『ねぇ、たなぼたってなぁに?』
『私、そんなのわからないわ』
『それわじゃ、ひこ星とおり姫ほしが年に一度だけ、天の川を渡って会える日なんじゃ』
『人間界では、願い事を書いた短冊を、竹につけて、お願いすると、それがかなうということだわ』
『何でも、仙台の七夕祭りは有名なんだけど、この震災でどうなるのかなぁ?』
『僕は、フリスビーが上手くなるようにお願いするんだ』
『そんなこと、迷信だってば、だったら僕達、アジリティーのチャンピオン犬になってたもん』
『みんな夢がないんじゃない、下ばっかり向いて歩くからだわ。スパナなんて、大きい夢があるんだから』
『ちゃっこい、タヌちゃんが一番、立派に歩いてるね』
『スパナちゃん、どんな夢なんだ、まさか、僕と張りあおうって、いうんじゃないだろうね』