クロスワンオーナーブログ

横浜市港南区にある隠れ家トリミングサロン、Salon CrossWan(サロンクロスワン)のオーナーのブログです。

シニア・持病のあるわんちゃんのトリミング

2017-08-16 16:08:50 | お手入れのこと
こんにちは、クロスワンオーナーゆいです。

今日やっと、ホームページを少し作り直しました。

シニア・持病のあるわんちゃんのトリミング
についてのページです。

ニーズはあるのに、シニア犬の新規受け入れをしているサロンは、ほとんどありません。
動物病院併設のトリミングサロンであればシニアでもやっているようですが、
通っている動物病院がトリミングをやっていなくて、行きたくてもみんな断られてしまう、そんなお話しをよく聞きます。

獣医さんがいない、普通のトリミングサロンでは、体調が安定しないシニア犬や持病のある犬を受け入れることは、
けっこうな覚悟がいります。

その覚悟とは、
・命を預かっているんだ、という強い自覚。
・ちょっとでも異変があったらすぐ動物病院に直行できる環境。
・わんちゃんの気持ちや体調を、普通の健康な子のトリミングの何十倍も敏感になって感じ取らなければならない。
・担当するわんちゃんが持っている病気に対する知識!
・お客様としっかり信頼関係を築くこと。
・最善を尽くしてトリミングする。何か起きた時に後悔しない、言い訳しないため。


以前、もういつ逝ってもおかしくない、寝たきりで意識がもうろうとしているわんちゃんのトリミングを頼まれたことがありました。
お手入れ中に死んでしまうかもしれませんよ、とお話ししたら、

いつ逝ってしまうか分からないけれど、覚悟はできています。でも唯一の心残りが、このドロドロで汚れた姿で逝かせるのか、ということなんです。

それを聞いて私も覚悟を決めました。
寝たきりなので半面ずつ、バリカンやハサミを使ってできるだけ整えました。寝たきりだし、ドロドロで、なかなかバリカンもきれいに入らず、
思うようにできませんでしたが、優しく、優しく、お客様と思い出を話したり、わんちゃんに声をかけながらトリミングしました。
爪も短くして、足裏もバリカンで切って肉球が良く見えるようになりました。
お顔の毛が伸びて、口や目に入っていたのも切って、重曹水やドライシャンプーで拭きました。
スッキリした姿を見て、私もお客様もすがすがしい気持ちになれました。

翌日、「カットしたから寒がってませんか?疲れて体調を崩していませんか?」とお電話したところ、
重たかった毛がなくなって、快適そうです、ごはんを食べる量が増えました、と嬉しいお言葉をいただきました。

その二週間ほどのちに、その子は天国へ逝ってしまいました。
お客様が、きれいにしてくれてありがとう、という言葉をかけてくださり、涙が止まりませんでした。


私がトリミングをしたせいで亡くなったらどうしよう。そんな不安はいつもあります。
その不安を吹き飛ばしてくれて、トリマーになってよかった、と思わせてくれるのは、かけがえのないお客様の存在です。


この経験から、シニアでもトリミングしなきゃ、誰かがやらなきゃ、と思うようになりました。


ときどき、逝ってしまったあの子に会いたいなぁ、と思います。
お盆のあいだ、帰ってきていたかな?
私のところにも、ちょこっと寄っていってくれたかな?