ボチボチかめさん

良い日本を夢見てきましたが 現実は遠のくばかり
のろまですが小さな脳で考えます
日本のこと 日本人のこと

キャデラックとサンバ 

2009-04-02 23:21:57 | つれづれ日記
事が終わってから頬っぺたをツネってみた。

痛かった。

やっぱり夢を見たのではないのだ。



今夜のことだ。


わたしの実家がある町は、九州のド田舎にある。
その実家のリフォームが出来上がったと連絡をもらい夕方から出かけた。

確認を済ませ業者を帰した後、いま住んでいるこの部屋では まとまらない考えも
場所が変わるとまとまるかも知れないと、ガランとした家の真ん中に座ってはみたが

選択はAか、Bか、Cか 煮詰まるだけに詰まった考えは、堂々巡りだった。
気がつくと暗くなっていて、ブレーカーを落として外に出た。


ある人に言わせれば、この町の住人には失礼なほど、現在のこの町は価値がないのだそうだ。
あれだけ賑やかだった商店街も午後6時を過ぎると どの店もシャッターを下ろし
人っ子一人いない。野良猫さえも姿を見せてくれない。
百貨店が倒産した今では、お茶を飲む処もないくらい寂れてしまっている。


アタフタと電車に乗ってこちらに帰ってくる気も起きず、主が残して逝った空き家の
花壇のブロックに、どっこいしょと腰掛けて座っていた。

田舎ほど東京の地名が多いというが、ここも銀座通りや浅草商店街などの名前付いている。
倒産した百貨店は、いつのまにか壊され空き地はフェンスで囲まれているので
いままで建物で見えなかった寂れた商店街を見渡すことができるようになっていた。


分かっていただけるだろうか、、、。とにかく寂れてしまった町の様子が。


寒いし、さて帰ろうと腰を上げかけたときだ。
どこからともなく微かにサンバのリズムが流れてきた。

その音が、次第に大きく耳に届くように近づくと ちよっと信じられない光景を目の当りにした。

なんだと思いますか!


白を先頭に等間隔に車間距離をおいて、5台のオープンカーが走って行ったのです!
サンバの音楽を流しながらです。
あっという真の出来事でした。
ボチボチの ぽかぁーーんとした顔を どうぞ想像してください。

えーーーーっ?!と驚いているうちに、また音楽が聞えてきた。
先ほどよりスピードを落とし、やはり等間隔に5台はゆっくり流れていきました。

車は、昔のハリウッド映画に出てくるような大型のオープンカーです。
色は黒、赤、白、緑、シルバーグレーの五色。
一台に2人、1人、3人だったりと若い男の子ばかりだった。


ひょっとして又 戻ってくるかもしれないと驚きが期待に変わる。


キタ!!
 
来るたびに先頭の車の色が変わっている。
今度は 続けてフェンスの周りをぐるぐる廻る。

もう こうなったら 交通規則もヘッタくれもない!
警察が来たら、勘弁してあげてと わたしも頼む!!

あきらかにショーを観せてくれているのだと直感する。

何周かしたあと5台のオープンカーは わたしの目の前でピタリと停まった。


ぱち、、、ぱち、、、、ぱち、ぱち、、、、パチパチパチパチ!!!!!!!!!!!!!!!!!


ここで拍手をしないヤツは 一生涯アホだ!
『ありがとうございました!!』と叫んでいた。


街灯に照らされて 車はツヤツヤに光っている。
男の子たちの ちょっと得意げな顔。
ぺこっと顎を突き出したしぐさで、照れ笑いをする。



、、、、、、、大丈夫、大丈夫、大丈夫、、、、、この人たちは不良じゃない。 
ナンパや金が目的じゃなく 車好きの仲間なのよと、自分に言いきかせて
内心、びくびくしながら近づいた。


『ところで この曲 なんていう曲?』

想定外の質問だったのか『えっ?!』というような顔を一瞬したあと
『山弦のサンバでガンボだけど、、、』と答えてくれた。


あ~~
このスゴイのなんていう車?と訊くべきだった。
そしてどこから来たの?とも訊くべきだった。
だけど おばさんドキドキして その余裕がなかったのよ!ごめん!


神や仏は、その者が一番必要なときに、必要なものを遣わすそうだ。
束の間の五色のキャデラック・ショーは、煮詰まった考えのガス抜きをしてくれた。

何度もお礼をいって彼らが去ったあと、わたしはもう一度、実家の前にたたずんだ。
そして頭を下げて合掌した。

選択はB。



山弦のアルバム「Island made」の中の「sanba de gumbo」は、見つけられなかったから
代わりにこの曲を貼り付けました。

こんな感じの曲に乗って、5台のオープンカーなんです。
想像できますか 夢ではないのです。楽しかったですよ。ホンとに!!

go.go.jp 山弦 (Live) 


ここまで読んでくださって ありがとうございました。


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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (のびぃ太)
2009-04-03 04:59:48
キャデラックのショーとはまたまた豪華です。
若者たちの本当の目的はなんだったのでしょうか…やはり夢の中の物語にしておきます。
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神様からの贈り物 (ボチボチかめ)
2009-04-03 08:40:05
のびぃ太さま おはようございます。

のびぃ太さまから コメントを頂けるとは
想像もしてなかったから とても嬉しいです!

最近は、自分のことで いっぱい いっぱいでのびぃ太さまのブログも ご無沙汰しております。 

>若者たちの本当の目的はなんだったのでしょうか…やはり夢の中の物語にしておきます。

そうですね。おっしゃるように そのまま夢の話にしておきましょうか(笑い)

返信する
ゴキゲン (P@RAGAZZO)
2009-04-03 12:37:04
ひゃ~、ゴキゲンですね!

暗い世情をぶっ飛ばすこいつらは
間違いなくゴキゲンです。

そして僕は、『ゴキゲン』が、大好き!
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上等だぜ! (ボチボチかめ)
2009-04-06 01:23:45
Pさま こんばんは。

ピュー、ピュー!!

本当にグルーヴィーな連中でした。
わたしも このような人たち 大好きです!
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やっぱり (アムゼル)
2009-04-06 15:49:23
夢でしょ。
夢があるお話でした。
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Unknown (eririn)
2009-04-07 17:31:08
寂れた町とキャデラックの行進!
何だか読んでいて笑ってしまいました。

そんな寂れた町に元気な若者がいて良かった!
ぼちぼちさま、考える場所があって羨ましいです。
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ご両人様へ!ご返事が遅くなりました。 (ボチボチかめ)
2009-04-09 23:05:09
アムゼル様とエリリン様 こんばんは!


アムゼル様へ

メロスは激怒した!(笑)

夢ちゃいまんねん ホンマでんねん!

中古オープンカーで検索したら 形が似てたのがキャデラックでした。中古で700万もします。

だから若者に買えるわけないと思うのです。
日本では今、独特の結婚式をコーディネートする人や会社があります。

わたしの友人の娘が結婚したときも、真っ赤なオープンカーに乗って花婿と花嫁が登場しました。

だからそんな関係の会社で働いていて、たまたま会社が休日だったから、
ちゃっかり乗り回していたのかな~と(笑)

それと とにかく閑散とした町です。
誰にも邪魔されずにドライブできます。

そこに たまたま オバンが座っていて観客になった、、、。

こういうことではないかしら、、、と思っています(笑い)


エリリン様へ

>何だか読んでいて笑ってしまいました。

ね、愉快な話でしょう!!
地元の若者では ないと思います。
多分、お隣の熊本県から来たのではないかしら。地元では有名なテーマパークがありますし、そこで外車ショーをやったりします。
山のてっぺんと市内に大きなホテルが二軒あります。そこの従業員かも、、、(笑い)

どちらにしても愉快でした!




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