photo=private rehearsal by Sakurai Ikuya
ダンスでは人体の動きが想像力に働きかけ、様々な人や出来事に影響を与えることがあります。しかし身体そのものが何かを語るのではない。身体、カラダ、と呼んでいる実体に蓄積した全てが何かを語っているのだと思います。いま動いているその体を成り立たせてきた人の生の来し方と、瞬間瞬間の体を突き動かす原動力が、如何なるものかのか、ということに、やはり興味をそそられます。
立派な人が素敵なダンスを踊るとは限らないし、丈夫な体が美しく踊るとも限らず、善き人の体が感動を誘うとも限らず、、、。
心躍るから体が踊る。というけれど、その心なるものも、何かと作用しながら刻々と変化しているところがあったり、頑丈に不変たろうとしているところもあるに違いありません。
また、体の動きには運動という意味での動きもあるが、体育の動きとダンスの動きの素晴らしさは、これまた別で、ダンスには雰囲気や音楽性や存在感などの「うごき」もある。このあたりになると、単に個人の「いまここ」の心の問題でもあるまいと思うのです。
実は、思いのほか広いところから、さまざまな複雑な現象や働きが個体に働きかけて、体の動きの衝動をもたらしているのではないかしらん。なんて。
そんなことについて、あれこれ考えたり調べたりすることが、この頃になって再び楽しくなってきています。新しい作品の構想を進めながら、なのですが。
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Stage info. 櫻井郁也/十字舎房:公式Webサイト
ただいま前回ダンス公演(2021年7月)の記録をご紹介しております。次回公演情報は、いましばらくお待ちください。