題詠blog2011

こちらは「題詠blog2011」の会場です。どなたでも自由にご参加いただけます。

017:失

2010-12-29 | 011-020の歌
「017:失」の歌は、こちらにトラックバックしてください。

「失敗」「失う」などの「失」です。「矢」「先」などとの読み違いにご注意ください。

017:失(西巻真) (ダストテイル-短歌と散文のブログ-)
失望といふ名の電車はあつたかな、ひかつてゐるよヨドバシカメラ

017:失う(tafots) (許せないなら許さなくていい)
去年から『ZERO』の下巻を見ていない 失くしたものに満ちている部屋

017:失(木下侑介) (BULLET IN A LINDA LINDA LINDA)
参照記事:017:失 失った光を君のパンティで包めば優しい朝が来そうで

017 失 (映子) (映子のブログ)
失った 時間は元に 戻せない   飲み放題だ 豚汁パーテイー

017:失(夏実麦太朗) (麦太朗の題詠短歌)
失敗をたくさんしろと言うけれどそうもいかないことは知ってる

017:失(西中眞二郎) (しなやかに、したたかに、無責任に・・・西中眞二郎雑記帳)
入日いま山に隠れて唐突に滋賀の家並は光失う

017:失(猫丘ひこ乃) (ふりつむ☆ぷりずむ別館)
遺失物係の晩は中央の入れ歯置き場のコーラスを聴く

017:失(浅草大将) (和歌の浦浪)
失ひし人は帰らずいたづらにおのが命のなが田逝くとも...

017:失(まるちゃん2323) (まるちゃん2323のブログ)
失った恋の余韻に涙する風温みても余白冷たく

017:失(紫苑) (紫苑がさね)
失衡の予感をはらむゴンドラに差し向かひつつふたり黙(もだ)せる

017:失(草間環) (前略草々)
わたしたち失くした夢をまた今日も見つけてみよう大切だから

[題詠blog2011]017:失(成瀬悠太) (さんじゅういち×えぬ)
失ってはじめてわかるかなしみを埋めようとするマイルドセブン

017:失(吾妻誠一) (闇の太陽)
守れずに失ったもの消えないで心の嵩を零れ滴る

017:失 (オリーブ) (貝がらの小舟)
花殻(はながら)のボートは櫂を失って 虚ろなぼくら沖へ流しゆく

017:失 (みずき) (空)
失ひし総て数ふる手のひらに愛の欠落きりきりとあり

017:失(さと) (すばらしい日々)
私達の今も 失われた十年として誹られるだろうか 

017:失(薫智) (闇の煌めく世界)
もう二度と失うことがないように君に伝える僕の軌跡を...

017:失(こはぎ) (こはぎうた)
手の中で失われていくその光 届かないままでいればよかった

017:失(飯田彩乃) (陸を離れる)
失ひしことも失はせしことも無きことなれば笑み交差せり

017:失(帯一鐘信) ()
 失って現れるものそれこそが面倒なのと諭す渦巻き

017:失(南野耕平) (ボクといっしょに走りま専科)
来た道を振りかえりつつそれぞれの角で失くしたものを弔う

017:失(アンタレス) (思い出ずるままに)
初恋は淡雪の如く消えてゆき失恋の思いわれは覚えず

017:失(たえなかすず) (Strawberry Fields Forever)
指の先ふるえた矢先夜の先失恋以上失恋未満...

017:失(畠山拓郎) (風のゆくへは)
失恋の特集を読む夜であるバレンタインの義理チョコを食べ

017:失 (きれいなものさがし)
失恋とさへも呼べない感情をもてあましたる星降る夜に

017:失(弥慧) ()
失意でも夜の闇から陽がのぼる東方からの光届いて

017:失(螢子) (雪月花)
失った恋想い出にならぬままひとり歩きする三年の時

017:失(はこべ) (梅の咲くころから)
失敗の短歌をながめ思案する テレビもおわり砂嵐みる

017:失(海音莉羽) (~鈴音~suzune)
振られるでも振るでもなくて告うだけの、そんな終わりの失恋をする

017:失(津野) (くぎのスープ)
この世では決して探せぬ失せ物の痕跡撫でる夜は長々

017:失 行方祐美 (2011年 百首題詠のために   行方祐美)
行き失すの一人をしんと深めゐつ紅梅の下に写真を撮られ

017:失(矢野理々座) (矢野理々座のblog)
サヨナラの失策ばかりが目立つけど負けの伏線ほかにもいろいろ  ※失策=エラー...

017:失(藤田美香) (あした、たとえば雨でいいから)
なんとなく失くしていったものたちが輪郭線を強くして呼ぶ

017:失(野州) (易熱易冷~ねっしやすくさめやすく、短歌編)
背はまるめ失業保険の入る日は深煎り珈琲豆を買いくる

017:失(nobu) (翻訳家<プリマダムnobu>の日々(和⇔英:特許&一般))
失ったものはいつまでも美しく得たものはすぐに色あせる

017:失(横雲) (あしたの雲)
 失はる時を求めて彷徨(さまよ)ひてなほ面影に立つ夕月夜(ゆふづくよ)

017:失(天鈿女聖) (うずめの花ビラ)
二人して失点シーンで目が覚めて川平慈英のまぶた見つめる

017:失(峰月 京) (que sera sera)
指間から空気こぼるるようにただただ何気なく失いし時間(とき)

017:失(保武池警部補) (偶然の図書館の別館)
一人宿 亡き其方の絵失せ物も背上の棚ぞ気など遣り問ひ

017:失(船坂圭之介) (kei's anex room)
迷ひ犬わが辺に椅り(より)て尾を振りぬいましよ主を失ひしか

017:失(おちゃこ) (voice voice voice)
失った君のこころは過去のもの新たに紡ぐ未来が欲しい

017:失(梅田啓子) (今日のうた)
流れのなかに見失いたるものたちが春の夜には顔とり戻す

017:失 (氷吹郎女) (空蝉乃歌屑)
色褪せてしまった恋に失恋と名前をつけて飛ばす風船

017:失(akari) (明日へ)
失ったピース見つける術はなく空洞を風ふき抜けてゆく

017:失(浅江もも) (ななつのうみ)
壊れたり失くしていたり壊したり失望したりすれども願え

017:失(ほきいぬ) (カラフル★ダイアリーズ)
どれくらい失望させてきただろうケルンに一つまた石を積む

017:失(千束) (嵐が丘に取り残されて)
両手からこぼれる星を睨んでる「失うものなどなにもないんだ」

017:失(安藤三弥) (妄想列車2011)
失って失っていく街角でごっつんこして謝るふたり

017:失(足知) (ぶらつくらずべりい)
ビー玉や蝉の抜け殻みんなそういずれあなたは失くなるんやな

017:失(遠野アリス) (gymnopedie)
失ってはじめてわかる大切さだなんて所詮その程度だった

017:失 (砺波湊) (トナミミナト2011)
失う覚悟ができた今年のハムレットはちょっと笑ってちょっと手を見た

017:失(髭彦) (雪の朝ぼくは突然歌いたくなった)
成功は失敗の基と言ふべきか金力権力求むるかぎり

017:失(香澄知穂) (Wannabe...)
黒色の蝶柄の傘なんですが遺失物データにはありません

017:失 (香村かな) (特別な予定などない明日でも)
知らないでいた大切の意味なんて君を失う朝がくるまで

017:失(星川郁乃) (Air Station)
なめらかな接地のための失速を あきらめかたを模索している

017:失(コバライチ*キコ) (ペーパードリーム)
ジャスミンの香り失せたるベランダに差し込む夕陽の色は冷たし

017:失 (さくらこ) (さくらんぼの歌)
遺失物預かり所にはよく傘と一緒に恋が届けられてる

017:失(ちょろ玉) (ちょろ玉のコトダマラソン)
またひとつ大事なものを失って悲しい過去の歴史に変わる

017:失(ぽたぽん) (今日には今日を 明日には明日を)
いまここで必要なのは向かい風失速せずに飛び立つための

017:失(牛 隆佑) (消燈グレゴリー)
僕もまた誰かにとっての失ったものでありえて宙を漂う

017:失(只野ハル) (Ordinary days)
風に飛ばされ失くした帽子はもう戻らないと思ったあの日に

017:失(不動哲平) (酩酊通信)
失ったものを並べて書きだしてみるまでもなく眠るわが指

017:失(水風抱月) (朧月夜に風の吹く。)
くれないに沈む記憶の壜詰めがわれを助くる喪失の夜

017:失(芳立) (芳立五蘊)
〈「初音ミクの消失」に〉 失せめやも夜半の嵐のプレストに二十四連符さけぶ歌姫 ※夜半【よは】、二十四連符【にじふしれんぷ】 

017:失(原田 町) (カトレア日記)
わが内に押さえつけたるもろもろを時に失言ぽろりと漏らす

017:失 (三沢左右) (Lazy Room)
酒酔ひに現心の失せぬればまたたく星のいやまさりけり

017:失(A.I) (Private Window)
失言の皺を伸ばしてきんいろのやさしい糸で繕ってやる

017:失(ほたる) (ガラス瓶のドロップ)
失望の熟れた果実を捨てる時幹は大きく深呼吸する

017:失(ウクレレ) (ポケット短歌。-ウクレレ式短歌blog-)
モノクロのベッドできみと抱き合って話し合いする過失割合

017:失(稲生あきら) (はばたきは、音を立てる。)
顔が良くて頭も良くてスポーツも万能だから人間失格

017:失(音波) (短歌のなぎさ)
今週は外には出ずに昔した失敗のこと思い出してる

017:失     (砂乃) (通過列車)
017:失     まるで声失くしたようにメールする夫が隣にいてもいなくても

017:失 (皐月) (観目見目)
失った物を数えるその暇に光はきっと木星まで行く

017:失(尾崎弘子) (短歌、この失言の器。)
短歌とは自分を見つけやすき詩型あるいは失言しやすきとも言ふ

017:失(ひじり純子) (純情短歌)
失いて美化することも多くあり心の中の墓碑であるから

017:失(酒井景二朗) (F.S.D.)
モテるなど及びもつかず妖怪は失意のままに書籍に沈む

017:失(かきくえば) (なかゆぴ)
金色の君の眠れる図書室でめくる『失はれる物語』(失はれる物語:乙一著)

017:失(希屋の浦) (檸檬藍瑕)
アンタには失望したと言いながらどこかで期待してるわたくし

017:失(たろ) (たろりすと)
獲物狩る 勇姿称えど失敗す 恥を置き捨て きみ逃げ去らん

017:失 (周凍) (混沌と言語)
ながらへて得失ぞなき噫われは時の早瀬にかかるしがらみ

017:失(梳田碧) (【おんそくあるまじろ】)
幾つかの語彙を失う添削に顔かたちよきわが一首あり

017:失(本間紫織) (**JEWELRYBOX**)
何もかも失ってもまた立ち上がるために光は明日を照らす

017:失(豆田 麦) (むぎごはん)
失いを憂いてばかり もうやめよ 鬼も笑うよほらね明け星

017:失(葵の助) (螺旋浮遊)
失った者のためにも生きるもう死にないなんて二度と言わない

017:失(青野ことり) (こ と り ご と )
今日よりも明日はきっとあたたかい 失ったものは光に変える

017:失(Yosh) (☆生短歌☆)
失いしもの多くあり命繋がり日常生活一揺れのあと

017:失(湯山昌樹) (短歌 富士山麓より)
大切なもの様々に失われ物音さえなし 震災の町    ...

017:失(夏樹かのこ) (鹿の子帳)
想い出は白血球に食べさせた失くしたかった訳じゃないけど

017:失(鈴麗) (月夜に祝杯を)
失った分だけ届く幸せを受ける私は世界を信じて...

017:失 (うたのはこ)
かけがえのない昨日までを失くしても明日を信じる強さを僕に

017:失(香-キョウ-) (Sky on Blue)
眺めてる遠い空にはいつの日か失くしたものが散らばっている

017:失 (新井蜜) (暗黒星雲)
失つてしまつたものを探しても見つからないと分かつてゐるが

017:失(のわ) (二十四節気)
持つものがないから失うものがないココロ擦過傷ハルカゼしみる

017:失(きたぱらあさみ) (くたばれセンチメンタル)
失ったよりも多くのやさしさを注いで甘いカフェ・オレになれ

017:失(五十嵐きよみ) (111.31KV620日記)
見つけたと思った途端に見失う一度はつかんだ手のぬくもりを

017:失(るいぼす) (るいぼすのブログ)
失って地下鉄さまよう記憶降り 生きていたんだね窓に映る私

017:失(牧童) (牧童の夏至)
碇草衰えるのは失言を自分自身に繰り返すから

017:失(理宇) (±雑記蝶)
僕達は失いたくて生きていく 失うことは怖くて。だから、

017:失 (水野) (メゾン・ド・木造 跡地)
 本当の君を失うかもしれないけど放せなかった淡い右手

017:失(空音) (100の秘密 2011)
人々の胸はぱっくり空いている失くしたものは何なんですか

017:失(南雲流水) (流水(るすい)の短歌Caf\'e)
信じないことは失うことなのか抱いて貰えぬ猫濡れそぼる

017:失(萱野芙蓉) (Willow Pillow ?)
リルケの眼も思ひ出せない大事なもの失ふたびに鈍る痛覚

017:失(穂ノ木芽央) (白紙委任状)
遺失物係がひそかにとどめおく硝子の靴の清きかがやき

017:失 (きり) (梢は歌う)
失いし過去の時間は愛おしく心に積もる白雪のように

017:失(新田瑛) (新田瑛のブログ2)
チャレンジの結果としての失点を恐れるあまりスコアレスドロー

017:失(小夜こなた) (小夜こなた)
失った記憶がゼリー状になり二度と覚めない夢をたゆたう

017:失(蜂田 聞) (蜂田 聞(題詠blog))
草刈りもできないほどに疲労していたかY.Y. それは失敬!...

017:失(南葦太) (「謙虚」という字を書けぬほど)
ついてない?諦めたのはテメーだろ?いつか失くした1/2だ

016:失/犬飼信吾 (べんじゃみんへっど)
失ったものは何だったのだろうか 金のピロシキただのピロシキ

017:失(瀬波麻人) (a swallow under the moonlight)
誰を何時失う覚悟もできていて夜中突然飛び起きたりする

017:失(富田林薫) (カツオくんは永遠の小学生。)
失望を幾つ許せば春の日のわたしは羽根を持てると言うの

017:失(壬生キヨム) (ぼくはこんなことが好き。)
人生に失望されたおじさんの膝を枕に眠る少年

017:失 (村木美月) (うたりずむ)
散り急ぐ桜のような潔さ失うものを恐れず尽きる

017:失(龍翔) (The Flying Dragon)
失ったわけないじゃない だってまだ始まってさえいなかったのに

017:失(逢) (I'll be)
失ってしまわないようにはじめから手に入れることを諦めている ...

017:失(伊倉ほたる) (ほたるノオト)
タンポポの綿毛は飛んで次々と失くしてしまう甘い自意識

017:失(ひめじょおん) (ひめじょおんのうたすてーしょん)
ピーマンと茄子は嫌いって言ったのに忘れるなんて恋人失格

017:失(紗都子) (羽うさぎの日記帳)
はじめから失われていた人だった眼鏡はずした祖父を知らない

017:失(雑食) (題未定)
失ったピアスを探すふりをしてあなたの髪に触れてみた朝

017:失(陸王) (Always Walking with Yu)
お味噌落としきと記せし河童語の遺失届を川に拾ひぬ

017:失(那緒) (うさぎぱん)
急速に失われていく体温をジップロックに詰めている君

017:失(藍鼠) (nui de lune)
美しき喪失としてとどめおく君の笑顔の記憶ひとつを

017:失(じゃみぃ) (じゃみぃのうた)
生きていていいですかと問いかける人間失格心にささる

017:失(廣田) (海猫亭)
彼方から消失点へと加速して夜空に降りゆく流れる星は

017:失(なゆら) (リッスン・トゥ・ハー)
失くさないようポケットの奥底に沈めてしまえ春子の乳歯

017:失(ちしゃ) (短歌、ときどき思うこと。)
きゅうと腕つかんで印つけてるの見失っても探せるように

017:失(おおみはじめ) (探花)
高校の文芸部員だったのに短歌を無視し機会損失

017:失(佐田やよい) (低速飛行)
少しずつ失ってゆく僕たちのプラネタリウムの光いくつか

017:失(水絵) (桜舞)
夫も子もみなみなすべて流されて 失意の人よ生きてと祈る

017:「失」 (母はぐうたランナー)
失って困るものなど何も無い キミに会うまでそう思っていた...

017:失(嵐家 昇) (短歌という糸)
ニガウリがさんさんと降り空割れる 失明したの足までしみて

017:失(如月綾) (お気に召すまま)
(ないないの神様 いつしか失くしてた抱いてた夢の在り処を教えて)

017:失(揚巻) (揚巻の「題詠blog」)
影もまた光のこども 失えばいつか石碑をみた丘に風

017:失(じゃこ) (めくるめく)
慣れるってこわいことだと思います 失恋の立ち直り方とか

017:失  (シホ) (ころろん堂)
失うと わかっていたの 初めから 私に言わせて さよならくらいJUGEMテーマ:短歌

017:失(久哲) (久哲の適当緑化計画。)
まっしろを失いかけて有名なメリーさんから羊を奪う

017:失(みゅーたん) (みゅーたんか)
「大切」と声に出したら本当に大切なものを失うのだから

017:失 (史緒) (史緒のふみょふみょ日記)
放課後の音楽室の貼紙は失くした時間の捜索願                             ※時間=とき...

017:失(みこと) (One day to breathe)
心ごと空っぽにして透明な失うものだけ指で数える

017:失(みこと) (One day to breathe)
心ごと空っぽにして透明な失うものだけ指で数える

017:失 ( すわこ ) (たたんか)
小指ほど浮かんでしまう役たたず 今朝は声まで失くしてしまい

017:失(中村成志) (はいほー通信 短歌編)
失いし物捨てしもの重々と十指に影と擦り込まれおり

017:失(花夢) (花夢)
失ったひとばかりいるこの国のルサンチマンって言葉が黴びる

017:失(鳥羽省三) (臆病なビーズ刺繍)
左足を急に持ち上げオシッコし失敗顔でクロは照れてた

017:失(新津康陽) (NOTHING WORKS)
失って失って失って。それでも残るものがあるとしたら?

017:失(ワンコ山田) (歩道を走る自転車のこども)
失速を恐れるあまり(開かない胸も眼も)みな悪くなれない

017:失(こすぎ) (たんかんぽんかんみかん)
失った時間も人ももどらない 私の何かも貼りつきおちて

0017:失(由弥子) (短詩工房)
ランドセル背負いて小道行くときより失うものの用意されたり

017:失(天国ななお) (お月様は許さない)
ねえ蛇さん失楽園で辛くても生きていくから林檎ください

017:失(理阿弥) (車止めピロー)
砂漠に 見失はれし音階よ眠らずに待て我ゆくまでを

017:失(冥亭) (《冥亭倶楽部》a darkside on the earth)
失投はあの一球と誰も言う 矢の如くスタンドインせしを

017:失(ぱぴこ) (テクテク)
同じだけ失いながら生きていく大事なものが似ている僕ら

017:失(矢島かずのり) (矢島家)
眼窩から水を流しているけれど失ったのは水分ですか

017:失(希) (短歌ブログ・アブラカダブラ!)
靴下の片方だけを見失うように小さな夢をなくした

016:絹(miki) (ココロよみ)
日本の輝く力絹織りの伝統守り 永遠に伝えん

017:失(miki) (ココロよみ)
失望の被災地の意気棚上げに 醜状たるや永田町殿

017:失(東雲の月) (知のさざなみ)
失いしものは心に美しく永久に生みゆくせつなき想いを

017:失(我妻俊樹) (半ドア)
目を覚ますことに失敗した朝のきみがいるところは孤島だ

017:失 (佐藤紀子) (encantada)
失恋もうすむらさきの想ひ出となりて彩る老いの日頃を

017:失(烏野サギ子) (ネコとサカナとコトリ)
暗い森動くものには出会えない 失明の陽と失声した鳥

題詠2011-17:失 (七十路ばばの独り言)
喪失の言葉も虚し春弥生巨大津波の悪魔の爪痕

017:失(黒崎聡美) (ゆびおり短歌)
流れゆくフランス映画の字幕には丸みをおびた喪失の文字

017:失(藻上旅人) (創作のおと)
失うものの大きさなどわからぬ ましてや意味など計れぬこと

017:失(千葉けい) (遊糸(かげろう))
頼りなくカタチを変える追憶に鍵かけられず今を失くして

017:失(市川周) (ミルミルを飲みながら)
失投となる身のわたし in グラブ(すべすべ丸い白球でした)

017:失(美亜) (余韻嫋嫋)
あのひとのくれた喪失抱きながら生きるしかない 桜が、散るよ

017:失(笹木真優子) (菲薄。だけど、言葉が好きです。)
失うことを哀しいと思ってるうちに失くした方がしあわせ

017:失(櫻井ひなた) (ひなごと☆25→26)
雨雲を確認しました。明日は雨、ときどき雷雨――失恋でしょう。

017:失(星桔梗) (風船がわれるまで ?)
今ひとつ失くしてもなお大切な在りし宝を眼に焼き付ける

017:失(晴流奏) (晴流奏の題詠blog)
続く雨失った恋続く雨泣けない心続く雨、雨。

017:失 (琥珀) (あの日の夜)
失恋と誤解しつづけ待ち続け 互いの思い 気づけば葉月

017:絹(志歩) (dye white)
失って気付いてしまったわたしとは代われるものがあるということ

017:失(新藤ゆゆ) (ゆゆとぴあ。)
えいえんのきすをした日の地下鉄の消失点をまさぐっている

017:失(葉月きらら) (組曲を奏でるように・・・)
恋をして貴方の色になりたくて自分の色を失くした私

017:失(祢莉) (sugar drop)
指先のストーンのない爪を見て僕は失恋したとわかった

017:失(詩月めぐ) (かじられちゃったお月様)
好きすぎて囚われすぎて見失う貴方の心探す雨の夜

017:失(ミウラウミ) (みうらうみ?)
失いたいものを探して黒板消しをぱたぱたはたく風になるまで

017:失(藤野唯) (Sugarmint)
失くしたくなくて途方に暮れたすえ妹にしてと願う七夕

017:失(くろかわさらさ) (コンクリートと風とねこ)
少年のしろいからだにゆびさきでふれれば雨に失うなにか

017:失(飫肥正) (おびただ詩歌)
サッカーと野球いづれもきらひにて話の種は失はれけり

017 失(浅見塔子) (衛星ドロップ)
瓶底にきらきらしてた頃のぼく失ったぶんラムネになった

017:失(珠弾) (nine street kick)
ふるさとの訛りはすでに失われどこの誰かもわからない骨

017:失(月原真幸) (さかむけのゆびきり。)
平穏は突然終わる <アプリケーションの起動に失敗しました。>

017:失(水絵) (桜舞)
夫も子もみなみなすべて流されて 失意の女性(ひと)よ強く生きてと

017:失(松木秀) (わたしよきみの風景であれ)
あらかじめ失われたるものとして人生における希望はありぬ...

017:失(田中彼方) (簡単短歌「題詠だ」)
「楽に生きる記憶喪失法講座」に、通ったけれども、忘れてしまった。

017:失(エクセレント安田) (風流三昧)
夏盛り 食欲すらも 失せてまう さっぱり系の 素麺がいい

017:失(さくら♪) (さくら草紙 ~第参章~)
失いし日々の欠片を留めつつ新しき日を生きて行く我

017:失(桑原憂太郎) (憂太郎の短歌Blog)
欲望を欲していない僕たちは失われた世代と呼ばれる

017:失(村上 喬) (つぶやき短歌ブログ)
失望の実りの季節のおとずれに向日葵ゆれて影をおとせり

017:失(東 徹也) (詩歌句な日々)
失った目的さがし街に出る話しかけたりウィンドウ見たり...

017:失(伏木田遊戯) (卓上驟雨)
道の端に鵯の死が落ちていて 誰かの遺失物でもなくて

017:失(北爪沙苗) (count the steps that you take)
鮮烈に花は愛しい真実の君を喪失する記憶から

017:失(モヨ子) (題詠マラソン!)
さほどとは想わぬ人も失えば裾吹き返す風の身にしむ

017:失(今泉洋子) (sironeko)
得しものと失ひしものこもごもとありて生半ば木槿咲き継ぐ

017:失(睡蓮。) (睡蓮。の隠れ家ブログ)
酔うほどに理性失い本当の私は誰?と言いながら寝る

017:失(浅草吉右衛門) (浅草吉右衛門のブログ)
さようなら 別れはいつも そちらから 青い心は 言葉失う...

017:失(神楽坂朱夏) (神楽坂題詠亭)
失えば失うほどにたそがれはこのかなしみを深紅に染めて

017:失(はる) (はぐれ雲 -Allein Wolke-)
まっすぐに 失意の底を 見つめてる あそこに立てば 何が見えるの?

017:失(ネコノカナエ) (やまねこ通信)
失ったものの数など数えずに前だけ向いて歩ければいいのに

017:失(平野十南) (幼稚)
猫族の血は妹を離りゆく毛皮喪失現場にて 写メ

017:失 (月夜野兎) (明日 晴れるといいな)
情報に振り回されて失った真実は何処 遠いどこかに

017:失(奈良絵里子) (詠んだこと)
5年前失踪してたら良かったな 素知らぬ顔して今日戻りたい

017:失(増田静) (口笛)
あこがれの象徴として新幹線 一度はしてみたい失神

017:失(高良すな) (雨中 砂場あそび)
鮮やかな 楽しき水面 時を忘れ 黒き波間に 火を見失う

017:失(子帆) (ことばのくに)
落し物箱がどこかで倒されて解放された失言たちは

017:失(みち。) (銀塩プロローグ。)
なにを手に入れたのかさえわからないわからないまま失ってゆく

017:失(北爪沙苗) (題詠blog2011)
鮮烈に花は愛しい真実の君を喪失する記憶から (再投稿です)

017:失(ろくもじ) (タンカコタンカ 題詠篇)
味わったことのない喪失感で離婚届を茹でていました

017:失(北大路京介) (極詩的京都 北大路京介アワー)
失った恋を集めたアルバムを楽しめるよになれるだろうか

017:失(なぎ) (Dum Spiro, Spero.)
今までに失ったもの数えてる 右の小指が透けてしまった

017:失(遥遥) (たんかのきりかた)
失敗は聞きあきたので裏山にクジラの座る信号作ろう

017:失(ひぐらしひなつ) (エデンの廃園)
喪失の儀式を終えてしんしんと月光のなか覚める少女は

017:失(央上理史) (なかがみさとし・われひとりゐて)
何処迄が己の声か判らないほど解け合って失う祈り

017:失(豆野ふく) (それゆけ!だいふくもち)
「失せ物は人の手にあり」おみくじを結んだ指じゃ縋れない君

017:失(鮎美) (Continuo)
我が眠るそのあひだにも増殖す無数に失意体前屈は

017:失(清次郎) (Conical flask)
失ったものは失うべきものと磨けば靴は淡く膨らむ

017:失(夏嶋真子)  (秋のため息 三日月のくちびる)
失われし世代を失わせたものが月の博物館に並ぶ

017:失(山階基) (赤・緑)
ねえまた失うのならばそのぶんの埋め合わせはめぐみではない

017:失(粉粧楼) (薄明光線)
神経の先まで走る恋心失速させる夜はしらない

017:失(秋月あまね) (あさまだ記)
ケータイが強かに床を打ち鳴らすこころよきかな朝の敵失

017:失(生田亜々子) (屏風と靴)
近づいてやがて失うことになる方がこわくて見下ろす夜景

017:失(飯田和馬) (短歌手控え~題詠blog用)
喪失を飲み下しつつ夕映えて顔の見えない君へ手をふる

017:失(冬鳥) (ことのはうた)
蜘蛛の巣のかすかにひかる冬の夜の失踪ごっこ うしろはだあれ 

017:失(はせがわゆづ) (迷走ランドセル)
失ってしまうものと得るものが交差するつまさきはいつも迷ってばかり

017:失(野坂らいち) (のーずのーず)
本日のデザートメニューは 「~洋梨のタルトにシェフの失望を添えて~」

017:失(小林ちい) (ゆれる残像)
失ったものを数える十七の身体が既に失ったもの

017:失(田中ましろ) (ましたん)
業務上過失致恋愛ぜったいにばれちゃいけない秘密をあげる

017:失 (樹) (目の開かないキリン)
 ホームの端に切符を失くした人だけが通れるドアがあります。そちらに。

017:失 (しづく) (みずたまピルエット別館)
遺失物管理所にならあの夜になくした恋があるかもしれない

017:失(豆男) (豆男)
この胸がすーすーしてる 失った恋だったのかおっぱいなのか

017:失(anemone) (牡丹一華)
唐突で繊細でまたうつくしい 失う ということばの響き

017:失(片秀) (うつしよはゆめ よるのゆめこそまこと)
好きという一言だけの失語症遠くを見つめる彼女の前で 

017:失(小倉るい) (たんぽぽの歌)
失いしもののあまりに大きけれどこまでも碧き今日の海原

017:失(jun) (純情一直線)
見失ったものほど大きい「あてにげ」と警察と病院へ行ったタクシー

017:失(青山みのり) (わざとじゃないもん!)
「失う」と「荷を下ろす」とを同義語に括ってしまえば明日はいい日だ

017:失(久野はすみ) (ぺんぺん100%)
失言をうながしている 手を汚す覚悟もなくて湿りゆく窓

017:失(竹中 裕貴) (Milk Thistle)
葡萄一房もぐときなにかを失ったような気がしてかむくすり指

017:失(村田馨) (新東京百景)
失恋を癒す道のり海沿いの潮風公園噴水広場(032:潮風公園、品川区) 

017:失 (短歌備忘録 )
喪失をも抱えて生きる女性のよう欅の枝間に光る冬空

017:失(風とくらげ) (外からも透いて見えるだろ、ほら)
私とは私のからだを麻痺させてついに失神して見る夢よ