、また再利用するなら、どういう風に、柱を入れるのか?筋交いを入れるのか?筋交いと柱・土台を止める金物はどういう物を使って、どう止めるのか?」
等等、色々本当に大変です。。
当然、それらは現場で大工さん達と打ち合わせしながら・相談しながら決めるから、
「図面はこれ。後は上手くやっておいて」なんて事は、うちの場合絶対にありませんが、
それでも、結局、とどのつまり、最後は大工さんの腕。まさしくそれ。であります。
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古い木は残したママ新たに柱を入れて、筋交いを入れています。
座敷や縁の天井は残したママ、柱を入れています。
以前の障子やフスマも使える様に、また長い年月にて生み出された風情のある木(ココではカモイやシキイ)も、そのまま使える様に、再加工してつけています。
この写真では、なかなか伝わりませんが、和室の納まりや既存のフスマ障子の再利用の仕方、既存土台や梁と新柱・梁・筋交いとの接合、
本当に上手く納めてくれています。
完全に手前味噌ですが(笑)、
うちにとって、「こんな手(大工さん)が自社にいる。」という事は、最大の強みであります。
いくら偉そうに、設計がどうだ。とかデザインがどうだ。とか言っても、結局それをきっちりと仕事できる人がいなければ、そもそも全く話にならないわけで、
その点、僕は大変恵まれており、とってもありがたい事です。
うちはずっと昔から、「腕の良い大工のいる店」でして、どこまでいってもやっぱりそれが原点だな~。
また、新しい若い人にも入ってもらって、棟梁に仕込んでもらって、新しい良い大工さんを育てていかなきゃな~。
なんて、現場を見ながら考えておりました(笑)
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その後、午後からは、Si様家の地盤調査に立ち合わせてもらって(ありがとうございます)、
その帰り、「なんか良い建築本でも出てないかな~」と本屋さんによる。
大尊敬する建築家吉村順三先生の本が出てまして、それは即買いですから、手に持って、後は建築コーナーの本をパラパラと見る。
スゴイ建築家の方もたくさん並んでおりますが、中には別に大した事ない方(なんて僕が偉そうに言えませんが。。)も色々立派な事述べてるし、
更には、地元建築家○○人。なんて来ると、
そりゃまぁ~。あ~。う~ん。なんて方もたくさんいらして、
それにひきかえ、
大工さんの本。って少ないんですよね。
中村○○棟梁。とか、平田○○棟梁、西岡○○棟梁、等超名人級の方になりますと、ありますが。。
やっぱり、大工さん職人さん。って表に出てこないし、フィーチャーされないんですよね。
公平な目で見て、あの設計士が載るなら、あの大工さんもこの職人さんも紹介されなきゃいけない。っていう人が一杯います。
明らかに力量の劣る設計士が、無名だけどきっちりとした腕の良い大工さん職人さんに、「そりゃちょっと間違っちゃいないかい?」という事を偉そうに指示する。
なんて事は案外ある事です。
また、先日行って来た「一級建築士の定期講習会」で、回りのお偉い?設計士の先生方の「大工に指示してやった。とか、あの大工がどう。大工なんてどうだ。」等、「おおっ~あんたが言うね~~」っていう腹立たしい世間話も思い返されたりして、
『何だかな~~』
なんて、思いながら、車を運転しておりました(笑)
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