自宅にいるときは、穏やかに暮らしているのに、朝、職場に一歩、足を入れた途端
体中からトゲが出てきて、ぷーっと膨れたハリネズミのようになる。
見かねた、職場の若い人たちから
「状況が大変なのは、わかるけど、ボチボチさんがてんぱると、俺らもてんぱるやろ」と苦言を頂いた。
きっと、髪を振り乱し、鬼婆の形相で仕事をしていたのだろう、、、
そんな時、忘れていた 轟はんの言葉を思い出した。
「色気とは、余裕のことでござんすよ」
とても印象に残ることばなのだが、具体的に なにを差すのかわからないまま
5年が過ぎていた。
この言葉は、女優の村松英子さんからお聞きした話だ。
村松さんも三島由紀夫の舞台作品・鹿鳴館で、主役の影山朝子を演じることになり、
舞台稽古の折、三島由紀夫から「君の演技には色気がない。轟はんのところで学んでこい」と言われ、
役作りに悩んだ村松さんが、色気ってどうすれば出せるようになるのでしょうと
尋ねたとき、上記のことばが、轟はんから返ってきたそうである。
村松さんも、朝子役で、てんぱっていたのかも知れない、、、。
やっと 最近 この言葉の意味がわかる気がしてきた。
余裕とは、余りのこと。
必要な分の他に余りのあることだ。
余りを持つためには、自信がないと余りは残らない。
ゆったりしたおもむきが、周りをも和ませるということか、、、
そんな訳で、余りをつくるために ここんとこ 土日の朝の早い時間、
事務所に行っては、新しい仕事の練習をしている。積み残しの仕事も片付けている。
おかげで、少し、こころの余裕、、、、が出てきた。
良い休日でした。
ところで、轟はんとは、舞踏家だと思っていたのですが、調べてみると、
昭和三十年ころ、新橋の現役の芸妓のままで、宮薗節(みやぞの・ぶし)浄瑠璃の
人間国宝に認定された名人だそうです。
私もこのところ心の余裕(余り)を失っておりました。
なかなか世知辛いこの浮世ですが、
何とか色気を失わんように立ち居振る舞いたいものでんな(笑)
いつもコメントありがとうさんです。
この宮薗節とかいういう古曲は、節が細かくて
間の取り方が、とても難しいとか、、、
誰でも弾けるものではないそうなんですね。
天性の才能もおありになったのでしょうが、
人一倍の努力の結果、このような言葉がでてくるのでしょうか、、
そういえば、この国も最近、色気がありませんね、、(笑い)